最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xら401名は,東京都立高等学校及び東京都立盲・ろう・養護学校(以下これらを併せて「都立学校」という。)に勤務する教職員又は勤務していた教職員である。Y1教育委員会の教育長であるAは,平成15年10月23日,都立学校の各校長に対し,「入学式...
《解 説》
1 事案の概要等
本件は,国際司法共助に基づき証人尋問をした抗告人Xらが,民訴法199条に基づいて,証人である相手方Yの証言拒絶には理由がないとの裁判を求めた事案である。
NHKなどの報道機関は,Xらの関係する企業グループの日本における販売会社が所得隠しをし,日本の国税当局...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,日本企業であるXらが,それぞれ,パキスタン・イスラム共和国(Y国)の国防省の関連会社でありY国の代理人であるA社との間で,Y国に対して高性能コンピューター等を売り渡す旨の売買契約(本件各売買契約)を締結し,売買の目的物を引き渡した後,Y国の代理...
《解 説》
1 本件は,平成17年9月11日に施行された衆議院議員の総選挙のうち東京都選挙区における比例代表選出議員の選挙(以下「本件選挙」という。)について,同選挙区の選挙人であるXら(原告,上告人)が,衆議院比例代表選出議員の選挙(以下「比例代表選挙」という。)に関する公職選挙法の規定...
《解 説》
1 本件は,職場内で上司に対する暴力事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして,Y(被告,控訴人,被上告人)から諭旨退職処分を受け,同処分で定められた期限までに退職願を提出しなかったことから懲戒解雇とされたX1及びX2(原告,被控訴人,上告人)が,本件諭...
《解 説》
1 本件の職権判示に係る事案の概要は,次のようなものである。
すなわち,被告人は,格闘技イベントの企画及び興行等を目的とする株式会社Kの経営者で,同社の法人税を逋脱する行為をしていたところ,国税犯則調査を受けるに至り,これによる逮捕や処罰を免れるため,知人のAに対応を相談した...
《解 説》
1 本件は,被告人が内妻と共謀の上,内妻の連れ子である当時11歳の女児に掛けた保険金を取得することなどを目的に,同児を1人で入浴させている間に,被告人において家屋内の車庫に放火して,家屋を全焼させて同児を焼死させ,保険金を詐取しようとしたが,詐欺は未遂に終わったという事案である...
《解 説》
1 本件は,検察官から最高裁判所に刑訴法8条2項の審判併合が請求され,これが認容された事例であり,この種事件の最高裁判所の決定例としては,最一小決昭55.7.17刑集34巻4号229頁,判タ421号73頁(富山・長野連続誘拐殺人事件に関する審判併合決定。以下「昭和55年決定」と...
《解 説》
1 本件は,韓国人であるXが,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)の被爆者健康手帳を昭和55年に交付された後に出国して韓国に居住し,平成16年に健康管理手当認定申請をしたところ,長崎市に居住していないことを理由としてYが申請を却下したことからその処分取消を求め...
《解 説》
1 本件は,タクシー乗務員又は利用者である原告らが,被告である国に対し,国がタクシー車内での喫煙を防止すべき措置を怠ったことにより受動喫煙を余儀なくされ,健康被害や精神的苦痛を被り,あるいはたばこ煙に汚染されていない空気を吸う権利や公共交通機関であるべきタクシーを利用する権利を...
《解 説》
1 本件は,滋賀県栗東市が東海道新幹線の新駅建設のために負担する予定の費用のうち,仮線工事の費用の一部を,仮線工事が道路建設工事に必要不可欠な工事でもあることを理由として地方債をもってその財源とすることが地方財政法5条等に違反して違法ではないかが争われた事案である。
2 新駅...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。M(昭和24年9月6日生まれ,当時45歳,以下「被災者」という。)は,平成7年7月21日,東京都足立区鹿浜6・7丁目付近で,A社の道路舗装工としてアスファルト(輻射熱約145度)を均す作業に従事していたところ,同日午後4時ころ,突然発作を起...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 基礎的事実
本件は,企業と退職者との間の契約に基づく年金につき,企業側が退職者の意に反して給付額を減額できるかどうかが争われた事案である。以下の略語は,判決末尾の略語表に従う(判決が長く略語が多い場合,略語の定義を探すのが困難となるから,本判決は,別...
《解 説》
1 本件は,Y会社に勤務していたXらの長男であるAが自殺したことについて,Y会社には,契約上,Aの労働時間を適切に管理し,Aの心身の健康が害されないように配慮すべき義務があるのに,これを怠り,出勤簿すら設けず,労働時間の管理を放棄して,Aの長時間労働を放置し,労働時間を軽減した...
《解 説》
1 本件は,Yに勤務していたXが,Yの社屋で行われた改装工事で使用された内装材料からホルムアルデヒドが発生したために化学物質過敏症に罹患したとして,Yに対し,雇用契約に基づく安全配慮義務違反を理由に損害賠償を請求した事案である。
本件における主要な争点は,Yの安全配慮義務違反...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,語学教室の運営を目的とする株式会社であるところ,その新規事業として被告が保有するキャラクターを使用した語学教室を開設することを計画し,被告との間でライセンス契約を締結し(以下「本件ライセンス契約」という。),被告と共に事業を開始した。
ところが,上記...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,宗教団体X1及びその会長X2が,出版社Yに対し,Yの出版した雑誌の平成15年5月15日号及び同年6月19日号に掲載された各記事等によって名誉を毀損されたと主張して,不法行為に基づき損害金等の支払及び謝罪広告の掲載を求めたのに対し,Yが真実性及び...
《解 説》
1 訴外A(明治41年生)は,高血圧,脳梗塞,痴呆,両下肢静脈血栓症等の既往症を有していたが,急性心不全及び肺炎を発症したため,平成11年6月4日,Y1の経営するB病院に入院した。
そして,Aは,内科医であるY2の下で介護治療を受けていたが,その後,褥瘡を発症したほか,MRS...
《解 説》
1 A(Xの養父〔実の伯父〕及びYの父)は,平成15年4月4日,Xに対し,当時Aが所有していた不動産持分を贈与し(ただし,訴訟では争われている。),同月13日,遺言執行者を定め,Aの遺産をYに包括遺贈するとの遺言をした。Aは,同月16日死亡し,遺言執行者は,被控訴人への持分全部...
《解 説》
1 Xは,平成14年5月18日,Yとの間で,アンティーク磁器他を,神戸市から東京都まで,自動車で運送する契約を締結したうえ,東京都まで運送した。
Yは,Xが運送した物品の梱包を解いて中味を確認したところ,運送品のうち,片手を挙げる女性を象った彫像の右腕が折れているのが発見され...
《解 説》
1 第1事件は,株式会社三越(以下「三越」という。)の株主である原告が,三越の取締役である第1事件被告らに対し,被告らが株式会社内野屋工務店(以下「内野屋」という。)の代表取締役社長であったA(以下「A」という。)に対する不法行為(民法709条)又は旧商法266条ノ3第1項(会...
《解 説》
1 本件は,Y2の従業員であるY1が業務の遂行として自動車を運転している際に,路上にいた亡Aに衝突し,同人を轢過し,同人を死亡させた交通事故について,亡Aの相続人である亡Aの妻(X1)及び子(X2)が,Y1に対して自動車損害賠償保障法3条,Y2に対して民法715条に基づき,死亡...
《解 説》
1 事案の概要
(1) D社は,発明の名称「図形表示装置及び方法」という特許権(本件特許権)を有していた。本件特許発明は,図形を回転表示することに関する図形表示装置(特許発明1)ないし図形表示方法(特許発明2)である。D社から原告に対する本件特許権の移転登録手続がされ,同社は...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,日本におけるキューピーの著作物に係る著作権のうち,ローズ・オニールの著作物に係る著作権を有している。X及びY1(代表者Y2)は,ともにキューピーに関する著作権のライセンス業務を行う者であり,競争関係にある。Y1は,Xのライセンシー5社及びライセンス契約交...
《解 説》
1 Xは,共謀による詐欺被害に遭ったことを理由に,Yほか4名を相手取って,約3億2500万円の損害賠償金その他の連帯支払を求める訴えを提起した。第1回口頭弁論期日において,Y以外の相被告らは,法廷に出頭の上答弁書を陳述し,又は答弁書陳述を擬制されるなどし,次回期日が指定されたが...
《解 説》
1 本件は,被告人が,6回にわたり,(1)タイ王国から日本に向けて児童ポルノDVDを輸出した,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下,「児童ポルノ処罰法」という。)違反(輸出既遂),(2)その購入者と共謀の上,輸入禁制品である児童ポルノDVDを...