1 当事者の運行に供した車が被害者を轢過したものでない旨を、右車の走行を記録したタコグラフチャートの示すところによれば、事故地点先で右車が一時停車することになり、目撃者のいう加害車停車位置と合致しなくなることを根拠に主張したのに対し、タコグラフの解析の結果えられる数値の誤差はプラスマイナス10%以内とはいゝきれないとし斥けた事例 2 5年9カ月の男児につき、事故後の言動などから交通の危険を弁識し、これに従って行動する能力をそなえていたものと認め、10%の過失相殺を認めた事例
「運動靴スパイク」に関する登録実用新案における登録請求の範囲の解釈について、出願前公知の技術を参照し、凹溝が連通していることがもっとも重要な要件であり、この要件を欠くイ号物件はその技術的範囲に属しないとした事例
1 被解雇者の集団(争議団)に団体交渉及び争議権を認めた事例 2 天幕、立札、赤旗を設置したのが労働組合でなくて被解雇者個人であると認めた例 3 右争議団の右設置行為が正当な争議行為に当たるか否かを判断したうえ、会社の被解雇者に対する右天幕等の収去土地明渡請求を一部認容し、一部権利濫用として棄却した事例
1 増改築許可の裁判と借地法7条の土地所有者の異議権 2 借地契約の残存期間は1年に満たないが、期間延長は更新拒絶の機会を失なわせるとして借地期間の延長をしなかった事例 3 増改築許可に伴う付随処分として、借地権価格の約3%にあたる金銭の支払を命じた事例
振出人として甲会社Aと記載し、その名下に甲会社社長の職印が押されている場合に、甲会社の振出責任が否定され、A個人の振出責任が認められた事例
土地および建物につき、原審判時より約1年前になされた鑑定評価額を基準とした遺産分割審判を、鑑定時と原審判時の間で少なからぬ価格の変動があったものと認められるとして取消し、宅地につき、10パーセントの増額、建物につき残存耐用年数1年減、減価率2パーセント増の修正を加えたうえ自判した事例
特別縁故者への相続財産分与事件において、「相続財産全部を付与する趣旨であるのに客観的にはその一部を与える審判がなされ、残余財産の存在することを裁判所において認識していなかった場合には、右残余財産は未だ国庫に帰属しておらないで、民訴法195条1項を類推し、その財産につき、更に追加して分与の審判をすることができる
兇器準備集合罪と、その成立後、その継続中に行われた公務執行妨害罪、暴力行為等処罰に関する法律1条の罪、道路交通法115条の罪とは併合罪の関係にあるとした一事例
自動車の保管場所の確保等に関する法律第8条第2項第2号(第5条第2項第2号違反)の法意に照して同号の罪の犯意が認められるとされた事例
公安委員会の付した許可条件に違反した集団示威運動(坐り込み)の指導につき、社会的に相当な行為でなく違法性が阻却されないとした事例