工事の元請人が労働基準監督官の建設業法41条による指導に基づき自己の下請業者が孫請業者に支払うべき作業代金を支払ったからといって、それにより自己の下請業者に対する請負代金の弁済があったとは解すべきではないとされた事例
関与税理士の指導・助言等の不充分により、租税減免や繰延の各特例規定を知らなかったため、資金繰りに苦慮した挙句逋脱に及んだとしても、それは動機の錯誤にすぎず故意の成立には影響がないが、情状として量刑上考慮すべきであるとされた事例
深夜時間外労働に対する割増賃金等の請求と関連して、麻雀荘従業員からする売上伝票に対する文書提出命令の申立が民訴法312条3号後段により許容された事例
1 税理士一般試験に合格した税理士は税理士特別試験の無効確認、取消し又は差止めを求める原告適格を有するか(消極) 2 国及び地方自治体の税務職員経験者を対象として行われる税理士特別試験は憲法14条1項に違反するか(消極) 3 税理士法附則30項ないし36項の規定は、時限立法の性格を有するか(消極)
砕石の販売業者甲が、その販売先乙に舗装工事を請負わせた丙に対し、乙が倒産し代金が未収であるので砕石を回収したい旨申入れたのにかかわらず、丙が砕石を舗装工事に使用してしまった場合には、丙は甲に対する損害賠償責任を免れないとされた事例
代表取締役が友人に会社の業務一切を任せたことに任務の懈怠があったとしても、右代表者の監視義務違反と会社の倒産ないし第三者の損害との間に相当因果関係を欠くとして、商法266条の3所定の代表取締役の責任が否定された事例
不動産の登記済証及び評価証明書、本人の実印及び印鑑証明書、本人の実印だけが押捺された農協組合所定の農協取引約定書、根抵当権設定契約証書及び登記手続のための委任状を持参した僣称代理人との間で締結された農協取引契約及び担保権設定契約につき、民法110条の表見代理の成立が否定された事例
未熟児網膜症医療過誤訴訟において、担当医師に診療の実施ないし転医の指示等に過失がないとして、原審の判断を覆えし、病院の責任を否定した事例
ポリエチレン製ゴルフネットの売買において買主が売主に対し品質上に多少問題がある旨の話をしたことが商法526条1項の「瑕疵あることの通知」としては不十分であるとされた事例
社交クラブを経営するX会社が、雇入れに際しその実兄Yを身元保証人にしているクラブホステスAの求めにより、雇入れ3日後にAに対し金120万円を貸与した。右借入れに際し、AはX会社代表者に対しYの実印、印鑑証明書及びY所有土地の権利証を示して、兄のYは資産もあり、右借入れにつき連帯保証人となることを承諾し、保証契約締結などにつき一切の権限を自己に与えている旨述べて前記権利証を差し入れたときは、特段の事情のない限り、X会社代表者がAに保証契約締結の代理権があると信じたことについて正当の理由があるというべきであり、本件においては、右特段の事情があるとは認められない