文化財享有によって得る学術研究者などの利益は、法律上保護された利益ではないから、史跡の指定解除処分を求める適格を有しないものとされた事例
1 観光ホテルの入浴客が8階大浴場外側のベランダから転落して死亡した事故につき、窓及びベランダの設置、保存に瑕疵があるとして、ホテル側の損害賠償責任を認めた事例 2 右死亡した入浴客の過失割合は5割である
1 保管金規則1条所定の期間は時効期間か(積極) 2 競売手続における余剰金交付請求権の消滅時効の起算点 3 保管金規則1条第3は時効中断の根拠規定か(消極) 4 債権仮差押により被差押債権は時効中断するか(積極)
司法書士事務所においてあらかじめ注文・印刷された定型的な不動産売買契約証書中の「目的物件引渡前に物件焼、滅失した場合買主何等責任なく契約解除する」旨の条項の趣旨
1 民訴法312条1号にいう当事者が訴訟において「引用シタル」文書に該らないとされた事例 2 民訴法312条3号前段の「挙証者ノ利益ノ為二作成セラレ」た文書に該らないとされた事例
使用者と多数組合との間で締結されたユ・シ協定は、多数組合を脱退して少数組合に加入した者には効力を及ぼさないとして、右のユ・シ協定に基づく解雇を無効とした事例
1 借地人がその地上建物につきなした工事が、建物の存続期間を著しく伸張させひいて地主との間の信頼関係を破壊するようなものではないとした事例 2 借地人が、借地上の建物について、その構造、機能及び美観を維持保全するためになす合理的範囲内の補修工事は、無断増改築禁止特約がある場合においても許される
1 警察官が告訴を受理しなかったからといって、告訴者に対する関係で直ちに違法となるわけではない 2 警察官が職務執行中に法定の手続の下に行なわれる場合以外の人に対して「逮捕する」と告げることは違法であり、相手に対して不法行為を構成する
1 債権者代位訴訟の原告である債権者が被告である第三債務者の提出した抗弁に対し自己独自の事情に基づく再抗弁を提出することの可否 2 主位的請求を棄却し予備的請求を認容した控訴審判決に対し第一審被告のみが上告した場合と上告審の調査・判断の範囲
1 先行売買の買主からの買受方を交渉したが不首尾となり、その売主から買受けてその所有権移転登記を経由した二重譲受人であるのに、後行売買の動機、目的、態様等に不法、背信性が顕著でないとして背信的悪意者と認められなかった事例 2 被侵害不動産の時価が騰貴しつつあってこれを不法行為者が知り又は知りうべきであったが、その後右不動産の所有者がこれを他に処分したであろうと認められる場合と損害賠償額
債権の贈与にあたり、贈与者が受贈者に対して委任状、印鑑証明など贈与者に代って債権の弁済を受領し得るに足る書類を交付したことをもって、当該贈与につき履行を終ったものと認容された事例
河川の氾濫により被災した住民からの国家賠償請求事件において、被告県に対し同被告がその水害発生以前に内部資料として作成した、河道計画調査報告書について、文書提出命令を申し立てることができないとされた事例