出生届受理後に戸籍吏がその届出記載の名「杏子」の文字が当用漢字にないことを発見し独断で当用漢字にある「否子」と訂正したうえ戸籍簿に記載された場合において、右事実を知ることなく出生以来16年間も当初名の使用を続け、又、戸籍に記載された文字は人名にふさわしくなく極めて珍奇である等判示事情のもとにあっては、かりに戸籍法50条、同法施行規則60条の法意にかかわらず、戸籍の記載を当初名に訂正するのが相当である
1 カナダ国の国際私法の原則によれば、当事者の住所のある国の裁判所が管轄権をもち、その裁判所は実体法と手続法について法廷地法を適用する 2 カナダ国における離婚管轄決定の基準となる住所とは、同国法の母法たる英国法上の住所概念によるべきであり、その概念による住所とはいわゆる選択住所で差支えない 3 子の監護に関する処分は、離婚の効果として離婚の準拠法によるよりはむしろ親子間の法律関係として法例20条を適用すべきである
国家公務員法102条1項、110条1項19号、人事院規則14‐7、5項1号、6項13号と憲法21条・41条・28条・13条・14条・73条6号但書・31条
強盗致傷の訴因につき、被告人の司法警察員および検察官に対する自白にいずれも信憑性がないとしてこれを排斥し、強盗の犯意が認められないとして傷害のみを認定した事例
仮執行宣言付給付の第一審判決の控訴中債権全額の弁済があった場合の第二審の判決の主文と民訴法198条2項の申立てとの関係
甲所有の従前地につき換地処分がなされ、その換地につき従前所有権を有していた所有者乙に対しなんらの換地処分等がない場合において甲の換地に対する権利
借地権存続中、戦時罹災土地物件令罹災都市借地借家臨時処理法、接収不動産に関する借地借家臨時処理法の適用をうけ、更に特別都市計画法・土地区画整理法による仮換地指定のあった場合の該借地権の帰趨
時計等を指定商品とする「オメガ」という既登録商標の存在を理由として、ライター等を指定商品とする「オメガ」の商標の登録を無効とするのを相当とした事例
「少くとも2個の切刃を有する乾式髯剃機の改良」に関する特許願について、拒絶相当かどうかの判断は、拒絶の理由とされた引例がどういう物の写真であるかの点ではなく、当業者がその記載により容易に実施できる程度のものと認めうるかどうかによって決められるべきである
事情変更を理由に仮処分決定の取消を求めるにはまず異議手続によるべく、これをしないで直ちに取消を申立てることは不適法であるとされた事例
「劣質原油の蒸溜方法」に関する特許権について旧法下の存続期間延長出願不許可の処分に対し、延長しうる最長期間である10年を経過したときはその取消を求める訴は却下されるべきである