最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
第1 事案の概要
1 事案の要旨
本件は,生活保護の受給中求職活動のためとしてタイに短期間渡航していたXが,同地滞在中であったとする期間の生活扶助(3万円余)を与えないとし,その金額を後の月の分の生活扶助から差し引く旨の保護変更決定(以下「本件変更決定」という。)をされたため,そ...
《解 説》
1 ①事件について
(1)本件は,生命保険契約の指定受取人の兄であるXが,指定受取人が死亡したことにより,商法676条2項の規定により保険金受取人になったと主張して,保険会社であるYに対し,保険金等の支払を求めた事案である。
(2)本件の事実関係の概要は,次のとおりである。
...
《解 説》
1 本件は,いわゆる迷惑防止条例違反の事案であり,事実関係は,次のとおりである。すなわち,被告人は,正当な理由がないのに,ショッピングセンター1階の出入口付近から女性靴売場にかけて,女性客に対し,その後ろを少なくとも約5分間,40m余りにわたって付けねらい,背後の約1ないし3mの距...
《解 説》
1 本件は,被告人が,古紙等の資源ごみの持ち去りを規制する条例に違反したとして起訴され,1審無罪,2審有罪と判断が分かれるなどして,新聞でも報じられた,いわゆる世田谷区清掃・リサイクル条例違反事件である。
東京都世田谷区においては,世田谷区清掃・リサイクル条例により,区長が指定す...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,大阪府教育委員会が教職員の勤務評定制度として教職員に自己申告票を提出させることなどを内容とする評価育成システムを定めたところ,公立学校の教員である原告らが,同システムに基づいて自己申告票の提出を義務付けることは,教育に対する不当な支配であり,原告らの教育の...
《解 説》
1 X1は,航空運送代理業等を目的とする株式会社であり,その事業を外国会社に譲渡したが(本件取引),その対価たる金員は,X1の取締役又は従業員であるX2らの口座に振り込まれた。課税庁は,本件取引はX1が営業譲渡をしたものであると認定した上,その譲渡金額に係る収益が計上されていないと...
《解 説》
本件は,Yが経営するホテル(以下「本件ホテル」という。)の機械室等で稼働し,悪性胸膜中皮腫により死亡した労働者Aの遺族であるXらが,雇用主であるYに対し,安全配慮義務違反若しくは不法行為に基づく損害賠償を請求した事案である。
Aは,昭和39年ころ,Yと雇用契約を締結し,本件ホテ...
《解 説》
1 本件は,三菱自動車が製造し,兵庫ふそうが販売した本件各車両を使用していたXが,同各車両のプロペラシャフト付近,エンジンの固定部品等に欠陥が存したとして,三菱自動車及び兵庫ふそうの地位を承継したYに対し,不法行為責任又は売買契約に付随する安全確保義務若しくは修理契約に基づく適正修...
《解 説》
1 本件は,Aが胸痛等を訴えてYが経営する病院に入院し,その翌日に死亡したことについて,Aの相続人であるXらがYに対し,医師の過失・注意義務違反を主張して,損害賠償を求めた事案である。
2 争点の一つが,医師が心肺停止状態に陥っているAに対し,既にセレネース(一般名ハロペリドール)...
《解 説》
第1 甲事件
1(1)甲事件は,統合失調症の治療のために被告病院に入通院していた原告が,被告病院の医師から,添付文書の限度量を超えたフルフェナジン製剤(フルメジン及びフルデカシン)を投与され,その結果,副作用としてのパーキンソニズムを発症・増悪させられたとしたとして,また,パーキン...
《解 説》
1 本件の事案は,おおむね次のとおりである。
原告は,平成14年12月当時,Y1の設置管理している中学校1年2組の生徒であったが,同月20日午前7時42分ころ,1年2組の教室内で,同じクラスの生徒であったY2から,自在箒を投げつけられ,その結果,右眼を損傷し,視力低下,視野欠損,...
《解 説》
1 本件は,Y社の有する商標(指定商品は被服等)の無効不成立審決に対する審決取消訴訟であり,Y商標の商標法4条1項15号,7号該当性が争点となった事案である。
すなわち,Y社は,Indianの文字とインディアンの絵を組み合わせた商標を登録出願したが,X社は,Y社のこのような行為が...
《解 説》
1(1)ア XはYからインターネットオークションを通じて中古エアコンを購入した(以下「本件取引」という。)が,同エアコンには室内機に,その配管が曲がっていたことなどの隠れた瑕疵があったため,売買契約を解除したとして売買代金の返還等を求め大阪簡易裁判所に本訴を提起した。
イ 原裁判...
《解 説》
1 抗告人は,債務者に対する執行力ある判決正本に基づいて,債務者の第三債務者に対する敷金返還請求権の債権差押命令の申立てをし,平成5年9月1日,差押命令が発令されていたが,債務者について,平成20年9月19日,破産手続開始決定がされ,破産管財人が上記債権差押命令申立事件につき,執行...
《解 説》
1 本件は,競売手続で買い受けた建物にシロアリ被害が生じていたとして,その買受人であるXが,民事執行法188条の準用する同法75条所定の「損傷」を理由に,売却許可決定の取消しを申し立てた事案である。
2 本決定の前提となる事実関係として,Xが買い受けた本件建物に,その被害程度はとも...
《解 説》
1 本件は,旧株式会社ライブドアの代表取締役兼最高経営責任者であり,マスコミ等に登場して知名度の高かった被告人に対する控訴審判決である。
1審判決で有罪と認定された事実の概要は,被告人が,(1)ライブドアの財務面の最高責任者であった乙山二郎らと共謀の上,子会社のA社が,別子会社の...