最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,ヤミカルテルの存在を内部告発した従業員が,会社から長年にわたり不利益な取扱いをされたとして,債務不履行又は不法行為に基づき賃金格差分の損害3970万円及び慰謝料1000万円の支払並びに謝罪文の交付を請求した事案である。
Xは,大学を卒業して,昭和45年3月,貨物自...
《解 説》
1 本件は,被告人が,当時26歳の女性方で,同女に暴行を加えて傷害を負わせ,さらに,同女を強姦したという傷害,強姦の事案である。
被告人は,暴行を否定し,和姦を主張したが,1審判決は,公訴事実どおり,傷害,強姦の事実を認め,被告人に懲役4年10月を言い渡した。被告人が控訴し,...
《解 説》
1 事案の概要
建築基準法6条の2第1項の指定を受けた指定確認検査機関である東京建築検査機構は,住友商事らが横浜市において建築することを計画していた建築物(大規模分譲マンション。以下「本件建築物」という。)について,平成14年5月1日付けで建築確認をし,同年7月8日付けで計画...
《解 説》
1 本件は,岐阜県(以下「県」という。)の住民であるXほか9名が,旧岐阜県情報公開条例(平成6年岐阜県条例第22号。平成12年岐阜県条例第56号による全部改正前のもの。以下「本件条例」という。)に基づき,複数回にわたり,本件条例の実施機関である県知事Yに対し,県の大垣土木事務所...
《解 説》
1 本件は,血液学を専門とする医学者であり帝京大学医学部長であったX(安部英)が,「櫻井よしこ」の名前で活動しているフリーのジャーナリストであるY(櫻井良子)が執筆した雑誌の記事と単行本の記載によって名誉を毀損されたとして,不法行為に基づき,損害賠償と謝罪広告の掲載を求める事案...
《解 説》
1 本件は,傷病を負った原告らが広島県知事に対して国民年金法上の障害基礎年金支給の裁定を求めたところ,原告らがいずれも任意加入をしていない20歳以上の大学生であって,20歳以上の学生を強制適用から除外した当時の国民年金法の規定により,障害基礎年金を支給しない旨の決定をしたため,...
《解 説》
本件は,原告が深夜,帰宅のため駅のプラットホームで電車の来るのを待っていたところ,他の客からいきなり殴りかかられて傷害を負ったので,逃げたその男を追って取り押さえ,駅員から通報を受けて駆けつけた警察官とともに警察署に行ったのであるが,その後原告について暴行の現行犯人として逮捕し...
《解 説》
1 本件事案の概要は以下のとおりである。
X会社は,平成12年6月に新築建物(本件建物,床仕上には中国産御影石を使用している。)を取得したところ,課税庁Y(福岡県大牟田県税事務所長)は,同建物の課税標準額を1億2010万3000円とする不動産取得税賦課処分(本件処分)をしたた...
《解 説》
1 Xは,Z鉄道会社の組合員らで組織されている労働組合であるが,Z(参加人)に対し,平成2年3月19日午前零時から千葉運転区等において,48時間ないし72時間のストライキを予告していたが(以下,このストライキを「本件予定スト」という。),その予告を繰り上げて同月18日正午からス...
《解 説》
1 本件は,①株式会社ロプロ(旧商号株式会社日栄)と継続的手形貸付契約を締結して反復継続して借り受けた者が,日本信用保証株式会社に対する保証料及び事務手数料を含む利息を利息制限法3条の利息として同法の制限を超える部分を元本に充当すると過払金が生じていると主張して不当利得返還請求...
《解 説》
1 本件は,弁護過誤訴訟の事案である。
原告は,元妻Aが原告を保証人としたり,原告名義を借用したりして金銭の借入れを繰り返していたほか,原告所有の不動産や車両等も無断で売却処分するに及んで危機感を募らせ,弁護士である被告に解決方法を相談し,解決のための法律事務を委任した。その...
《解 説》
1 Xは,富士市内に本件土地を所有し,その土地上の建物を自宅兼事務所として使用していたところ,本件土地は,第2東名高速道路の事業用地として買収の対象となったため,平成12年12月8日,Xは,Yに対し,本件土地を代金6218万6544円で売り渡し,Yは,Xに対し,他から取得した本...
《解 説》
1 本件は,抵当証券(モーゲージ証書)の所持人(原告ら)が,鑑定評価の違法を主張して不動産鑑定士(被告ら)の不法行為責任を問う事案である。
抵当権者が登記所から抵当証券を発行してもらうには,申請書に,抵当権が債権の全部の弁済を担保するに足りることを証する書面を添付する必要があ...
《解 説》
1 本件は,Yが所有し運転する車両が亡Aが運転する車両に衝突した交通事故について,亡Aの相続人である亡Aの妻X1及びその子X2,X3が,Yに対して,自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という。)3条又は民法709条に基づき,後遺障害逸失利益(給与収入分,年金分),慰謝料等の損害...
《解 説》
X1は,訴外Aを助手席に乗せて本件自動車を運転していたが,エンジンルームから白煙が発生したために本件自動車を停止させてハンドブレーキをかけずに車外に出たところ,訴外Aは,助手席から車外に出て運転席側に回って運転席のドアを開け,上半身を乗り入れる格好で車外からエンジンキーの操作に...
《解 説》
1 訴外Aは,訴外B会社に勤務していたところ,平成7年2月20日,Yの開設するC健康管理所において,定期健康診断を受け,また,平成8年3月11日にも定期健康診断を受けたが,胸部エックス線撮影の結果肺に異常を認めたものの,担当医は,経過観察にとどめ,精密検査を指示しなかった。
...
《解 説》
1 訴外A(昭和24年生)は,平成5年7月,前胸部痛等を感じたことから,近くの医院で受診したところ,胆石症と診断され,また,Yの経営する「B病院」で受診したところ,多発性胆嚢結石症と診断され,手術をする必要があるとされたため,同年8月31日,B病院に入院した。
そして,Aは,...
《解 説》
1 X1は,平成4年1月,妊娠し,同年5月,出産のため,Y1の経営するA病院に入院した。
そして,X1は,A病院において,吸引分娩により男児Bを娩出したが,Bは,重度の新生児仮死に陥り,その後,病院を転々として治療等を受けていたものの,平成6年1月,急性心不全により死亡した。...
《解 説》
1 本件は,株式会社のYと,同社の株主で,取締役であるというX(なお,Xの株主ないし取締役としての地位の存否については,いずれも係争中)との間でYがした新株発行の存否をめぐって争われている事案であるが,その事実関係は,概略,以下のとおりである。すなわち,Yは,亡Aが設立した倉庫...
《解 説》
1 本件は,Yの製造販売する製品が,Xの有するネックレスの止め具及び紐止め装置に係る特許権を侵害するとして,XがY製品の製造販売等の差止め及び損害賠償を求めた事案である。
本件特許権は,分割出願によって特許されたものであったが(その基になった発明を「原出願特許発明」という。)...
《解 説》
1 Xは放送事業者であり,Yは,「録画ネット」との名称で,インターネット回線を通じてテレビ番組の受信・録画機能を有するパソコンを操作する方法により,海外など遠隔地においてテレビ番組の録画・視聴を可能とするサービス(以下「本件サービス」という)を提供している事業者である。本件は,...
《解 説》
1 Xは,平成14年以降は,ほとんど無職無収入に近い状態であったが,消費者金融数社から140万を借り受けたほか,知人から310万円を借り受け,また,自動車購入のために約242万円のローンを負担し,支払不能となったため,破産申立てをし,平成16年8月9日に破産宣告を受けたうえ,免...
《解 説》
1 本件は,当時17歳の少年2名による金属バットによる強盗傷人,強盗殺人未遂の事案である。その動機等は,同じ高校の運動部の先輩であるAが,後輩であるBから金策の相談を受けるうち,Bと通行人を襲って金を奪おうとして同様の犯行を数回試みたうえ,本件各犯行に及んだ。いずれも金属バット...