公職選挙法所定の手続によらないで選挙の当選人であることを否定する旨の町選挙管理委員会の決定とその取消を求める訴の適否(消極)
賃貸建物がすでに朽廃に近い状態にあるが、建物としての効用を喪失するまでにはなお5年を要するなど判示の事情がある場合には、いまだ正当事由がないとされた事例
1 A株式会社の代表取締役Yが、同会社のために融資を仲介してやると称する者の求めに応じ、A会社振出の約束手形を振出すことを承諾し、A会社の約束手形用紙に手形金額及び支払期日を記入し、Yみずから振出人欄に振出人A会社の記名押印を行い、受取人及び振出日欄は空白としてこれを右仲介者に交付したときは、Yは右約束手形をA会社のために振出したというべきである
2 商法266条の3の損害賠償義務の遅延損害金は民事法定利率により算定されるべきものである
海上貨物運送において、D・D(直接荷卸)手配は運送委託者の責任範囲に属し、運送委託者は、その履行代行者たる荷受人の右D・D手配特約不履行について責を免れないとされた事例
1 上告理由書補正命令による補正をしなかったことを理由とする上告却下決定が、上告理由提出期間経過前に発せられたため、違法とされた例
2 その場合の抗告審及び抗告による右決定取消後の原審のとるべき措置
死を目前にした男性が、過去10年間にわたり異性関係を持ち親身の世話をしてくれた女性を妻として迎え、自己の死後遺族年金の受給資格を得させたいとの配慮から婚姻の届出をした場合について、婚姻の意思を肯定した事例
請求者が被拘束者(幼児)を引取り監護養育することが被拘束者のため不相当ではなく、加えて拘束者による被拘束者の拘束の開始が調停係属中に請求者による平穏な監護状態を実力で排除してなされたことなどから拘束の違法性が顕著であるとして、人身保護請求を認容した事例
砂利採取契約に基づき砂利採取者が差し入れた保証金が、採取者の契約上の一切の債務の担保であり、その返還請求権は契約終了後土地明渡完了の時に被担保債権を控除した残額について発生するとされた事例
1 記名式定期預金について、預入行為者を預金者と認めるべき特段の事情があるとして、出捐者からの払戻請求を棄却した事例
2 銀行が記名式定期預金債権を自働債権とし貸付債権を受働債権として相殺する場合には、民法478条が類推適用されると解すべきである
建物の区分所有等に関する法律17条1項の管理者には共有部分を侵害した者に対し訴訟を提起してその侵害の排除を求める権限はなく、また管理費を右訴訟に要する費用として支出することは許されないとして、右侵害排除の訴を提起して勝訴した区分所有者の管理者に対する弁護士費用等の不当利得返還請求を排斥した事例
記名式定期預金を見合いとして融資がなされた場合において、右定期預金の預金者はその出捐者でなく、銀行が預金者と信じた預金名義人でかつ預入れ行為をした者であるとされた事例