最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
1 はじめに
2 遺留分侵害額請求における要件事実・審理の手順等
3 具体的算定式と計算シートの対応
4 新法計算シートを利用したモデル訴状案
5 おわりに
1 生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)中の生活扶助基準の改定が生活保護法3条,8条2項に違反して違法であるとされた事例
2 生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第158号)中の生活扶助基準の改定につき国家賠償法1条1項にいう違法があったということはできないとされた事例
市長が市の管理する都市公園内に孔子等を祀る施設を設置することを一般社団法人に許可し,これに基づき市が上記公園内の土地を上記施設の敷地としての利用に供していることが憲法上の政教分離原則及び憲法20条,89条に違反しないとされた事例
政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律7条の2第1項にいう法人である政党等と破産手続開始の決定を受けるべき適格
市町村から一般廃棄物の処分の委託を受けた者が当該市町村の区域外において一般廃棄物処理基準に適合しない処分を行い,これに起因して生活環境の保全上支障が生じ又は生ずるおそれがある場合に,上記処分の場所がその区域内に含まれる市町村がその支障の除去等の措置を講じたときの事務管理の成否
普天間飛行場の代替施設の設置に係る公有水面埋立法42条1項に基づく埋立ての承認がされた埋立海域の周辺住民が,当該承認の撤回を内容とする処分を取り消す旨の裁決の取消訴訟の原告適格を有するとされた事例
1 被控訴人は,控訴人を任期を定めることができないポストであった助教に採用したのに,被控訴人大学大学院の専攻長らが,大学教員の任期に関する規程に反して専攻間の申合せを優先させ,控訴人に任期を5年とする同意書を差し入れさせるなどしたことは,同意書が返還され,別の安定したポストに異動するまでの間,控訴人の地位を著しく不安定な状態に置いたもので,就労に関わる事項において不利益を与えたハラスメントに当たり違法とした事例
2 執務区画が撮影範囲に含まれるカメラが執務室に設置されており,控訴人の着任に際してこれを説明しなかったことは,監視が目的でなかったとしても,映像がネットワークを通じて第三者も閲覧し得るシステムになっていたことも併せれば,控訴人のプライバシーを不当に侵害するもので違法とした事例
3 指導担当教授という極めて重要な事項につき,控訴人の意向等を全く確認せず別系統の者に変更し,卒業論文発表会の案内が2年間されないなど控訴人の所属が曖昧となって事実上排除され,孤立した就業環境に置かれたことは,変更前の教授と折り合いが悪かったことなどを斟酌しても,就労に関わる事項において不利益を与えたハラスメントに当たり違法とした事例
4 准教授となった控訴人にとって,指導する大学院生用の研究室は教育研究活動上極めて必要性及び重要性が高い設備であり,専攻内や研究科全体でその必要性等を検討することなく,割当ての要求を一蹴したことは,控訴人の教育研究活動に対する配慮を著しく欠いたもので,就労に関わる事項において不利益を与えたハラスメントに当たり違法とした事例
5 控訴人は,被控訴人大学大学院の所属部署において,継続的に村八分のように扱われ,不安定で孤立した就業環境を強いられるなど精神的苦痛を被ったとし,請求を棄却した一審判決を変更して,慰謝料等110万円の請求を認めた事例
6 ハラスメント対策委員会で承認された当初の調査報告書の内容及び結論を否定する再調査委員会の報告書は,損害賠償義務を免れるため組織的に行われたと疑われる面があるなど信用性に疑義があり,少なくとも当初の報告書より信用性が高いとはいえないとした事例
平成29年法律第44号による改正前の民法724条後段の除斥期間経過を理由に請求が棄却され確定した判決につき,再審の訴えが提起されたが,民事訴訟法338条1項8号及び同項9号所定の各再審事由の存在が認められなかった事例
交通事故による頭部外傷後にパーキンソン症状を呈する神経変性疾患を発症し示談後死亡した事案において,頭部外傷と神経変性疾患との因果関係を否定した事例
土留改修工事の不備により地盤沈下が生じたとする不法行為に基づく損害賠償請求訴訟において,筑豊じん肺訴訟上告審判決の判断を適用し,民法724条2号の消滅時効の起算点を損害発生時である「地盤沈下が発生した時点」と判断した事例
債務総額の約5%が不足する額をもって弁済の提供をしても,民法493条にいう債務の本旨に従った弁済の提供には当たらないとした事例
控訴人X1の摂食障害による入院時に,被控訴人病院が適切な栄養評価を行わず,ビタミンB1を投与することなく栄養輸液製剤の点滴を行ったために,控訴人X1はウェルニッケ脳症を発症して後遺障害が残存したとして,控訴人X1及びその妻である控訴人X2が,被控訴人に対し,不法行為又は診療契約上の債務不履行に基づき損害賠償請求をした事件について,控訴人らの請求を棄却した第一審判決を変更して,請求が一部認容された事例
使用者が労働組合の組合員との間で,見極め期間として設けられた期間1箇月の有期労働契約の期間満了後に期間6箇月の有期労働契約を締結しないことは,従前の雇用契約関係における不利益な取扱いといえるため労働組合法7条1号本文「不利益な取扱い」に当たり得るが,当該組合員が,労働組合に加入する前に行っていた労働組合のビラ配布行為は,労働組合法7条1号本文の「労働組合の正当な行為」には当たらず,上記行為を理由とする契約不締結は労働組合法7条1号,3号の不当労働行為に当たらないとされた事例
1 党員である原告を除名処分とする旨の決定をした政党の役員会決議の当否に裁判所の審判権が及ばないとされた事例
2 党員である原告を除名処分とする旨の決定を公表したことが不法行為法上違法であったとは認められないとされた事例
救急病院の前で意識を失い倒れた者に対してAEDを用いた心肺蘇生術をしなかった対応について,病院職員及び看護師に注意義務違反はないとして,請求が棄却された事例
石綿に係る規制を強化する昭和50年の改正後の特定化学物質等障害予防規則が一部を除き施行された同年10月1日以降,労働大臣が,労働安全衛生法に基づく規制権限を行使して,通達を発出するなどして,石綿含有資材の表示及び石綿含有資材を取り扱う木艤装職の作業現場における掲示として,石綿含有資材から生ずる粉じんを吸入すると石綿肺,肺がん,中皮腫等の重篤な石綿関連疾患を発症する危険があること並びに石綿含有資材の切断等の石綿粉じんを発散させる作業及びその周囲における作業をする際には必ず適切な防じんマスクを着用する必要があることを示すように指導監督をせず,また,同法に基づく省令制定権限を行使して,事業者に対し,船内において上記各作業に労働者を従事させる場合に呼吸用保護具を使用させることを義務付けなかったことは,上記の作業に従事して石綿粉じんにばく露した亡甲との関係において,国家賠償法1条1項の適用上違法であるとして,国の損害賠償責任を肯定した事例
1 金融機関が捜査機関からいわゆる預金の凍結の依頼を受け,取引停止措置をしたことにつき,当該預金の預金者に対する不法行為が成立する場合について,預金契約の定める取引停止事由等の内容に基づき,以下のように判示した事例
(1) 上記依頼が犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律3条1項に基づいていた場合には,上記依頼の文言等自体から内容が虚偽であることが明白な場合や,当該金融機関が当該預金口座につき取引停止事由が実際には存在しないことをあらかじめ知っていた場合に限られる
(2) 上記依頼が犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律3条1項を直接の根拠とせずに行われた場合には,上記依頼の文面等自体につき内容が虚偽であることを相当具体的に疑わせる事情がある場合や,当該金融機関が当該預金口座につき取引停止事由が実際には存在しないことにつき著しく注意を欠いたと言える客観的事情がある場合に限られる
2 上記のような取引停止措置につき,預金者が事後的な解除の請求をすることができるのは,犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律3条1項に基づく取引停止措置の合理性が失われたことが明らかな場合であると判示した事例
事業用財産につき,婚姻中かつ同居期間中において形成されたといえるものについては,原則として財産分与の対象となるとした上で,相手方の事業に関する一切の事情を考慮し,婚姻中かつ同居期間中において形成された事業用財産のうち8割を財産分与の対象財産として認定した事例
特定少年が,未成年の被害者に裸の画像を送信させるなどし,他の未成年の被害者に対して性交等に応じなければ被害者の画像を拡散する旨告げて脅迫して,同人と口腔性交するなどした児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,不同意性交等保護事件において,検察官送致決定後,少年法45条5号ただし書により検察庁から再送致された事件について,刑事処分以外の措置を相当と認め,第1種少年院に送致し,収容期間を3年間とした事例