1 不動産仲介業者が、その仲介業務を行なう過程において、善管義務を怠ったとしても、右仲介により、現実に売買契約が成立し、その履行も終った以上、報酬請求権は発生する 2 売主から1区画の土地の売買の仲介を依頼された不動産仲介業者が、その仲介により、巾50センチメートルのそれだけでは使用価値のない土地部分を残して、他の大部分の土地を売却する旨の売買契約を成立させた場合において、委託者に右の如き拙劣かつ不適当な売買をしないよう適切な助言をしない限り、善管義務を怠ったものとして、不動産仲介業者の委託者に対する損害賠償責任の認められた事例
真実と異なる所在地番に所在するものと誤認して建物表示登記をなした登記官に過失があるとして損害賠償請求が認容された事例
1 住職たる地位の存否の確認を求める訴と訴の適否 2 特定人の住職たる地位の存否が同人の具体的な権利又は法律関係をめぐる紛争につきその当否を判定する前提問題となっている場合と住職たる地位の存否についての裁判所の審判権
1 甲事件の裁判確定によりその本刑たる自由刑の執行に替えられるべき未決勾留と重複する未決勾留を乙事件の本刑に算入することの適否 2 原判決中未決勾留日数算入の部分のみが破棄された事例
1 自動車速度監視装置(「オービス3」という)による写真撮影は、憲法13条の保障する、いわゆる肖像権、プライパシーの権利の侵害にあたらないとされた事例 2 オービス3によって撮影された写真(速度測定記録)等の証拠は、その収集手続において憲法31条、同35条、刑事訴訟法218条等に違反するものではなく、適法な証拠として許容される 3 オービス3による速度違反車両の取締りは「不合理な差別」にはあたらず、憲法14条に違反しない 4 オービス3による速度違反車両の取締りは集会および結社の自由を侵害するものではなく、憲法21条に違反しない 5 オービス3による速度違反車両の取締りは被疑者・被告人の防禦権を侵害するものではなく、従って適正手続(デュー・プロセス)を保障した憲法31条に違反するものではない
売主において既払済みの代金がある売買契約の合意解除に当っては、右契約に関し売主として未履行部分がある時は、買主は売主に対しその未履行部分相当額を不当利得として返還請求できる
1 立法行為又は立法不作為と国賠法の適用(積極) 2 選挙権の保障には投票の機会の平等の保障も含まれるか(積極) 3 在宅投票制度を廃止する立法は違憲、違法なものであるとされた事例 4 在宅投票制度を廃止する立法をした国会議員に故意・過失がなかったとして損害賠償請求が認められなかった事例
土地区画整理法に基づく土地区画整理事業に協力する趣旨で従前の土地甲の地上建物(以下、旧建物という)の賃借人Xが、いったん旧建物を退去し、旧建物が取りこわされたときは、右土地甲の地主とXとの間に土地甲の借換地上に建築予定建物にXの入居を保証する約定があるとしても、Xは、土地甲の承継取得者Yに対し、Xの建物賃借権ないし建築予定建物への入居請求権をもって対抗することはできない