最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 事案の概要
Xは,平成6年に設立され,土地付き戸建分譲,マンション分譲及び不動産賃貸等の事業を展開してきた業者である。業況が不調となり,平成20年8月東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行い,同年9月4日,民事再生手続開始決定がされた。Xは,自身を再生債務者とする民事再...
《解 説》
1 事案の概要
(1)新潟県の住民である一審原告(被控訴人,被上告人。以下「一審原告」という。)は,新潟県情報公開条例(平成13年新潟県条例第57号。以下「本件条例」という。)に基づき,実施機関である新潟県警察本部長(以下「新潟県警本部長」という。)に対し,「凶悪重大犯罪等に係る...
《解 説》
1 ①事件(原審高松高裁)
(1) 貸金業者であるXは,Y1に対し,①平成15年3月6日に400万円を,同年4月から平成20年3月まで毎月1日限り,元金6万6000円ずつを経過利息と共に支払うなどの約定で貸し付け(以下「本件貸付け①」という。),②平成16年4月5日に350万円を...
《解 説》
1 事案の概要
(1)本件は,旧A町の地位を合併により承継したX市が,Aの区域内にあった土地(本件土地)に産業廃棄物の最終処分場(本件処分場)を設置している産業廃棄物処分業者(処分業者)Yに対し,A,Y間の公害防止協定で定められた本件処分場の使用期限が経過したと主張して,同協定に...
《解 説》
1 本件は,借主であるXが,貸金業者であるYに対し,取引期間を異にする二つの基本契約に基づき行われた継続的な貸付取引,すなわち,昭和55年11月12日から平成9年1月13日までの第1取引と,平成16年9月29日から平成19年1月5日までの第2取引を一連のものとみて,利息制限法所定の...
《解 説》
1 中国にあるA有限公司から,AのYに対する金銭債権(本件債権)を譲り受けたと主張するXが,同債権を被保全権利として,Yの預金債権の仮差押えを求めた。Xの申立てに基づき仮差押決定がされたため,Yが保全異議を申し立て,弁護士であるXによる本件債権の譲受けは弁護士法28条に違反する行為...
《解 説》
1 本件は,宗教法人であるXが,A寺の庫裏及び本堂等(以下「本件各建物」という。)を占有してA寺の境内地(以下「本件土地」という。)を占有しているYに対し,本件土地の所有権に基づき,本件各建物から退去して本件土地を明け渡すことを求める事案である。
2 Xの代表役員は,「Xを包括する...
《解 説》
1 本件は,建物に設定された抵当権に基づく担保不動産収益執行の開始決定がされ,その管理人に選任されたXが,同建物の過半数の共有持分権者からその一部を賃料月額700万円で賃借しているYに対し,9か月分の賃料6300万円と遅延損害金の支払を求める事案である。Yは,開始決定に係る抵当権の...
《解 説》
1 本件は,原子爆弾が投下された際広島もしくは長崎の爆心地から約1.5kmないし3.3kmの遠距離で被爆した(遠距離被爆者,X1~X6,X9)か,原爆投下後に広島市内に入市し(て被爆し)た(入市被爆者,X7及びX8)とする1審原告らが,1審被告Y1(厚生労働大臣,X5及びX7につい...
《解 説》
1 本件の事案中,判示事項と関連する部分の概要は,次のとおりである。
放送番組等の企画及び製作等を業とする株式会社Xは,家庭用電気機器等の販売等を目的とする株式会社Y1の営業部部長であったAとの間で,XとY1を当事者とする,XがY1の商品を紹介する映像を含むテレビショッピング番組...
《解 説》
1 本件は,Xらが,Yと契約関係にある者と契約を締結の上,Yの共用サーバホスティングサービスを利用してWEB上のサイトに係るプラグラムを運営していたところ,上記サーバの障害事故が生じ,Xらのプログラム及びデータが消失した(本件事故)ことにつき,YはXらのプログラム及びデータの消失を...
《解 説》
1 本件は,「携帯型コミュニケータおよびその使用方法」に関する特許権を有する原告が,携帯電話無線機を販売している被告に対し,同特許権に基づいて,同携帯電話無線機の販売等の差止めおよびその廃棄を求めるとともに,不法行為に基づいて,損害賠償を求めた事案である。被告は,被告製品は本件特許...
《解 説》
X1ないしX3及びY1は,元国会議員であり,Y2は週刊誌を発刊する出版社,Y3はその編集人である。本件訴訟は次の3件が併合審理されたものである。すなわち,その第1事件は,XらがY1の自宅から極秘事項をメモしていたY1の手帳を持ち去り,家探しをしたとの記事が本件週刊誌に掲載されたこ...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。T社はAのブランドで全国展開する○○等のレンタル・販売について,カード事業に関する他社との提携に関する業務を行っている会社であるが,同社は,平成21年4月1日,吸収分割により,Xに統合された。他方,Yは,貸金業及びクレジットカードに関する業務を...
《解 説》
1 本件は,飲食店内に置かれていた携帯電話機1台の窃盗事件である。大事件ではもとよりなく,事実認定上,法解釈上も,複雑な論点が多数あるわけでもない。しかし,事実誤認の論旨に関して,窃盗罪において基本的な問題とされる,被害品の占有物性,被告人の犯人性,不法領得の意思の存否について,そ...
《解 説》
1 本件は,いわゆるコンビニ強盗の事案である。2名が負傷したところ,各傷害につき,強盗致傷罪の「致傷」に当たるかが争われた。
2 本判決が認定した各傷害の成傷機序は次のとおりである。
まず,店員Aの傷害は,レジカウンター内で被告人ともみ合っていた経営者Bが,被告人から取り上げたカ...