自動車運転者が明らかに幅員の広い道路を直進し交差点にはいった際、道路交通法36条に違反し狭い道路から同交差点に進入した原動機付自転車に自車を衝突させた事故につき、右自動車運転者の過失を否定した事例
長期間療養の後、右膝蓋部骨折の後遺症のため終生膝関節が20-30度しか屈曲できず、正座はもちろん長距離の歩行も困難となった開業医に対して、400万円の慰謝料が認められた事例
自動車を保管していた被用者が右自動車を全く関係のない者に奪われるについて過失があった場合に右奪取者の惹起した右自動車による事故について使用者に責任を認めた事例
家名存続、祖先の祭祀を主たる目的とし、未成年者を引取り監護養育することを考えない養子縁組は、たとえ未成年者に多少の財産上の利益があるとしても、民法798条が未成年者の養子縁組について家庭裁判所の許可を要すると定め、養親の利益を図ることを排斥し、養子となる者の幸福を期待している趣旨に反する
1 民法838条1号に定める「未成年者に対し、親権を行う者がないとき」とは、親権者の心身に著しい障害があるため親権を行うことができない状況にある場合もこれにあたると解するのが相当である 2 親権者が心身の障害のため親権を行なうことができない事情にあるかどうかは、関係法規に特段の定めのない限り必ずしも医師の鑑定や禁治産宣告等の手続を要せず、障害の程度が明白な場合には、家庭裁判所の職権調査による自由な認定に委ねてよい
旅館の増改築を許可した事例 1 借地権の残存期間が不明の場合において、現に借地権が存する以上相手方は近い将来自己使用の正当事由があることをもって、申立人の増改築を拒む理由とはなし得ないとした事例 2 附随処分としての財産上の給付について、申立人の意向等を考慮して金10万円(増改築費用の約5%にあたる)の支払いを命じた事例
1 旧樺太土人(オロチョン人)は、平和条約の発効により、南樺太が日本の領有に属しなくなった後においても、そのことだけでは広義の日本人としての地位を失わなかったものであって、むしろ同条約発効後は日本人として日本の国籍法および戸籍法の適用を受けるべき地位を有するにいたったものと解される 2 樺太原住民を父母あるいは祖父母に持つ申立人ら母子は、母が樺太での生活上やむを得ずソ連邦の国籍取得の手続きをしたものであり、このことについてソ連邦政府機関等から強制されたものではないが、同人の自由な意思に基いてなされたもと解するのは酷である等判示事情の下においては、国籍法8条により日本国籍を喪失したものとは解すべきでない
親権者が再婚後その配偶者と子が養子縁組をしたため実親と養親の共同親権に服している場合においても、他方実親から右両名に対し親権者変更の申立をすることはできる。
排水溝、土管等設置の瑕疵により横浜市管理の東海道路上に凍結を生じ、これにより交通事故が惹起されたものとして道路管理者たる横浜市の損害賠償責任を認めた事例