主位的主張と予備的主張との双方に対してされたと解すべき主張につき予備的主張との関係においてのみ判断の対象としたことが主位的主張との関係で判断遺脱を犯したものとされた事例
1 証券取引法上証券会社に作成が義務づけられている有価証券売買日記帳などの文書と民訴法312条3号による文書提出命令の申立の適否(消極) 2 前項の文書は商法35条にいう商業帳簿に該当するか(消極)
薬害訴訟の被告である製薬会社から第三者である医療機関の所持する原告患者に関する診療録についてなされた文書提出命令の申立が却下された事例
1 構成部分の変動する集合動産と譲渡担保の目的 2 構成部分の変動する集合動産の譲渡担保につき目的物の範囲が特定されているとはいえないとされた事例
更生会社の共益債権の支払いに充てることのできる一般財産の額が共益債権の額を下廻る場合、共益債権である租税債権にもとづき更生会社の財産に対し滞納処分をすることは許されないとした事例
1 国税も会社更生法210条の関係では他の共益債権と同様に取扱われ、なんら優先権を主張しうるものではない 2 会社更生法210条の2第3項では取消しうる対象から滞納処分が除かれているけれども、これは更生裁判所がなす簡易な手続による取消の対象から除外されたものにすぎず、行政訴訟による滞納処分の取消を禁じたものではない、とした事例
1 鉄欠乏性貧血症患者に対し約8か月間に鉄剤約300本(鉄含有量合計約12グラム)を注射投与したことが過剰投与とされ、投与した医師に診療契約上の債務不履行責任が認められた事例 2 鉄剤の過剰投与と全身の皮膚の色素沈着、肝臓腫大、肝部圧痛、筋肉圧痛、腰背部痛、筋力低下、歩行困難、副腎皮質機能低下、肝機能障害の諸症状及び疾患との間の因果関係が推認された事例
特許法101条2号の「その発明の実施にのみ使用する」とは、「物」がその目的・機能から特性として備える本来的な用途が当該発明の実施に適わしいことをいい、その「物」に他の用途の可能性があっても、それが実用化されていない限り、いわゆる間接侵害とされることを免がれない
1 被買収者を誤った農地買収処分の無効確認訴訟が確定したため、被売渡人からの転得者が裁判上の和解により真正所有者から土地を買受けた事案につき、国の損害賠償義務が認められた事例 2 国が損害賠償請求権の消滅時効を援用することが権利の濫用として排斥された事例
腸管運動不全を基盤にする消化管麻痺を起こした患者(女児12才)が開腹手術後数日にして死亡した事故につき、病院側に誤診療等の過失はないとされた事例
原告が出生した時、原告の父(中国人)と母(日本人)とは有効な婚姻関係にあったものであるから、旧国籍法3条の「父力知レサル場合」に当たらないとして、原告の日本国籍が否定された事例