メーカー側が自己の販売ルートの秩序維持を確保するために、輸出会社が右ルートを逸脱して輸出した機械について、輸出先に赴きその部品をひそかに抜き取り、また新品とは認めない旨の虚偽の確認書を交付した各行為につき、自衛のための正当行為とはいえず、営業妨害行為であるとした事例
1 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の脱退組合員に対する払戻持分の計算のための組合財産の評価にあたり将来退職する組合役員・従業員に支払われるべき退職慰労金・退職金につき当期末現在で算出したその相当額を負債として計上することの可否 2 中小企業等協同組合法に基づく企業組合の理事全員の協議により組合の経理業務を担当することとされた理事の事務処理に非違があった場合と同法38条の2第1項所定の損害賠償責任
1 政府の経済政策の決定の是非は司法審査の対象となりうるか(消極) 2 郵政大臣は郵便貯金法12条に基づき物価の上昇に対応して郵便貯金利率を変更すべき作為義務を負うか(消極) 3 国民に個別的な「経済生活安定権」なる権利が保障されているか(消極) 4 郵便貯金契約上の債権は物価上昇による減価分の請求権を含むか(消極)
県立高等学校の校長が入学試験の採点カードの一部につき、点数の水増し改ざんを部下に指示したとの理由で、同校長を懲戒免職に付した処分が適法とされた事例
信用金庫取引約定4条4項により信用金庫が占有する手形をとめ置き、取立弁済に充当できる旨の特約は、割引依頼人が破産宣告を受けたときには破産管財人に対抗することができるか(消極)
1 労働組合が郵便局庁舎内に設置された掲示板を使用できる法律関係は、国有財産法18条3項の許可処分である 2 郵政省庁舎管理規程及びその運用通達は憲法21条、28条、労組法7条に違反しない
客待ちの売春婦を自己の経営するホテルに待機させホテルの客にあっせんしてホテルの内外において売春させていた場合と管理売春の成否(積極)
自動車の中間販売業者に自動車を売り渡した自動車販売業者が中間販売業者との間の自動車売買契約に付した所有権留保特約により留保された所有権又は右売買契約解除により復帰した所有権に基づき中間販売業者からその自動車を買い受けたユーザーに対し自動車の引渡を請求することが権利の濫用になるとされた事例
1 従業員を被保険者、被保険者の受傷または死亡を保険事故、事業者を保険金受取人とする団体傷害保険契約においては、自動的に新規採用者を被保険者とする旨の商慣習は存在しない 2 団体保険契約においても被保険者の死亡を保険事故とする部分については生命保険契約に準じて取り扱い、契約の効力発生要件として被保険者の同意を要するのが相当である