被告会社が資本、人事、業務面において訴外会社を管理・支配する関係にあったが、その組織、業務内容、財産及び経理関係に混同があったとは認められず、また法人格乱用の事実も認められないとして法人格否認の主張が排斥された事例
1 戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和27年法律127号)の合憲性(積極) 2 第二次大戦におけるわが国の民間罹災者に対し戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和27年法律127号)所定の補償と同様の補償を与える法律を国会議員、国会、内閣総理大臣等が発案、制定しない行為と国家賠償責任の成否(消極)
抵当不動産の価額が被担保債権額に満たない場合、その不動産に設定された賃料前払、敷金500万円につき年1割5分の利息を支払う、管理費賃貸人払いの特約ある短期賃貸借につき、抵当権者に損害を及ぼすものとしてその解除請求が認容された事例
金銭消費貸借において遅延損害金を日歩8銭2厘とする約定は、右日歩を年率に引直した年29.93パーセントの割合の損害金を支払う趣旨であって、いわゆるうるう年の場合においても右年率には変更がないとするのが契約当事者の意思であると解した事例
1 郵便貯金法18条・同規則54条2項にいう「通帳等の亡失」とは、通帳等の所在が判明しないためその占有を回復する方途がない場合をいうものと解するのが相当である
2 郵便貯金証書又は通帳の提出又は提示と引換えに貯金の払戻を求める訴が将来の給付の訴であつて、あらかじめ請求する必要性を欠くものとして却下された事例
譲渡担保権者から譲渡担保の目的物を譲受けた者が譲渡担保に供されている事実を知らなかったときは、右譲受人は、右担保権者が担保権設定者に対して負担する清算義務を承継し又は担保権設定者の同時履行の抗弁権をもって対抗されることはないと解するのが相当である
患者が、診察台上で体位を転換しようとした際、その留め具がはずれて台の床部が落下し、左環指挫創等の傷害を負った場合に、医師らについて、患者の安全確認に努める義務の違背が推定されるとした事例
昭和49年3月当時激症型未熟児網膜症に対する診断及び治療適期の判定は未だ医療水準に達していなかったとして医師の過失が否定された事例
歩行者の横断が禁止されている片側4車線道路の第2車線上を深夜走行していた自動車運転者が、第3車線上の第4車線寄りに佇立していた被害者を視認しなかったからといって、直ちに前方注視義務違反が成立するものではないとした事例
タクシーの運転手が歩行者横断禁止の規制がなされている片側4車線の道路の第2車線を進行中第3車線から第2車線にかけ出してきた被害者に自車を衝突させた事故につき、前方注視義務違反の過失はないとして無罪を言い渡した事例
農協に対する被相続人の定期預金債権につき、相続開始時に第三者の農協に対する債務担保のため質権が設定されており、これを相続により承継した相続人らはその後質権の実行により右預金債権を失った場合、右第三者に対し求償権を行使するのは相続人自身であって、遺言執行者はこれを行使する権限を有しないと解した事例
夜間片側二車線の道路上で右折すべく第二車線に斜めに停車していた車の運転者に道交法25条・25条の2・55条・70条違反の責はなく、この運転者と保有者はこの車に追突死亡した車の運転者に対し民法709条、自賠法3条等による損害賠償の責を負わないとされた事例
行為の目的の正当性及び状況の切迫性についての認定判断をまつまでもなく、行為態様に照らして、当該行為の社会的相当性を否定すべきものとされた事例