当座預金の払戻請求権を受働債権とし、原告の従業員が偽造小切手によって同一預金の払戻を受けたことによる被告銀行の損害賠償請求権を自働債権とする相殺が認められた事例
航海中梱包に破損を生じた状態で陸揚された貨物につき、後日船積前、積載船舶未定として締結された海上保険契約を保険者に要素の錯誤があったとして無効とした事例
1 時効中断事由としての差押、仮差押は、権利者が自ら行うことを要すると解すべきである 2 第三債務者が消滅時効完成後に債務の一部を転付債権者に弁済しても、第三債務者の債務者に対する関係では、時効利益の放棄とはならない
1 新聞・テレビに対する材料提供者に各誉毀損の不法行為責任を認めた事例 2 男性に妻子があることを知りながら情交関係を結んだ女性の慰藉料請求が認められなかった事例 3 相手方の名誉を毀損する言動は相手方の自己に対する著しい名誉・信用毀損行為に対する防衛上已むを得ずなした反論であるとしてその違法性が阻却された事例
1 覚せい剤について不正の行為により関税を免れた者に対し関税法110条1項1号ることと憲法38条1項 2 覚せい剤について不正の行為により関税を免れた者と関税法110条1項1号
会社が労働組合に組合事務所として無償貸与した建物の使用貸借について、契約に定められた目的に従った使用及び収益が終了したとされた事例
既存のマンションとの複合的な日照阻害を理由として5階建マンションの4階とバルコニーの一部の建築禁止を求める仮処分申請が認められた事例
帰属清算型仮登記担保権の実行にかかる本登記(承諾)請求訴訟の場合における清算金の額の算定は、事実審の口頭弁論終結時を基準とする
ビルの一室の賃貸借につき賃借人が差入れた敷金の性格を有する保証金の返還請求債権は、その性質上貸室明渡前には譲渡が禁止される債権とはいえないとされた事例
仮処分の本案訴訟において債権者敗訴の一審判決があり、右訴訟が現に控訴審に係属中であっても、債務者は、すでに一審に係属中の右仮処分異議事件において、本案判決の言渡により事情が変更したことを抗弁として主張することを妨げない
訴訟委任を受けた弁護士が、依頼者からの事情聴取及び依頼者に対する訴訟の進行状況等を報告しなかった結果依頼者を敗訴させた事案につき、右の弁護士に債務不履行の責任を認めた事例
信用金庫が真実の預金者と異なる者を定期預金の預金者と誤認してその者に対し、右定期預金を担保に貸付し、定期預金債務と相殺した場合に、民法487条の類推適用により、右相殺をもって真実の預金者に対抗できるとされた事例
1 商法204条ノ2第1項所定の譲渡承認および譲渡相手方指定請求を譲受人が自己の名においてなすことの適否(積極) 2 仮処分命令により選任された代表取締役あるいは取締役の職務代行者が本案事件の判決確定により退任した場合における商法258条1項、261条3項の適用の有無(消極) 3 有効な取締役会決議によらずかつ代表権消滅後の代表取締役職務代行者によりなされた商法204条ノ2第2項に基づく譲渡相手方指定通知の瑕疵が治癒され遡及して有効となったと認められた事例 4 商法204条ノ2第2項に基づく譲渡相手方指定通知の追認行為が代表取締役以外の取締役によりなされてもなお有効とされた事例 5 商法204条ノ3第2項所定の純資産額の算定にあたり税法上損金算入が認められる「証券取引責任準備金」「売買損失準備金」を積極財産から控除すべき消極財産に含めることの可否(積極) 6 商法204条ノ3第1項に基づいてされた現実の供託額が同条第2項所定の供託額に不足してもなお有効とされた事例