事件本人のうち、長男はすでに申立人である母が監護養育しており、二男は親権者である相手方父の祖父とその婚外関係にある女性が面倒を見ているが、ときおり祖父と別居中の祖母においても面倒を見るなど、変則的で不安定な生活環境におかれており、又相手方には後妻との間に乳児があり、相手方が近い将来事件本人ら二児の監護を自から行なうことは実現の可能性に乏しく、二児がその年齢からみても兄弟としてともに肉親の母の監護を要する大切な時期にあるなど判示事情のもとにおいては、申立人が母として有する監護能力および意欲、近親者の二児に寄せる経済的・精神的援助その他本件に現れた諸般の事情を考慮すると、事件本人らをともに同一の生活環境のもとで、母である申立人に親権者を変更し、その監護に委ねることが事件本人らの福祉の向上に資するものである
1 第二次更正処分によって第一次更正処分を取り消しさらに第三次更正処分をした場合における第二次更正処分および第三次更正処分の性質 2 右の場合における第三次更正処分の適法性
3者の過失の競合により、第三者に損害を与え、かつ、相互に損害を蒙った共同不法行為者間の求償および各自の損害についての他の当事者への賠償請求は、3者各自の過失の割合に応じた負担部分を基礎として配分すべきものとした事例
「動力耕耘機の車輪移動自動停止装置」に関する特許無効審判につき、審判講求人の挙げる二つの米国特許明細書はいずれもクラッチの滑りにより車輪移動を自動的に停止する構造を示唆するものではないとし、無効理由にはならないとした事例
「サーモスタチックスチームトラップ」に関する特許を無効とした審決について、無効理由とされた引用例には「弁と弁座との間隙を流れる復水と蒸気の速度差による圧力差」を利用する記載はなくとも技術者の当然理解しうる事項であるから、特許を無効とするを相当とした事例
代物弁済予約に基づく仮登記の本登記請求の訴において原告の勝訴が確定し、本登記がなされた場合、右本登記前、二審の口頭弁論終結後に、右不動産の所有権を取得したとしてその移転登記を得たが、前記本登記に際し職権でこれを抹消された第三者は、尓後差額の返還があるまで弁済ないし代位弁済により物件を取戻し得るとして右仮登記に基づく本登記の抹消を請求することができるか(消極)
いわゆる清算型代物弁済予約に基づく本登記および引渡請求と予約完結時の物件評価額と債権額との差額の支払との同時履行を認めた事例
将来一定の金額に達するまで逐次貸金を数回にわたって行うために、あらかじめ右限度額を貸金額として一定日時一定の約旨で現実に貸与したこととして作成した公正証書の債務名義としての効力(消極)
賃貸中の建物の売買による所有権の移転の有無につき当事者間に争いある場合、買主に売主(賃貸人)の賃借人(第三債務者)に対する賃料債権の処分禁止仮処分を認めた事例
当解雇を理由に地位保全及び賃金支払を内容とする仮処分を得た後、使用者が解雇の意思表示を撤回したことによる被保全権利の消滅
1 地主との関係で土地転借権に基づく用益が客観的に表現されていないことを理由に土地転借権の時効取得が否定された事例 2 土地の転借人が民法163条・162条第2項の無過失者にあたらないとして転借権の時効取得が否定された事例
自創法に基づく農地の売渡処分が違法無効であることを原因として国に対し損害賠償を求めた請求が、20年の時効消滅を理由に棄却された事例