国労出身候補者の参議院議員選挙における選挙運動支援のための政治昂揚臨時徴収組合費の徴収決議は、組合員の政治的信条の自由に牴触するから、これにもとづく組合費請求は許されないと判断した事例
1 後遺症(鞭打損傷)がある被害者の労働能力喪失率を判断するにつき、外科的療法終了後の被害者の社会復帰への意欲、社会生活への馴化、前回の事故の後遺症継続期間等より、事故後1年間は55パーセント、その後外科的療法終了時までは35パーセント、症状固定後3年間は10パーセントに軽減するとし、その余の能力低下は事故と相当因果関係なしとした事例 2 マッサージ費を事故との相当因果関係なしとした事例 3 逸失利益算定につきライプニッツ複式月別法を採用した事例
1 追突されたタクシーの乗客に対し、タクシー会社が、裁判上の和解で賠償金を支払っても、免責事故である以上、保険会社は填補義務なしとした事例 2 裁判上の和解でも、保険会社は、単に口頭で通知しただけでは、第三者的効力を有しない。
1 新車購入後20日目の車の全損事故につき、強制保険料、自動車税を除く車の買い替えに要した費用と破損車売却代金との差額が、その損害であるとした事例 2 個人会社代表者と従業員の受傷のため休業中に、会社が右両名に支払った給与支払分につき個人会社は第三者弁済に準じて被害者の賠償請求権を取得するとして、従業員に対する支給分と会社代表者に対する月15万円の割による支給分のうち労務対価分に相当する月10万円について加害者に対する賠償請求権を認めた事例
「乾燥貨物船」に関する特許出願について、下部デッキに柱、垂直支持等によって支えられていない点は船体の強度設計上の必要性に基づく選択の範囲に属するものとはいえないとして、拒絶相当との審決を取り消した事例
「燧道管押抜工法」に関する特許権に基づく差止仮処分申請において、すでに出願前米国特許によって公知とされている技術を、その特許請求の範囲からとり出してこれを権利として主張することは許されないとした事例
1 設計図による受注活動であっても、「蒸留方法」に関する特許権の専用実施権に基づく差止請求権不存在確認を求める法律上の利益があるとした事例 2 旧法時における出願公告後の訂正命令に基づく訂正が、出願当初の要旨を変更するものとして、訂正以前の発明について権利侵害が成立しないと判断した事例
1 「船舶用巾木」に関する意匠権に基づく差止等の請求において、先願の実用新案権の実施なりとする被告の主張が排斥された事例 2 右請求において、共同被告の一員が対象物件の製造の注文主である場合に「製造」をしているとの原告の主張が排斥された事例
1 死者自身の死亡による慰藉料請求権取得(消極) 2 致死傷を負ったことによる慰藉料請求権の相続(積極) 3 一人の死亡事故による慰藉料1,300万円の事例
1 新生児の核黄だんに対する担当医師の診断および治療が不完全であったとして、診療契約に基づく債務不履行責任を認めた事例 2 新生児の脳性麻痺症状が核黄だんと生来の頭部疾患とにそれぞれ起因する高度の蓋然性があるとしながら前者の寄与率を少くとも50%と認め、右判示一の債務不履行を理由として請求する慰藉料額の算定に当り右寄与率を斟酌した事例 3 子の脳性麻痺による重度の身体障害についての父母の慰藉料請求を認めた事例
私立高校教員の授業内容を無断で録音し、その左翼偏向等を理由とする解雇が、授業内容の当否を論ずるまでもなく、無断録音解雇という方法に照らし教育に対する不当な支配であるとして、公序に反し無効とされた事例
先天性奇形・ヒステリー性格の素因が追突事故を機縁として顕在化し、多彩な神経症状を発現した事案につき、事故と傷害との間に相当因果関係を認めた事例
1 通学路である信号機のない交差点横断歩道上を登校のため横断中の8才の少女と車の接触事案につき、少女には過失相殺すべき過失はないとした事例 2 医師らへの謝礼を認めなかった事例