最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 私的団体が護国神社に対し殉職自衛隊員の合祀を申請する過程において自衛隊職員のした行為が憲法20条3項にいう宗教的活動に当たらないとされた事例
2 死去した配偶者の追慕、慰霊等に関して私人がした宗教上の行為によって信仰生活の静謐が害された場合と法的利益の侵害の有無
1 いわゆる一般的指定のなされている勾留中の被疑者と弁護人との接見交通につき、検察官が接見指定の要件がないのに具体的指定書の持参を要求して、これに応じなかった弁護人の接見を許さなかったことを接見妨害として、弁護人からの国家賠償法による損害賠償請求を認容した事例((1)事件)
2 1と同種の事情下において、検察官が接見指定の要件がないのに指定を行った点、接見指定要件を欠く際に具体的指定書の受取を弁護人に求めた点、接見を拒否した際に別の日時を指定しなかった点等を違法として、弁護人からの国家賠償法による損害賠償請求を認容した事例((2)事件)
町の公金の支出のあった日から1年を経過して住民監査請求がされたことについて地方自治法242条2項但書にいう正当な理由があるとはいえないとされた事例
地方税法(昭和57年法律第10号による改正前のもの)603条の2第1項1号、地方税法施行令54条の47第1項2号によって特別土地保有税の納税義務の免除の認定をすべきであるとした認定判断につき法令の解釈適用の誤りひいては理由不備の違法があるとされた事例
町長は、職員の報酬等の支給を助役に専権委任していても、地方自治法242条の2第1項4号にいう「当該職員」に該当するとされた事例
1 同意入院届が、長野県公文書公開条例6条1項2号本文の定める個人に関する情報で、特定の個人が識別されるものに該当し、原則として公開を拒むことができる文書であるとされた事例
2 同意入院届が原則非公開の例外を定めた同号但書に該当しないとされた事例
3 同号但書のウ後段「公益上公開することが必要と認められるもの」は、情報が個人の秘密にかかわるものであるときは、厳格になされなければならない
4 右公開条例は、県民が自己に関する情報を得るための制度を定めたものではないから、公開の可否は公開請求者が県民の誰れであるかを離れて判断する
1 原職復帰及びバックペイを命ずる救済命令発令後、使用者である保育園の閉園により労働者が退職した場合につき、右救済命令の全部の取消しを求める訴えの利益があるとされた事例
2 私立保育園の保母が就業規則の定めに従ってした育児休業の延長申請を許可せずにした、同人に対する解雇が不当労働行為に当たるとされた事例
1 拳銃が国家賠償法2条1項の「公の営造物」にあたるとされた事例
2 警察官の拳銃不正持出による愛人射殺につき、拳銃等の管理に瑕疵があるとして国家賠償法2条1項に基づく損害賠償請求が認められた事例
夫運転の自動車に同乗中の交通事故により妻が死亡した場合、妻からの相続により承継した自賠法3条の損害賠償請求権は混同により消滅し、これにより保険会社に対する自賠法16条の損害賠償請求権が消滅するとされた事例
交差点における衝突事故により被保険者が負傷した場合、右事故は、被保険者の故意による事故招致として、保険会社の免責が認められた事例
受送達者本人である妻と事実上の利害が相反する夫に対する支払命令の送達が、補充送達として有効であるとする一方、支払命令に対する異議申立ての追完を認めた事例
再度の考案により当初の売却許可決定が取り消され、売却不許可決定(更正決定)がなされた場合における相手方からの執行抗告で売却不許可決定以外の取消を求める利益の有無(消極)
自己の占有する他人の宅地につき根抵当権を設定しその旨の登記を完了してこれを横領した場合において、その後右宅地を第三者に売却して所有権移転登記をした行為は横領罪を構成するか(消極)
従犯の幇助行為そのものは日本国外で行われた場合であっても、正犯の実行行為が日本国内で行われたときは、従犯は日本国内で犯罪を行ったことに当たる
台風による集中豪雨時のダムの放流に伴う河川災害について、ダム管理上の瑕疵があるとして、ダムの設置管理者に対する損害賠償請求が認められた事例
訟務検事が裁判官に任命されて国が当事者である訴訟事件を担当しても、裁判の公正を妨げるべき事情があると認めることができないとされた事件