帰属清算型仮登記担保権の実行にかかる本登記(承諾)請求訴訟の場合における清算金の額の算定は、事実審の口頭弁論終結時を基準とする
ビルの一室の賃貸借につき賃借人が差入れた敷金の性格を有する保証金の返還請求債権は、その性質上貸室明渡前には譲渡が禁止される債権とはいえないとされた事例
仮処分の本案訴訟において債権者敗訴の一審判決があり、右訴訟が現に控訴審に係属中であっても、債務者は、すでに一審に係属中の右仮処分異議事件において、本案判決の言渡により事情が変更したことを抗弁として主張することを妨げない
訴訟委任を受けた弁護士が、依頼者からの事情聴取及び依頼者に対する訴訟の進行状況等を報告しなかった結果依頼者を敗訴させた事案につき、右の弁護士に債務不履行の責任を認めた事例
信用金庫が真実の預金者と異なる者を定期預金の預金者と誤認してその者に対し、右定期預金を担保に貸付し、定期預金債務と相殺した場合に、民法487条の類推適用により、右相殺をもって真実の預金者に対抗できるとされた事例
1 商法204条ノ2第1項所定の譲渡承認および譲渡相手方指定請求を譲受人が自己の名においてなすことの適否(積極) 2 仮処分命令により選任された代表取締役あるいは取締役の職務代行者が本案事件の判決確定により退任した場合における商法258条1項、261条3項の適用の有無(消極) 3 有効な取締役会決議によらずかつ代表権消滅後の代表取締役職務代行者によりなされた商法204条ノ2第2項に基づく譲渡相手方指定通知の瑕疵が治癒され遡及して有効となったと認められた事例 4 商法204条ノ2第2項に基づく譲渡相手方指定通知の追認行為が代表取締役以外の取締役によりなされてもなお有効とされた事例 5 商法204条ノ3第2項所定の純資産額の算定にあたり税法上損金算入が認められる「証券取引責任準備金」「売買損失準備金」を積極財産から控除すべき消極財産に含めることの可否(積極) 6 商法204条ノ3第1項に基づいてされた現実の供託額が同条第2項所定の供託額に不足してもなお有効とされた事例
遺留分権利者が減殺すべき贈与が無効として訴訟上抗争している場合であっても、右無効の主張が一応事実上もしくは法令の解釈適用上の根拠があり、遺留分減殺請求権を行使しないことにつき相当の理由があると認められないかぎり、右減殺請求権の時効の進行が開始する
労働組合の幹部が争議中に組合を脱退した組合員の自宅附近において宣伝カーによって、その組合員を裏切者等として非難した行為を、組合の組織防衛のための正当な行為に当るとして不法行為の成立を否定した事例
1 相手方会社に勤務中、クロム酸塩等の粉じん・ミスト・蒸気等を吸引し、あるいは、これに接触してきたため、肺癌等により死亡した者の遺族らが、相手方会社に対し民法709条に基づいて損害賠償を求める訴訟の救助申立につき、無資力を判定するに当り、原則として同居の家族が4人までの申立人につき年収300万円をもって、また、独身の申立人につき年収150万円をもって一般的基準とすることをもって相当と認めた事例 2 訴訟上の救助の要件である資力の判定につき家族の収入を合算することの可否(積極)
賃金、昇格等労働条件につき差別取扱いがなされていることを理由とする、賃金または損害賠償請求訴訟提起準備のための証拠保全として、使用者である会社の調整・保存にかゝる賃金台帳の提出命令を申立てた事案につき、右台帳が民訴法312条3号後段の文書に該当するとして、右申立てが認容された事例