外傷性神経症によっては、労働能力の喪失を来すことはないとし、右症状のため不就労であったための損害は、事故と相当因果関係はないものとされた事例
双方の過失に基因する同一交通事故について一方が同事故による損害賠償を訴求したときに他方が同事故による損害賠償権を自動債権として相殺することは民法509条の法意に反しないとされた事例
1 第三者の行う欺罔行為に基づき成立した契約を民法96条2項の規定により取り消しうるとされた事例 2 右規定により売買契約が取り消された場合、売主・買主の原状回復義務については特別の事情のないかぎり同法533条を類推適用すべきである
事故による鞭打損傷と、その後に起った胃潰瘍との間の因果関係の存否が不明な場合に、前者の後者に対する寄与分を3分の1として割合的に認めても不自然ではないとした事例
偽造手形の取得者が手形偽造者の使用者に対し損害賠償を請求した場合における手形取得者の遡求権の時効消滅と過失相殺の成否
1 指定商品の包装に登録商標を付したものを販売する目的で所持する場合、その中味が商標権者自身の製品でかつ新品であることと商標法37条2号・78条の罪の成否 2 特段の美観要素がなくもっぱら運搬用商品保護用である商品収容容器としての段ボール箱と商標法37条2号にいう「商品の包装」 3 商標法37条2号の行為が業としてなされることの要否
地方自治体が地域開発のためなしたセメント企業誘致に対し、公害防止対策が充分でなく、また、誘致により生活の場が奪われるとして反対する漁民から、右誘致を推進した県知事、市、これに協力した漁業協同組合に対してなされた右誘致防止を目的とする訴訟(いわゆる工場進出反対訴訟)が認められた事例
西ドイツ人と離婚したアメリカ人妻の離婚後に称すべき氏について、離婚後約1年近くを経過している場合において、一般の氏の変更と解し人格権の問題として申立人の本国法を適用するのが相当である
後見人が被後見人のために受領した金銭の一部が使途不明であり横領の疑いがあることを理由に、職権により後見人を解任した事例
夫の不貞、不行跡を原因として調停離婚した妻が旧姓に復したため、従前より自己名義により経営してきた洋服店を維持経営するのに支障をきたし、生活上も不利益がある場合には戸籍法107条にいう「やむを得ない事由」にあたるとして、離婚前の氏に変更することを許可した事例