破産法59条1項は、双務契約につき破産者及びその相手方が破産宣告の当時未だ共にその履行を完了していないときに、破産管財人にその選択に従い契約を解除し又は破産者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することもできる権限を付与しているにすぎず、破産管財人に右の選択をすべき義務を課しているものではない
建造物内に燃焼器具を設置することを業とする者(ボイラー設置業者)において出火防止のため尽すべき施工上の注意義務の限度
1 買収令書の交付を欠く農地買収処分の効カ
2 農地法3条の県知事の許可のある農地と買収処分の効力
3 証拠の摘示を欠く判決は違法であるが、民訴法387条の原判決を取消すべき場合に当らないとされた事例
本件における退職金規定は、支給率の最高限を定めたものとしては有効であると解し、定年前の中途退職者の退職金算定についての合理的支給率は、定年時の150を勤続年数による係数に従って一律低減したもので計算した事例
保険金詐取の目的で殺害された者の遺族が、加害者が代表者となっている会社らに対し損害賠償の支払を求めるとともに、右会社の保険会社に対する保険金請求権を代位して保険金の支払を求める請求を名古屋地裁に提訴した事件につき、後者の請求の普通裁判籍及び義務履行地の裁判籍は東京地裁にあるとして、後者の請求を東京地裁に移送した事例
競売申立人が一括競売の違法を理由として競売許可決定に対し抗告を申し立てる利益ありというには、分別競売による方が高価に売却でき自己に対する弁済額の増加が期待できる場合であることを要する
1 不渡異議申立手続の委託に伴う預託金の返還請求権が手形債権者に転付された場合と支払銀行が手形債権者に対して有する反対債権をもってする相殺の許否 2 第三者債務者が民訴法609条に基づき被差押債権の存在を認め支払意思を表明したことと相殺権の放棄
職業安定法32条1項本文は、有料職業紹介事業を、それが求職者の自由意思を制限する虞れの有無にかかわらず、同法5条にいう職業紹介である限り一律に禁止したものである
上下二つの宅地造成地からの出水のため土砂が流入して溜池が埋没し下段の造成者において溜池水利権者に補償した場合において、下段の造成者から上段の造成者に対する求償につき、上段の造成者の責任を、出水事故との相当因果関係として補償額の6割を認め、下段の造成者の過失として更に3割を減じた限度において認容した事例
前期破水後における細菌感染による発熱を一過性のものと誤診し抗生物質の投与を遷延する等したため、産婦を死亡するに至らせた産婦人科医の過失責任が肯定された事例
1 機長の過失が原因となって自衛隊機が墜落し、同乗者が死亡した事故につき、国に対し右機長を履行補助者とする安全配慮義務違反に基づき損害賠償責任を認めた事例
2 安全配慮義務違反に基づき被害者の父親が弁護士費用の損害賠償を請求し得るか(積極)
私立高校通学の子女をもつ親から、その負担する公立高校との学費の差額は、国会・内閣が、その裁量範囲を逸脱し、憲法26条、教基法に定める法的作為義務に違反したことに基づく損害であるとし、被告国に対してなされた国家賠償請求がいずれも排斥された事例
工場内に設置された製麺機は、民法177条にいわゆる「土地ノ工作物」に該当するが、その設置、保存に瑕疵がないとされた事例
刑事補償請求事件についての即時抗告棄却決定謄本が請求人本人と代理人との双方に日を異にして送達された場合と特別抗告申立期間の起算日