最も長い歴史をもつ判例実務誌
隣接土地上に存在する居宅の庭として使用することを目的とする土地賃借権が「建物保護二関スル法律」第1条所定の対抗力を有しないとされた事例
債権仮差押と差押とが競合する場合当該債権につき取立命令を得た差押債権者に対する第三債務者の弁済と民法第481条の適用の有無
仮差押中の債権につき別の債権者が差押をした場合当該債権について取立命令を得た差押債権者に対する第三債務者の弁済と民法第481条の適用の有無
従前一筆の土地全部を賃借した者は賃借土地の仮換地を使用収益するためには土地区画整理事業の施行者からの指定通知を必要とするか
1 他事件につき本刑たる自由刑に算入された未決勾留と重複する未決勾留をさらに本刑たる自由刑に算入することは違法か 2 右重複の有無、範囲を判断するについての本刑算入未決勾留日数の取扱方
1 署名のない申立書によってした被告人の上告申立の効カ 2 署名のない弁護人選任届によってした被告人の弁護人選任の効力
1 支配人に関する商法の規定が準用される漁業協同組合参事が組合長振出名義の約束手形を作成した行為と有価証券偽造罪の成否 2 偽造約束手形の割引名義で金員を騙取したのちさらに別の偽造約束手形を差し入れて前の約束手形の支払を延期させた行為と刑法第246条第2項の罪の成否
金融を得させる目的で甲が登記簿上の所有名義を乙名義にしたときは甲乙間に所有権移転の通謀虚偽表示があった場合に準ずるものと解する
順次数個の抵当権が設定され後順位の抵当権者の申立によって抵当権が実行された場合でも、先順位と後順位の抵当権設定登記の中間において仮登記に基づく権利を取得した者は、その権利をもって競落人に対抗できない
継続的取引関係にもとづく売買契約成立後、当事者の一方に背信的行為があった場合に、他の一方が該契約の解除権を取得するための要件
1 代物弁済の予約成立後、価格の騰貴により債務額に比し著しく高価となった不動産を代物弁済として取得する旨の予約完結の意思表示の効力 2 代物弁済の目的不動産の価額を債権者が一方的に算定評価する旨の特約がある場合と恣意的に流れ客観的妥当性を欠いた評価の効力
賃貸借契約の締結の際、賃料は後日当事者間で協議決定することになっていた場合、その決定が事実上遂になされなかったことをもって、これが無償使用の関係に転化したものとは即断しがたい
1 賃料に比し過大な修繕を要する場合と賃貸人の修繕義務の存在 2 家屋の修繕義務を賃借人が負う旨の合意が認められた事例
賃貸家屋の修理が莫大な費用を要するわりに、その耐用年数を延すことができず、結局建物を取り毀し新築する必要があることが解約の正当理由の一にあたるとされた事例
1 樹木の伐倒の際における注意義務 2 被害者が死亡した場合、生命保険のため、その死亡診断書の交付を受けるに要した費用は、通常損害ではない 3 未成年者に対する保護監督義務の範囲
被害者(園児)の父母からの不法行為に基く損害賠償請求につき、被害者を現に監督していた保母に過失があっても、過失相殺の対象とならない
1 遺産分割調停申立事件が調停不成立に終った場合は、家庭裁判所は遺産の範囲を確定して分割の審判をなすべきであって、当事者間に遺産の効力や遺留分に基く減殺請求の効力につき争いがあり、遺産の範囲を確定することが困難であるからといって、遺産分割の審判を拒否し得るものではない 2 遺留分減殺調停申立事件は調停が不成立に終った場合は当然に終了するから、それに含まれた遺留分減殺の申立に関して却下の審判をすることは不当である
1 民法施行法第5条第5号にいう公署の記載した日附に該当する事例 2 民法第467条第2項にいう通知または承諾を確定日附ある証書をもってすることの意義およびその現存時期
建築基準法第42条、第1項第5号、同法施行規則第9条、東京都建築基準法施行細則第16条第1項に従い、東京都知事から道路位置の指定を受けた道路が一般人の通行のために利用されるのは、知事の行政処分による反射的利益であって、右道路を常時通行のため利用している者であっても私法上の権利を取得するものでない
1 国税犯則法による調査は課税標準の石数調査を兼ねうるか 2 行政処分の無効と当該処分の瑕疵の重大且明白性の具体的主張の要否
宗教法人との間の土地賃貸借において、賃借人が賃貸人総代の同意と所属教派主管者の承認を得ていないことを知らなかったことにつき、過失があるとされた事例
抵当権の実行に基く不動産の競落許可決定に対し債務者(兼所有者)が即時抗告の申立をし、その後競売申立にかかる債務及び競売手続費用を完済したときは、競落を許すべからざるものとする
労働基準法第75条、第76条ないし社内規約に基づいて被害労働者の治療費、休業中の給料を支出した使用者が、不法行為をした第三者に対し賠償を求めることの可否
再度の所有権留保付割賦販売による自動車の転買人が車体に転売人の名義を表示していた場合の事故につき、転売人の運行供用者責任および使用者責任を否定した事例
1 対向車がセンターラインを越えて自車の道路上に進入してきた場合の運転手の注意義務 2 破損した自動車の修理完了後も修理代金未払のため代車を使用した費用と事故による損害
1 遺産分割審判において、相続財産の範囲に争いのある場合には、家庭裁判所がこれを確定するための審理をなすことができる。 2 相続開始後、相続財産たる建物につき、一部改築修理された部分を相続開始時の現況に還元評価したうえ分割時の時価を勘案して再評価した事例
非嫡出子の母死亡後、認知した父からなされた親権者指定申立事件において、当該父が親権者として適当である限り親権者指定ができるとして、右申立を認容した事例
2年程前妻子ある男と情を通じ2子を残して家出したが、現在では子の監護教育に対する熱意、努力を示している母に対し、亡父の実弟からなされた親権喪失の宣告申立につき、既に過去の事実に属する前示不行跡をもって親権喪失の事由となすことはできないとしてこれを却下した事例
相続開始後25年を経てなされた相続財産の処分申立において、遺産上に仮に築かれた法秩序が乱されないかどうかを考慮した上、被相続人所有の宅地を占有していた被相続人の姪の子に右宅地および賃料を与えた事例
事実上離婚していた女と他男との間に出生した子につき、他男からの庶子出生届出によりその戸籍に記載されたのち、両者の婚姻により嫡出子の身分を取得している場合において、子の戸籍を一旦先夫の嫡出子として訂正することなく、そのまま後夫の準正子たる記載に訂正するのを相当とした事例
申立人は日本在住の韓国人であり、相手方は米国テキサス州に居住する米国人であるが、双方婚姻当時は相手方も在日米軍基地に勤務していて、事件申立のため、とくに旅行者として来日した事案につき、わが国の裁判所に裁判管轄権を認め、双方の婚姻無効確認の審判をした事例
申立人、未成年者、未成年者の母、いずれも米国人であるが、すべてわが国に居住している場合は、事件の性質および裁判所関与の目的からみて、その養子縁組事件の国際非訟管轄権はわが国の裁判所にあるとして、妻の連れ子の養子縁組事案につき、米国ニューヨーク州法上の養子縁組の要件たる裁判所の決定をわが国の家庭裁判所の許可をもって代えうるとした事例
少年が身分をいつわったため、処分の著しい不当を招いたというべきであるとし、中少年院送致の原決定を取り消し、事件を少年の住居地を管轄する家庭裁判所に移送した事例
憲法第38条第3項は、少年法に特別の規定がなくとも、その趣旨からいって当然少年保護事件の手続にも適用されるものと解すべきであるとした事例
1 権利範囲確認審判の(イ)号の訂正が要旨の変更と認められなかった事例 2 (イ)号方法が「又は」の記載にかかわらず一個の方法と認められた事例 3 公知の事実との結合より成る発明の要旨の認定
1 特許権侵害禁止の訴に追加して損害賠償を求めることの適否(適法) 2 「一眼レフ用絞り作動装置」の特許発明における「係合」の解釈