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振込依頼を受けた銀行が依頼人の承諾を得ないで依頼人の手形決済不渡処分回避のために振込の組戻しをして手形決済資金に充てた場合、これは特段の事情がない限り、当座預金契約の本旨に従ったものということはできず、また、振込依頼が依頼人の資金管理の過誤であると断定したこと、経理担当者が居留守を決め込んで銀行の問い合わせに適切な対応をしなかったこと、銀行が手形不渡処分回避のために努力をしたこと等の事情があっても、依頼人が銀行に対して、組戻し等の無効を主張して振込送金された被仕向銀行の普通預金の払戻しを請求することは信義則に反しない
辻本利雄
名古屋高裁平9.10.30