最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 偽造運転免許証を携帯して自動車を運転した場合と同行使罪の成否 2 確定判決の前後にまたがる牽連犯につき、その一部が罪とならないとき主文で無罪を言渡すことの要否
1 手形訴訟において、原因関係が同一の継続的売買取引である場合には、その代金支払のために裏書譲渡された複数の約束手形について、当初のその一部の手形の請求を追加しても請求の基礎を変更したことにならない。 2 手形の請求があってもその手形の原因関係たる売買代金債権の消滅時効を中断せしめることにはならない。 3 売買代金の支払のために約束手形が振出、裏書された場合には、売買代金債権が時効により消滅しても、そのことをもって手形の支払を拒むことはできない。
公正証書にもとづく強制執行手続において、競落許可決定が確定すれば、競落人は競落代金未払を理由に執行債権者、同債務者間の右公正証書に関する請求異議訴訟に参加して、競落物に対する自己の所有権確認ならびにその引渡を請求する訴の利益を有しない。
市が下水道敷地に不法に建築された家屋の所有者にその敷地の使用占有許可を与えても、それがやむを得ない処分である以上、適法な処分であるから、右家屋の雨樋が不完全なため隣地の家屋に朽廃の損害を与えても、市に損害賠償の責任はない。
実質的要件の瑕疵を理由とする農地買収計画取消訴訟にも訴願前置主義の適用があり、異議訴願を経由しない買収計画取消訴訟の係属中に買収処分がなされたとしても、そのことは右取消訴訟を適法とする理由とならない。
所得金額を推計認定する方法が2以上ある場合には、推計の基礎となる間接資料のうち、より直さい具体的な資料を基礎とする推計方法によるべく、この点に差異のない場合は、得られた数額の低いものによるべきである
死者である被相続人を所有者として表示した買収計画及び買収令書に基づきなされた農地買収処分も真の所有者である家督相続人に対する買収処分として有効である。
1 忌避申立後、終局判決が言渡されても、忌避申立は、そのことによって当然その理由を失うものではない。 2 右終局判決に対しては、民訴42条違背を理由に上訴して、その取消を求めることができる。
記名株券の運送保険契約において、当該株券が喪失した場合、保険会社は、保険者代位により被保険者(株券の最終名義人兼所持人)が右株券につき有していた権利を取得しても、右株券の無効宣言のための公示催告申立権を有しない。
戸籍上の父母の一方が死亡している場合、その死者との間に親子関係が存在しないことを確認する旨の家事審判法第23条に基づく審判の効力
遺産分割の対象となるものは被相続人の有していた積極財産のみであり、消極財産たる金銭債務は、相続開始と同時に共同相続人にその相続分に応じて当然分割されるものであり、遺産分割によって分配されるものではないとした事例
民法第976条の特別遺言が法定の適格者たる証人3人以上の立会いのもとに、所定の方式を遵守してなされたものである以上、右適格者の外に同時に欠格者が証人として立会い遺言書に署名押印しても、右遺言の方式遵守になんら影響を及ぼさない。
調停委員会に代って、家事審判官が調停手続につき保全処分の決定をした場合であっても、当事者はこれに対し不服申立をすることは許されないとした事例
1 両親の一方のみが、生前祖父母との間に、その子を死後祖父母の養子とすることを約しても無効であると判断した事例 2 親が養育を委託した祖父母から、その子の引取り方を求め、これを拒絶されたことにつき慰藉料の請求を認めなかった事例
二子の親権者を母と定めて離婚後、間もなく婚家に養子として入籍した母に対し、他に女と同棲中の父からなされた親権者変更の申立を不相当とした事例
遺留分の減殺請求についての管轄権は家庭裁判所に属せず、更にこの請求を前提とする遺産分割の申立は、その遺産の範囲につき争があるものといわなければならないから、いずれも通常の民訴手続により確定されるべきものであるとした事例
1 賃貸建物の所有者にかんする契約文言と契約の要素 2 非所有者から家屋を賃借したものが所有者にたいし損害金の支払を約した場合の賃料債務