債務超過及び資金難の状態ではあるが、なお営業活動を継続している場合における株式会社の取締役の契約締結行為が、商法266条の3にいう会社に対する悪意又は重大な過失による任務懈怠にはあたらないとされた事例
甲が買い受けた土地につき乙名義に所有権取得登記を経由していた場合に、民法94条2項の類推適用により、甲は、乙からその所有と信じて右土地を譲り受けた丙に対し、乙が所有権を取得しなかったことを対抗することができないとされた事例
破産者と信用金庫との間の根抵当権設定契約につき、支払停止前に、当該不動産を担保に提供することを誓約する旨の念書が差入れられていても、これにより契約が成立したとは認めず、支払停止後債務超過の事実を知りながら契約を締結したとして、破産法72条1号に基づく故意否認が認められた事例
1 民法724条にいう「加害者ヲ知リタル時」の認定事例
2 海上自衛隊航空機の山腹衝突事故につき、国賠法1条1項の損害賠償責任の存在及び安全配慮義務違反が否定された事例
3 控訴審における訴の交換的変更により取り下げられた旧訴と当事者及び訴訟物を同じくする再訴の提起(予備的請求の追加)が許されるとされた事例
1 交通事故被害者の左半身麻痺が、第六頚椎圧迫骨折か大脳皮質性片麻痺かのいずれかを原因とすると選択的に認定した事例
2 国民年金上の障害年金の既給付分は損益相殺の対象となり、未給付分はならないとした事例
3 治療費等の積極損害につき、事故発生時から支払時までの中間利息を控除した上、事故発生時からの遅延損害金を付した事例
東北・上越新幹線工事実施計画変更に関する認可の取消訴訟については建設路線地域の所在地の裁判所にも管轄があるとされた事例
1 和議開始前において、債権者の強制執行により和議の成立が危ぶまれるときは、和議法20条1項に基き、その債権者を相手方として強制執行の申立を禁止する保全処分を許容することができる
2 右の場合は、既存の強制執行の停止を求める場合と異なり、和議開始の可能性が相当程度に達していることを要件としない
書籍の訪問販売業者(原告)が顧客との間に書籍売買契約を成立させたのち、同業者(被告)が同書籍を1割引で販売する旨申し向けて顧客をして右売買契約を解除させ、自ら同顧客に売込みをなした行為が信義則上不法行為を構成するとされた事例