職業画家が印刷会社の被用者の過失によってその作品を紛失され損害をこうむった事案につき、絵画の紛失による物損とそれに基づく精神的損害を全体として評価算定した事例
左脛骨骨折等の傷害に対する治療として牽引療法等施行後、左足膝下背部の筋肉が壊死脱落した場合につき、血行障害を看過した過失と右結果との間に因果関係が認められないとして、医師らの責任が否定された事例
1 受訴裁判所は、緊急命令の申立の許否を決するに当り、いわゆる即時救済の必要性の有無についてのみならず救済命令の適否についても審査することができる((イ)事件) 2 救済命令の重要な論拠部分に事実誤認があり、その適法性に疑義があるとして緊急命令を発することは相当でないとした事例((イ〕)事件) 3 行政事件訴訟法22条は抗告手続にも準用される((ロ)事件) 4 緊急命令申立却下決定に対する抗告事件において、救済命令の名宛人である組合および組合員らは、同手続の結果により権利を害される第三者に該当しない((ロ)事件)
化粧品の使用により顔面黒皮症に罹患したことを理由とする損害賠償請求訴訟において、被告(化粧品製造業者)の申立てに基き、第三者たる医療機関の所持する原告(患者)の診療録(カルテ)の提出命令が、民訴法312条3号前段の適用により認容された事例
金融業者が代理人と自称する者との間に不動産譲渡担保契約を締結するに当り、直接本人につき代理権の有無を確認しなかった等を理由に表見代理の成立を否定した事例
被疑者の任意同行が実質的には逮捕行為に当たり違法ではあるけれども、右逮捕行為の違法性の程度はその後になされた勾留を違法とするほど重大ではないとして、右勾留中に作成された自白調書に証拠能力を認めた事例
1 敷金返還請求権を目的とする質権設定契約の効力(積極) 2 第三債務者が質権者を特定しないでなした質権設定に対する事前の承諾の効力(積極)
農地に通行地役権の設定を受け、これを現実に通路として使用していたものが、その後右通路をコンクリートで舗装し、農地として回復が困難な非農地としたときは、右通行地役権設定は右舗装時以後知事の許可をまつまでもなく有効となるものと解すべきである