最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 昭和19年に戦病死した旧軍人Aの妻であるXは,昭和28年4月分以降の公務扶助料(恩給)の受給権を有していたが,昭和18年に亡夫AがXに無断でした協議離婚の届出により亡夫の戸籍から除籍されていたため,長年にわたり公務扶助料の支給を受けられず,平成17年に至り,亡夫との協議離婚無効...
《解 説》
1 本件は,原告が,特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(以下「特別障害給付金法」という。)に基づき,特別障害給付金の支給の申請をしたところ,処分行政庁が,傷病の初診日が確定できないとして,不支給の処分をしたことから,原告がその取消しを求めた事案である。
2 わが国の...
《解 説》
1 Xらは,平成13年4月16日に事実上経営破綻した大和都市管財株式会社(大和都市管財)から,平成10年1月以降に抵当証券を購入したと主張する者である。Xらは,廃止前の抵当証券業の規制等に関する法律(抵当証券業規制法)に基づき同社の監督規制権限を有していた大蔵省(当時)の近畿財務局...
《解 説》
1 本件で問題となっている土地部分は,原告と被告との合意により,原告と被告それぞれが所有する土地と区道とを出入りするための私道として使用されてきた細長い土地である(その権利関係及び土地の範囲について後記のとおり争いがある。以下,「本件私道」という。)。原告の母と被告は,平成13年1...
《解 説》
1 Xは,Yから代金3150万円で宅地として買い受けた土地(面積41.81m2)を代金3700万円でAに売却した。ところが,Aが上記土地の地中調査を行ったところ,地表から1.5mの深さの位置に鉄筋コンクリート製の井戸蓋が敷設されており,その下に,直径1.35m,深さ約6.6mの井戸...
《解 説》
1 本件の概要
Yは,弁護士XがA社を代理して,債権額が一部又は全部架空の債務弁済契約公正証書の作成に関与し,この債権者の名において,公正証書を債務名義とする債権差押・転付命令を得させて,A社の売掛金を回収させ,回収金をXの口座に送金させるなどの公正証書不実記載等の非違行為を行っ...
《解 説》
1 本件事案の概要
X(1968年4月生まれの外国人男性)とY(昭和49年7月生まれの日本人女性)は,平成6年9月に結婚し,2男1女をもうけたが,平成17年8月に協議離婚した。Yは,平成17年3月ころから,2人の男性と交際をしたり,肉体関係を持ち,このことを知ったXに対し,同年8...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,「Laser Eye」の欧文字を標準文字で表し,指定商品を第9類「レーザー光照射型混入異物検査装置」とする本願商標について,指定商品に「牛乳殺菌機」を含む「レーザーアイ/LASER EYE」なる登録商標(引用商標)と類似するという理由で,商標法4条1項11...
《解 説》
1 本件は,担保不動産収益執行の手続が開始されている不動産について,差押債権者が当該不動産について執行官保管のほか,担保不動産収益執行事件の管理人に使用を許すことを求める担保不動産競売の開始決定前の保全処分(以下「開始決定前の保全処分」という。)を申し立てたところ,原審が執行官保管...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,相手方(債権者)が,執行力のある公正証書に表示された,株式会社甲の有限会社乙に対する準消費貸借契約に基づく金銭債権についての連帯保証人である抗告人(債務者)に対する保証債務履行請求権を,債権譲渡により甲から承継したとして承継執行文を得た上,同請求権を請求債...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,雇用関係に基づいて生じた債権(未払賃金)を有する債権者(被抗告人)が,雇用関係の先取特権(民法306条2号,308条)の実行として,債務者(抗告人)の第三債務者に対する業務委託代金債権を差し押さえた債権差押命令に対する執行抗告事件である。
2 本件の要約
...
《解 説》
1 本件は,担保不動産競売事件において,目的不動産である本件各不動産の最高価買受申出人が,本件売却許可決定を受けたところ,本件各不動産のうち,本件建物についての物件明細書の記載に重大な誤りがあるとして(民執71条6号),本件売却許可決定の取消しを求め,執行抗告を申し立てた事案である...
《解 説》
1 本件は,破産者A会社の破産管財人Xが,Y信金に対し,公共工事の前払金支払制度に従い,Y信金に開設されたA会社の別口普通預金口座に振り込まれた前払金について,その払戻を請求した事案であり,Y信金は,A会社に対して有する破産債権との相殺を主張してこれを争ったものである。
事実関係...