最も長い歴史をもつ判例実務誌
債権担保のため順次2口の代物弁済予約が締結された場合において1口につき予約完結権の行使後さらに別口につき予約完結権を行使しうるとされた事例
1 偽証の登記済証に基づく登記申請を受理するについて登記官吏に過失があるとされた事例 2 登記官吏の過失によって無効な所有権移転登記がされた場合に右過失と右登記を信頼して該不動産を買い受けた者が被った損害との間に相当因果関係があるとされた事例
1 旧民法第730条第2項の「養親力養家ヲ去リタルトキ」の意義 2 借地権の無断譲受人に対する土地明渡の請求が権利濫用にあたらないとする判断に違法があるとされた事例
1 運送保険の被保険者である荷送人が保険金の支払を受ける前に運送人に対する損害賠償請求権を放棄した場合と右運送保険の保険者の保険金支払義務 2 荷送人が運送人に対する損害賠償請求権を放棄した旨の判断に経験則違背、理由不備の違法があるとされた事例
1 意思能力のない幼児の監護と人身保護法および同規則にいう拘束 2 夫婦の一方から他方に対する人身保護法に基づく幼児引渡請求許否の判断基準
1 土地不法占拠者の水道給水申込みは拒否できるか 2 建築基準法違反の建物の敷地所有者は水道事業者に対し給水停止を請求できるか
1 破産管財人が特別の先取特権者のための供託金を受領して破産財団に組入れた場合と財団債権の成否 2 商品取引所に預託された仲買保証金および会員信認金に対する商品取引所法上の優先弁済権行使の要件
1 弁済供託における供託金取戻請求権の消滅時効の起算点 2 供託官の審査権の範囲と取戻請求権の消滅時効の審査との関係
登録実用新案の登録無効審判の請求を成り立たないとする審決の取消訴訟において、原告の主張事実は争いないところとされながら、無効理由の存否について判断を示した事例
1 商標登録拒絶不服審判の手続における拒絶理由開示の手続違背が問題とされた事例 2 登録出願にかかる商標が既登録商標に類似するものとして拒絶相当とした事例
1 騒音、振動、煤煙等のいわゆる公害による損害賠償が認容された事例 2 右損害賠償債権の消滅時効の起算時 3 不法行為の加害者に対する違法状態の排除又は予防のための一定の作為を求める請求の当否
文化財保護委員会の執行機関として、埋蔵文化財と認定された古銭を占有している地方公共団体に対する、古銭所有権確認の訴の適否
1 手形行為は、商人概念の基礎となる商行為となるか 2 割賦販売業者が購入者の承諾を得ないで商品を取戻したときの、賦払金催告の効力
1 些細な非行が小企業従業員の融和協調をみだすものとして解雇事由とされた事例 2 労働力不足の世相が解雇権濫用の法理に及ぼす影響
1 道路交通法第42条の徐行義務と同法第36条による優先通行権との関係 2 車両等の進路と交差する道路のほうに一時停止の標識があっても同法第42条の徐行義務は免除されないとされた事例
1 起訴状に併合罪の関係に立つ無免許運転甲事実と無免許運転乙事実との双方を含む範囲のものが公訴事実として起載されているにもかかわらず、審判の対象を訴因変更の手続により乙事実のみに減縮したうえ、判決において乙事実についてのみ判断を示し、甲事実についての判断を示さないのは違法か 2 右のように甲事実につき判断を示さず乙事実についてのみ判断を示した判決に対し申し立てられた控訴は、甲事実についても移審させる効力があるか
1 昭和40年法律第33号による改正前の所得税法第63条、第70条第10号は憲法第31条、第35条に違反するか 2 右所得税法第70条第10号の罪の主体 3 右所得税法第72条第1項と同法第63条第1号ないし第3号に規定する納税義務者その他の身分を有しないものが、かかる身分を有する者の従業者として同法第70条第10号所定の行為をした場合の不可罰性
公共企業体の職員の争議行為と労組法第1条第2項 機関車前方線路上の坐込み行為を正当なピケッティングの範囲内と認めた事例
自動車販売会社の社員が、会社から所有権留保で月賦販売を受け、これを通勤や社用に使用していたところ、私用で運行中交通事故が発生した場合における会社の責任(消極)
交通事故による負傷による負傷治療のために有給休暇を利用した者は、有給休暇の減少分を事故による損害として請求しうるか(消極)
1 死亡事故につき、1700万円の損害賠償請求を認めた事例 2 交通事故で死亡した、パッキング等の製造販売業者について、得べかりし利益の喪失額を算定した事例
1 防火地域の指定等を理由に借地条件を変更した事例 2 借地人に財産上の給付として更地価格の10%にあたる金銭の支払を命じた事例
1 賃貸人の期間満了時における更新拒絶の正当事由が認め難いとして増改築許可申立を認容した事例 2 右許可に伴う付随処分として、地代増額と借地権価格の2%強にあたる金銭の支払を命じた事例
1 期間を定めた金銭給付を条件として、改築を許可した事例 2 許可の裁判を得て、第7条に該当する改築を実施したときは、借地権の存続期間はその時から20年となる 3 給付すべき金額を更新料に準じて更地価額の10%とした事例(なお、改築の時から更新されることを理由として、残存期間を控除した実質的な延長期間を前提とすべきではないとしている。)
1 不作為の違法確認訴訟の係属中行政庁による作為がなされた場合と右訴訟の訴の利益 2 いわゆる訴訟終了宣言の性質 3 勝訴した当事者に訴訟費用を負担させた事例
1 「同点多岐式プラグ」という実用新案の出願について、出願人の主張する利点が、出願の図面および説明書の記載に示されていないとして拒絶相当とした事例 2 安全性の欠缺ないし危険性のある考案については、これを未然に回避し、又は防止しうる方法を備えない限り、実用性ある工業的考案として保護するに値しないとした事例
商標の登録を無効とする理由に挙げられた引用商標について、登録取消審判が係属していても、その結果引用商標の登録が取り消されたとしても、登録時に無効事由が存在していたことには変りはないから、取消審判事件の結論には影響しないとした事例
審決取消請求訴訟の提起が、原告代理人である弁理士が特許庁に在職中審判官として関与した審判事件の審決に対するものであるときは、その訴提起は弁理士として業務を行ない得ない事件に該当し、不適法として却下された事例
自動車の構造、交通法令などの著書についての出版契約に基づき、発行部数を認定するとともに、これに応じた印税の支払を命じた事例
金銭登録機について、特徴ある歯車の組み合わせの上に「ナショナル」の英文宇を記した商標は、右歯車の組合せた点に類似しているが、その上に「ミリオン」の英文字が記されている商標とは、両者ともその文字部分に注意を集中させる構成になっているから、印象を異にし、前者の商標権の効力は後者には及ばないとした事例
「ラムゼット」に関する実用新案権について、この登録実用新案が空気圧縮機を用いない機構を前提とするラム・ジェット・エンジンに関するものである以上、その技術的範囲は、空気圧縮機を用いるボーイング727ジェット飛行機には及ばないとした事例
「電灯つき筆記具における点滅装置」に関する実用新案について、被告の製品において内筒を可動接点とした点滅装置は、登録実用新案における螺旋状ばねの弾性を利用という考案とは、単なる設計上の微差とはいえないとし、その技術的範囲に属しないとした事例
「噴霧器」に関する実用新案権について、被告の製品は登録実用新案と共通する点はいずれも公知技術に属し、相違する点も単に公知技術を利用しているに過ぎないとして権利牴触なしとした事例
1 熔接棒販売の競業者の一方が使用する標章が、広く認識される程度に至っていない場合には不正競争防止法1条1項1号を理由とする請求は認められないとした事例 2 従業員の引抜き、あるいは、競業者の営業を妨害する挨拶状の配布を理由とする不法行為の成立が否定された事例
「ブロック玩具」に関する実用新案権について、登録請求の範囲に記載されている中間片を欠く構造の玩具であっても権利侵害になるとした事例
1 「コンクリート・ミキサー」に関する実用新案権について、権利侵害による損害額立証のため文書提出命令が出されても、故意によらない文書の滅失に基づくとして、相手方の主張を真実と認める法律効果を適用しなかった事例 2 実用新案権の権利侵害について過失なしとする主張に対し、「過失の推定」を覆す特別乗り事情なしとしてその主張を認めなかった事例
1 法人である被告人に対し公判審理の途中で代表者の交替があったのにこれを看過して旧代表者を出頭させて審理判決をした訴訟手続の適否 2 右の場合に共同被告人である行為者に対し、法人所有の犯罪貨物を没収した言渡が違法な第三者没収として許されないとした事例
公判開廷前の法廷内に立ち入ったことが建造物侵入罪に該当するとせられ、かつ、これに対し懲役刑の執行を猶予するのが相当であるとされた事例
1 オルグ活動のため国鉄連絡船に乗船した国鉄労組員が、船長の下船要求に応じなかった場合と艦船不退去罪の成否 2 国鉄労組員がオルグ活動のため管理権者の拒否にもかかわらず国鉄信号取扱所に立入る行為と建造物侵入罪の成否
15年前の伯母殺しを詳細に自白し、のちにその自白を翻がえした被告人に対し、その自白は虚偽であるとして無罪を言い渡した事例
家庭用プロパンガスの放出による殺人行為につき、(1)不能犯ではなく、(2)死の結果との因果関係が不明であるから殺人未遂である、とした事例
市のし尿処理場建設計画に対する反対運動に従事していた地元民らが、建設用敷地の盛土工事を妨害するために排水管を閉塞した行為につき水利妨害罪及び威力業務妨害罪の成立を、同じく堤防を削り取った行為につき器物損壊罪の成立を認め、可罰的違法性がなく、また正当行為ないし正当防衛である旨の弁護人の主張を排斥した事例
1 刑訴法81条にいわゆる罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由の意義 2 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がないとして接見等禁止指定を取り消した事例
道路左側に大型貨物自動車が停車し、対向する右側にも同様の自動車が停車しようとしている国道上で、その間を通り抜ける自動車運転者の注意義務