甲信用組合の常務理事兼乙会社の取締役である丙が甲組合から金員の貸付を受け、乙会社がその連帯保証をした場合には乙会社から甲組合の理事会の承認欠缺による貸金の無効を主張できないが、乙会社の右連帯保証は同会社の取締役会の承認を欠き無効である
保育所の設置費用に対する国の負担金の交付は国の義務であり、その交付額は市町村の現実の支出額を基準とするが、右負担金についての具体的請求権は、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第6条所定の交付決定がなければ発生しない
代金の不払を理由とし無催告解除特約に基づいてなされた売買契約解除の意思表示が、不払額が僅少であり、売主が不利益を被った形跡がないなど判事の事情がある場合には信義則上許されないとされた事例
会計主任に対し融通手形の振出に関する一切を任せきりにしていた漁協組合長に第三者に対する任務懈怠による損害賠償責任がないとされた事例
株式会社の取締役の辞任は、その一方的意思表示のみによって効力を生ずることを理由として、会社に対するその取締役の辞任による変更登記手続請求を認容した事例
時効取得を理由とする土地所有権移転登記手続訴訟において、被告の被相続人の所有権取得原因が競落である場合、その競売申立人である債権者が被告敗訴の際、民法によって瑕疵担保責任を負うとは認められないとして、右債権者の補助参加申出を却下した事例
土木建築会社の副支店長が、自己の用途に費消するため、裏金作りに仮装して架空契約により会社に金員を支出させた行為が詐欺罪に該当するとされた事例
1 支払見込みのない融通手形を振出した代表取締役につき商法266条ノ3の責任を認めた事例
2 退任したがその登記を経ていない取締役は同条の責任を負わないとした事例
株式会社の取締役が他人の債務の担保とする目的で、満期に決済できないことを知りながら会社名義の約束手形を振出したことは、その任務を懈怠するものであるが、右債務には別の確実な担保が供されており、右取締役は会社が終局的には責任を負わないと考えていた場合、悪意又は重過失ありとはいえないとされた事例
1 更生会社に対する従前担保権の被担保債権であったものが更生計画において更生担保権とされず更生債権とされた場合、更生手続終了後の執行手続における同債権の処遇
2 更生担保権の遅滞に伴う遅延損害金に対する更生計画の利息・損害金免除条項の効力
原告が会社であるか代表者であるかにつき疑いがあるが第一審判決において個人と表示されている場合に右判決に対し会社がした控訴は不適法であるとされた事例
1 破産財団に属する財産の一括売却に当り、急迫の必要あるため、債権者集会の決議不要と認められた事例
2 破産法202条は破産管財人が任意売却により工業所有権を換価することを禁ずるものではないとされた事例
1 離婚に伴う財産分与として時価約5000万円の宅地と金1億円の支払いを命じた事例
2 離婚に伴う慰謝料として、金1000万円の支払いを命じた事例