保険診療の医師、医療機関、薬局の各指定取消等により診療所等の経営が破綻するおそれがある場合行訴法25条にいう「回復困難な損害」があるとされた事例
競落許可決定の対象建物が、その敷地たる宅地と共に一括して競売することの妨げとなるような事情は何もないのに、右建物のみが競売された場合、同建物につき定められた特定の最低競売価額が、右建物競落のとき、その敷地たる宅地に設定したものとされる法廷地上権の価額を過少評価したことに基因し、不当に低廉であり、結局、競売期日公告に適法な最低競売価額の記載を欠くものとして競落許可が取り消された事例
1 租税逋脱犯における逋脱所得の算定につき、いわゆる財産増減法によって立証したとしても、それによって実際所得金額の少なくともこれ以下ではないという最少限度の実額が認定でき、また個々の勘定科目を争うことによって逋脱取得とされた金額が争えれば、何ら被告人の防禦に実質的な不利益を与えることはないから、右の方法による所得の立証は許容される 2 簿外ゴルフ会員権の仕入価格が不明である場合に、業界の「ゴルフ会員権相場表」で評価算定することは推計計算であるから許されないとして、判明している実際販売価格から荒利益率を用いて算出したうえ仕入原価を推認した事例
1 特別清算開始決定を受けた会社に対する無条件の給付判決をすることの可否 2 買戻代金の提供が現実の提供に代えて支払いの準備をしたことを買主に通知するをもって足りるとされた事例
被害者の身体の老人性変化を考慮し、事故直後入院した病院における治療費を除き、その後の治療費その他の損害について3分の1の限度で交通事故との相当因果関係の存在が認められた事例
職業画家が印刷会社の被用者の過失によってその作品を紛失され損害をこうむった事案につき、絵画の紛失による物損とそれに基づく精神的損害を全体として評価算定した事例
左脛骨骨折等の傷害に対する治療として牽引療法等施行後、左足膝下背部の筋肉が壊死脱落した場合につき、血行障害を看過した過失と右結果との間に因果関係が認められないとして、医師らの責任が否定された事例
1 受訴裁判所は、緊急命令の申立の許否を決するに当り、いわゆる即時救済の必要性の有無についてのみならず救済命令の適否についても審査することができる((イ)事件) 2 救済命令の重要な論拠部分に事実誤認があり、その適法性に疑義があるとして緊急命令を発することは相当でないとした事例((イ〕)事件) 3 行政事件訴訟法22条は抗告手続にも準用される((ロ)事件) 4 緊急命令申立却下決定に対する抗告事件において、救済命令の名宛人である組合および組合員らは、同手続の結果により権利を害される第三者に該当しない((ロ)事件)
化粧品の使用により顔面黒皮症に罹患したことを理由とする損害賠償請求訴訟において、被告(化粧品製造業者)の申立てに基き、第三者たる医療機関の所持する原告(患者)の診療録(カルテ)の提出命令が、民訴法312条3号前段の適用により認容された事例
金融業者が代理人と自称する者との間に不動産譲渡担保契約を締結するに当り、直接本人につき代理権の有無を確認しなかった等を理由に表見代理の成立を否定した事例