最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 取締役を辞任したが辞任登記未了である者と商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3第1項前段にいう取締役としての責任の有無
2 取締役を辞任したが辞任登記未了である者が商法14条の類推適用により同法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3第1項前段にいう取締役としての責任を負う場合
1 児童福祉法24条による児童の保育所への入所措置に当り、6か月の期間を定めることの当否(積極)
2 市町村長が6か月の期間を定めてした児童福祉法24条による児童の保育所への入所措置について期間経過後にする右入所措置を求める訴えの適否(消極)
保育費用負担額の決定が、憲法25条、26条、地方自治法228条1項、244条3項、地方財政法27条の4に違反しないとされた事例
タクシー運転手に支給した「深夜手当」が労基法所定の深夜割増賃金に当たらないとして、新たに同割増賃金の支給が命じられた事例
1 「ほっかほっか亭」の名称による持帰り弁当のフランチャイズ組織の加盟店にチェーン連盟加盟契約の違反があるとして、本部から加盟店に対する右加盟契約の解除を認めた事例
2 損害賠償として60か月分のロイヤルティを支払う旨の条項は公序良俗に違反しない
1 鉄骨造4階建建物が基礎構造の欠陥に基づく不等沈下により傾斜した瑕疵につき、右建物の建築確認申請手続及びこれに伴う設計図書の作成を委託された建築士事務所及びその管理建築士に、設計上の過失による不法行為責任が認められた事例
2 鉄骨造4階建建物に基礎構造の欠陥、鉄骨構造体の部材熔接の不良、鉄骨軸組架構体組方の歪み及び耐火、防火構造上の欠陥などの瑕疵が存する場合において、補修方法として瑕疵ある部分のみの修復では足りず、建物を一旦解体、除去の上再築する方法が相当であると認められた事例
司法書士は、代理人から登記申請の委任を受けた場合であっても、代理人の言動や提出された必要書類から本人の登記申請意思に疑いを生じるような特段の事情のない限り、本人に対して登記申請意思を確認すべき義務はないとされた事例
根切り、山留工法が不適切であったために構造上の欠陥のある隣接建物に及ぼした損害につき、その全損害について施工業者の責任を認め、注文者の責任を否定した事例
1 土地の土盛は原則として自由であるが、土盛が社会通念上妥当な権利行使の範囲を逸脱し土地所有者の権利の濫用であると認められるような場合には許されない
2 土盛に民法234条は適用されない
3 日照被害が受忍限度の範囲内とされた事例
相続放棄の熟慮期間につき、相続財産の存在を認識した時から起算すべきであるとして、相続開始後10か月を経てした放棄の申述を有効と解した事例
1 登記簿閲覧の際に登記簿が偽造されたことにつき、登記官の閲覧監視に過失があるとして、これに基づく国家賠償請求の一部が認容された事例
2 固定資産課税台帳の原簿閲覧の際に原簿が偽造されたことにつき、都税事務所の担当官の過失と損害との間に相当因果関係がないとして、これに基づく国家賠償請求が否定された事例
交通事故による右肩関節痛を訴える患者に対する肩蜂切除手術に際し、肩板損傷の有無によるその必要について確認せず同手術を施行したことには合理的理由がないとしたが、右義務違反と術後の疼痛等との間に因果関係がないとして、請求が棄却された事例
法律上の減軽(未遂減軽)をしないで直ちに酌量減軽を行なうことは違法であるが、右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかとはいえないとされた事例
収賄者が収受した賄賂を情を知る上司と分配した疑いがあるが分配額が不明であるときは、賄賂は同人らが等分したものと推定し、収賄者からはその限度で追徴すべきであるとされた事例
昭和51年10月9日出生の極小未熟児が未熟児網膜症により両眼失明した結果につき、昭和50年の厚生省研究班による報告をもって同症の診断及び治療に関する医療水準定着時期とし、担当医師が同児の全身状態の判断に迷い、眼底検査の依頼時期を失し、適期に光凝固法等の治療を受けさせる機会を失わせた過失があるとして、病院に賠償責任を認めた事例