判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

表紙画像

判例タイムズ No.1457


  • 大阪刑事実務研究会
    刑の一部執行猶予制度に関する実証的研究

    永井健一    樋上慎二    海瀬弘章   

    [目次]
    1 はじめに
    2 一部執行猶予の制度趣旨と必要性・相当性の判断基準
    3 薬物事犯における一部執行猶予の必要性・相当性判断の実情
    4 薬物事犯以外の犯罪についての一部執行猶予の必要性・相当性判断の実情
    5 審理の在り方,当事者の訴訟活動
    6 一部執行猶予とする場合の刑の内容の定め方
    7 刑の一部執行猶予をめぐる控訴審の問題点
    8 おわりに

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:5
  • 米国における裁判手続等のIT化の現状について

    武見敬太郎   

    [目次]
    1 はじめに
    2 各裁判所及びその電子情報システムの概要
    3 e提出(e-filing)
    4 e事件管理(e-case management)
    5 e法廷(e-court)
    6 過渡期の対応等
    7 今後の課題
    8 まとめ

    引用形式で表示 総ページ数:19 開始ページ位置:20
  • 米国ニュージャージー州裁判所におけるE-Courtシステムの導入の経緯及びその実情について

    周藤崇久   

    [目次]
    1 はじめに
    2 ニュージャージー州裁判所の概観について
    3 ニュージャージー州裁判所のE-Courtシステムについて
    4 E-Courtシステム導入後の民事訴訟手続の流れについて
    5 E-Courtシステム等の導入の際の工夫について
    6 セキュリティ面について
    7 個人情報保護の試みについて
    8 E-Courtシステムの使用感について
    9 同州におけるE-Courtシステムの今後の展望について
    10 その他のIT化の試みについて
    11 終わりに

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:39
  • 最高裁第二小法廷平30.9.14判決

    1 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨の就業規則の定めが労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものであるとされた事例
    2 郵政民営化法に基づき設立されて日本郵政公社の業務等を承継した株式会社がその設立時に定めた就業規則により同公社当時の労働条件を変更したものとはいえないとされた事例
    3 期間雇用社員に係る有期労働契約が雇止めの時点において実質的に期間の定めのない労働契約と同視し得る状態にあったということはできないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:48
  • 最高裁第二小法廷平29.6.12決定

    曲線での速度超過により列車が脱線転覆し多数の乗客が死傷した鉄道事故について,鉄道会社の歴代社長らに業務上過失致死傷罪が成立しないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:57
  • 福岡高裁宮崎支部平29.8.23判決

    ルート営業に従事していた労働者が心停止(心臓性突然死)により死亡したことについて業務起因性が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:63
  • 札幌高裁平30.6.29判決

    交通事故により重度の後遺障害を負った被害者が,後遺障害逸失利益について定期金賠償の方法による支払を求めたのに対し,定期金賠償の方法による支払を命じた一審判決の判断が控訴審判決で是認された事例

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:73
  • 東京高裁平30.4.20決定

    妻である原審申立人が別居中の夫である原審相手方に対し婚姻費用分担金の支払を求めた事案において,原審が,①無職無収入である原審申立人の潜在的稼働能力を認め,賃金センサスに基づき収入を認定した上,②原審相手方による原審申立人の監護する子らの連れ去りの態様及びその後の一連の行動は,原審申立人が子らを正当に監護することを違法に妨げたことが明らかであるなどとして,原審申立人が子らを監護していなかった期間についても,監護していたことを前提として婚姻費用分担金の額を算定したのに対し,抗告審は,①子が幼少であり稼働できない原審申立人の潜在的稼働能力をもとに収入を認定するのは相当ではないとした上,②原審申立人が子らを現実に監護していなかった期間については,原審相手方に子らの監護に係る費用を請求し得ないものとして婚姻費用分担金の額を算定するのが相当であるとして,原審判を変更し,婚姻費用分担金の額を定めた事例

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:85
  • 大阪高裁平30.3.15決定

    原審甲事件申立人が,養育費の支払を定めた前件養育費審判事件について,子の大学進学を理由として支払の終期を大学卒業時までとすること及び学費の支払を求め(原審甲事件),上記子である原審乙事件申立人が,扶養料の支払を定めた前件扶養料調停事件について,自身の大学進学を理由として支払の終期を大学卒業時までとすることを求めた(原審乙事件)事案において,いずれも支払の終期を大学卒業時までとし,支払額の変更については,原審乙事件申立人が20歳に達し前件養育費審判事件の支払終期が到来したのを機に,扶養料等に関する債務名義を一本化するのが相当であるとして,学費を含め前件扶養料調停事件の支払額を変更する方法により調整した事例

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:91
  • 東京高裁平29.12.15決定

    義務者が年収1億5000万円を超える高額所得者である婚姻費用分担の事案において,標準算定方式又はこれを応用する手法によって婚姻費用分担金の額を算定することが困難であるとして,同居時及び別居当初時の各生活水準,生活費支出状況等その他の諸般の事情を踏まえ,これを算定した事例

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:101
  • 東京高裁平29.11.9決定

    1 事情変更による養育費増額審判変更の可否(積極)
    2 大学進学のための費用のうち通常の養育費に含まれている教育費を超えて必要となる費用は,大学進学了解の有無,支払義務者の地位,学歴,収入等を考慮して負担義務の存否を判断すべきである

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:106
  • 大阪高裁平28.7.7決定

    子の常居所地国であるシンガポールにおいて,両親に共同監護権を与えつつも,母が子を日本に転居させることを許す条項を設けた離婚判決につき,当該条項の削除を求める裁判手続が係属していた状況で,母が子とともにシンガポールから日本に転居した事案において,国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律27条3号の「監護の権利」の侵害がないとして,父による子のシンガポールへの返還を命じる申立てを却下した事例

    引用形式で表示 総ページ数:18 開始ページ位置:112
  • 東京高裁平27.7.14決定

    国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,子のトルコ共和国への返還を命じた原決定を取り消して,同法28条1項4号の返還拒否事由を認めて,子の返還申立てを却下した事例

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:130
  • 東京地裁平30.5.24判決

    共同住宅に設けられた自動車車庫が,「直接地上へ通ずる出入口のある階」(建築基準法施行令13条1号)に設けられているとはいえず,自動車車庫部分に「避難階段」(同施行令123条参照)が設置されていないため,東京都建築安全条例32条6号に違反するとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:21 開始ページ位置:142
  • 大阪地裁平30.9.20判決

    ツイッター上に行われた投稿について,複数の投稿を一体的に解釈すれば当該投稿は原告に対する論評ではないとした被告の主張を排斥し,当該投稿によって原告の社会的評価を低下させたとして,名誉毀損による不法行為が認められた事例

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:163
  • 金沢地裁平30.9.13判決

    1 破産手続開始申立代理人弁護士らが破産債権者に受任通知を送付する一方破産裁判所に提出した債権者一覧表に当該破産債権者を記載しなかったことにつき,同申立代理人らは,当該破産債権者に対する信義則上の義務に違反したものとして,当該破産債権者に対する共同不法行為責任を負うとされた事例
    2 破産管財人について,破産債権者一覧表に記載されず破産手続において配当を受けられなかった破産債権者に対し,善管注意義務違反及び不法行為に基づく損害賠償責任のいずれも負わないとされた事例

    引用形式で表示 総ページ数:18 開始ページ位置:172
  • さいたま地裁越谷支部平30.7.31判決

    訴訟委任の際に原告は訴訟能力を欠いていたとして,民事訴訟法69条2項,70条を適用して,訴訟代理人弁護士に訴訟費用の負担を命じた事例

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:190
  • 東京地裁平30.6.29判決

    1 住宅新築工事が中途終了した場合において,注文者の責めに帰すべき事由によって請負人が工事完成債務を履行できなくなったものとして,民法536条2項を適用した事例
    2 保全異議での取消しが確定した仮差押申立てにつき,申立人の不法行為責任を肯定した事例

    引用形式で表示 総ページ数:38 開始ページ位置:194
  • 徳島地裁平30.6.20判決

    1 宗教法人が秘仏として管理していた本尊等を撮影した写真の使用・公開・販売等が,宗教的人格権の侵害に当たるとして,損害賠償,撮影した写真の展示・公開及び当該写真を用いた商品等の販売等の差止め及び廃棄の各請求が認められた事例
    2 御影に記載された「四国○番」「○○寺」という表示が,「商品等表示」(不正競争防止法2条1項1号,2号)には該当せず,氏名権侵害もないと判断された事例

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:232
  • 東京地裁平29.3.28判決

    力士自身による承諾がない場合においては,力士契約を終了させる師匠による引退届の提出については,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないようなものではないものでなければならないと解することが,力士契約における当事者間の合理的意思にかなうものとして,相当である

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:244