1 無効審判において、実体的審理に入らず、特許法135条のいわゆる不適法を理由とする審決についても、この取消訴訟の被告は、特許法179条但書で定められた通り、審判の被請求人である 2 審判請求後約1年7月間請求の理由を全く補充しなかったことは、特許法131条1項3号の請求の理由を欠く方式違背となるが、この不備は補正可能なもので、135条にいう「補正のできないもの」には当らない。したがって133条1項により補正を命ずべきで、その手続を経ずしてただちに審判請求を却下するのは違法である
交通事故により受けた右手捻挫、両膝打撲の治療期間、治療費等の見込が不明で、損害額の具体的検討もなされず、保険金額も未定のままの状態で、被害者請求で支払われる自賠責保険金以外の賠償責任を負わない旨の示談契約が公序良俗に違反し無効とされた事例
1 地図の著作物性は、各種素材の選択、配列および表現方法を総合したところにある(著作権侵害否定事例) 2 新著作が独自に創作されたものであれば、結果的に他人の著作物と同一となっても、著作権侵害とはならない 3 新著作が他人の著作物を基本として作成されても、旧著作の著作物としての特徴が新著作の創作性のかげにかくれて認識されないときは、独自の著作物といえる
1 隣接する二つの字の公図上の距離、角度の正確性に疑問が多いときには、占有状況及び公簿面積と実測面積の比較を重視して境界を確定するのが相当であるとされた事例 2 原告が取得時効の完成により隣接地の所有権を取得した結果境界確定の訴の当事者適格を喪失したとして右の訴を却下した事例
電力会社が大阪府に対し、住民提起の新発電所建設禁止等請求事件において火力発電所付近住民の健康調査に基づき大阪府が作成したアンケート調査票、問診表等の文書提出命令を求めることができるか(消極)
職務質問及び交通の危険防止のため自動車の窓から手を差し入れエンジンキーを回転してスイッチを切り運転を制止した警察官の行為が適法とされた事例
1 体育センターが民訴法46条の「権利能力なき財団」と認められた事例 2 権利能力なき財団が社会的評価を侵害された場合、慰謝料とは別個の変形損害の賠償請求権を取得するとされた事例
本案訴訟が休止満了により終了したのちでも、再度本案の訴が提起されている場合には、仮処分取消の事情の変更があったとはいえないとされた事例
1 ストマイの副作用に対する国の措置に違法がないとされた事例 2 医師法24条の2所定の厚生大臣の指示の要件 3 厚生大臣がストマイにつき医師法24条の2所定の指示をしなかったことが違法ではないとされた事例 4 国は結核患者の医療の主体か(消極) 5 医薬品製造業者は医薬品につきその副作用等使用上の注意事項を添付文書等に記載する義務を負うか(積極) 6 ストマイの添付文書等に副作用の記載が欠けていたとして製造業者の責任を認めた事例
被用者がなした不法行為がその権限外の行為であることを重大な過失によってこれを知らなかったことを理由に、使用者責任を否定した事例
証券会社が証券取引のある顧客から株券盗難の通知を受けた場合、証券会社は顧客のために盗難株券の回収を図り、換金を阻止する措置義務を負担するか(消極)