最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 迅速な裁判の保障との関係で公訴提起の遅延がいまだ著しいとまでは認められないとされた事例
2 胎児に病変を発生させ出生後死亡させた場合における業務上過失致死罪の成否
3 刑訴法253条1項にいう「犯罪行為」の意義
4 被害者が受傷後期間を経て死亡した場合における業務上過失致死罪の公訴時効
5 結果の発生時期を異にする各業務上過失致死傷罪が観念的競合の関係にある場合の公訴時効
1 酒類販売業の免許制及び免許の要件を定めた酒税法9条1項・10条10号の規定は憲法22条1項に違反しない
2 酒税法10条10号に該当するとしてなされた酒類販売業免許拒否処分が適法とされた事例
山崩れで生き埋めになった消防団員の救出作業中に発生した大規模な山崩れにより生き埋めになった消防団員等の死亡事故について、町の消防団長等と県の消防学校長等の違法行為に基づく損害賠償責任が認められなかった事例
1 人格権又は条理を根拠とするいわゆる反論文掲載請求権の成否
2 新聞紙上における政党間の批判・論評の意見広告につき名誉毀損の不法行為の成立が否定された事例
未熟児網膜症に対する治療法として光凝固法を実施することがいわゆる臨床医学の実践における医療水準になっていたとはいえないとされた事例
地方自治法238条1項7号の「出資による権利」は出資したことによって取得する権利(社員権、持分権)をいい、出資契約上の履行請求権は含まれない
北海道原野の転売斡旋、不当な測量代金の支払契約が、依頼者の無知に乗じて暴利を博するもので、公序良俗に反して無効とされた事例
1 区分所有の対象となる建物について、管理組合の新規約設定の決議が無効とされた事例
2 集合住宅の区分所有権の対象となる建物において、その玄関入口部分に管理組合の設置した掲示板の撤去請求が認められた事例
宅地建物取引業者に対する報酬の支払を免れるため専任媒介契約を合意解除し、直接交渉により売買契約を成立せしめた売主に対し、報酬の支払を命じた事例
乾繭の先物取引委託の勧誘等に違法な行為はなかったとして、商品取引業者から顧客に対する帳尻差損金の請求を認容した事例
受贈者から相続人に対し被相続人のした不動産の贈与の履行請求として所有権移転登記手続を求める訴訟において、相続人の遺留分減殺の抗弁に対し、受贈者が価額弁償を選択した上、その価額を評価特定し、その価額をもって弁償する旨を明示して主張している場合には、右価額を確定したうえ、弁償額を弁済するか又はその提供することを条件として請求を認容するのが相当である
交通事故により158日間入院した運転者の鞭打症につき、入院1週間、通院4週間を超える加療は事故との相当因果関係がないとされた事例
適格退職年金制度の適用を受ける企業年金保険契約について、雇用者である会社が倒産し、代表者が所在不明になる等の判示事実のもとにおいては、明示の特約がなくとも右契約の解釈上従業員らは解約返戻金を取得するために右契約を解約することができるとされた事例
被告人が外2名の者と共謀して、被害者に暴行を加えて重篤な脳障害を負わせた上、同人を自動車の後部トランクに押し込んで長距離を走行中に同人を右暴行に基づく脳障害により死亡させて殺害したという公訴事実につき、被告人に殺意があったことの証明がないとして、殺人罪の成立を認めた原判決を破棄し、傷害致死罪の成立を認めた事例
現住建造物等放火未遂事件において、覚せい剤の影響は否定できないものの、被告人は心神喪失はもとより心神耗弱の状態にもなかったとして責任能力を肯認した事例
1 いわゆる脱税経費が法人税法における損金に算入されないとした事例((1)事件)
2 暴力団への上納金が所得税法における必要経費及び法人税法における損金のいずれにもあたらないとした事例((2)事件)
3 脱税事件における実刑事例((1)(2)(3)事件)