占有者が一時使用のための賃貸借契約に基づいて土地を占有している場合の占有者の賃借の意思は、賃借権の時効取得の要件として必要な賃借の意思には該当しない
1 幼児が道路から農業用、消防用の溜池に転落、溺死した事故につき、道路管理者および溜池の管理者に対し、その管理に瑕疵があったとして国家賠償法2条1項による損害賠償責任を認めた事例 2 右事故につき幼児の母親に監護上の過失を認め、3割の過失相殺をした事例
1 港湾は国賠法2条1項にいう「公の営造物」に該当するか(積極) 2 港湾内の砂浜に近接した海底を浚渫により水深5メートル余の断崖状の深みとし、児童を水死に至らせた事故につき、公の営造物の管理の瑕疵が認められた事例
いわゆる預託金会員組織のゴルフクラブにおいて、クラブ側が会員に対して示した開場予定時から1年半以上経過してもゴルフ場を建設することができず、会員に対する同施設の提供義務を遅滞している場合には、会員は入会契約を解除して、預託金の返還を求めうるとした事例
宗教団体による浄霊と称する心霊療法により死亡したとする不法行為による損害賠償請求が消滅時効完成を理由として排斥された事例
個人企業である不動産業者から他人所有名義の不動産を買受けるに当り不動産業者を売主とする売買契約をその代理人との間で締結したこと及びその本人を確めなかったことが名板貸人を営業主と誤認するについての重大な過失に当らないとされた事例
日本人の夫と日本語をほとんど解しない米国人の妻との間に日本で生まれ英語をほとんど解しない日米両国籍を有する女児の監護養育を妻に任せるのが幸福に適するとして妻から夫に対する子の引渡請求が認められた事例
1 刑法95条1項にいう職務の範囲 2 刑法95条1項における職務の執行中であるか否かの判断に際しその性質上ある程度継続した一連の職務として把握するのが相当であるとされた事例 3 刑法95条1項における職務の執行が終了したものではないとされた事例 4 公務執行妨害罪の主観的成立要件としての職務執行中であることの認識の程度
公共企業体等労働関係法17条1項違反の争議行為として行われた威力業務妨害行為が刑法上の違法性を欠くものではないとされた事例
無許可の集団示威運動の指導者につき相当の理由に基づく違法性の錯誤があったとして昭和25年東京都条例第44号、集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例5条の罪の成立を否定した原判決に事実誤認があるとされた事例
物品の売渡契約についてのみ代理権を与えられた者が右契約と同時に特定の場合における右物品の買取予約をした場合につき、両契約が密接不可分の関係にあったことなどを理由に表見代理の成立を認めた事例
建設工事請負契約につき紛争が生じたときは建設業法による建設工事紛争審査会の仲裁に付する旨の仲裁契約の存在を理由に請負工事代金債務不存在確認の訴を不適法として却下した事例