最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 旧自作農創設特別措置法に基づいて国が買収した土地を目的とする売買契約の効力 2 他人の財産権を目的とする贈与契約の効力
1 消費生活協同組合法にもとづいて設立された組合の理事の資格の不存在を主張する方法 2 消費生活協同組合の理事選出の総会決議または選挙が不存在と認められた事例 3 訴訟追行者の資格を争うことと禁反言の原則
1 船員法第67条所定の船員に対し時間外労働を命ずる臨時の必要ありと認められた事例 2 国鉄職員がストに際しスト不参加者を連行し業務を妨げたとして懲戒免職されたのが、懲戒権の濫用と判定された事例
1 被用者が私的目的でトロッコを運転して起した事故につき使用者責任を認めた事例 2 トロッコ事故により右手首を切断した幼児の労働能力喪失の程度を、労働者の労働能力喪失率のみならず、同人の年令・職業予定などを勘案して認定した事例
選挙運動を総括主宰した者が選挙運動をしたことに対する報酬として選挙の終了後に金銭の供与を受けた場合と公職選挙法第221条第3項
1 通貨及証券模造取締法第1条所定の「銀行紙幣ニ・・・・紛ハシキ外観ヲ有スルモノ」の意義 2 日本銀行発行の千円紙幣に「紛ハシキ外観ヲ有スルモノ」にあたる事例 3 芸術家のハプニングとしての要素を含む創作行為と憲法第21条の関係
判決の「罪となるべき事実」の犯行日時のくいちがいを単なる誤記と解するか、または、理由にくいちがいがあるものとすべきかを判断するにつき考慮すべき一事項
自動車同志の衝突事故について、相互に相手を発見した地点から衝突地点に至るまでの距離と一方の速度から他方の速度を推認し、被告人の過失を否定した事例
1 中間金の支払遅延を建物引渡遅延による損害金算定に斟酌した事例 2 自働債権並びに労働債権に同一原因に基き発生した抗弁権が付着する場合の相殺の効力
1 共同所有権確認請求棄却判決の既判力は、同一物に対する単独所有権の確認請求に及ぶか(いわゆる一部請求における既判力の範囲) 2 被相続人の死亡により訴訟を受継した相続人は、訴訟の目的物を相続以外の原因により取得した旨主張することができるか。
保有者と全く関係のない第三者の無断運転による事故であっても、判示事情の下では保有者は運行供用者責任を負わなければならない。
1 道交法35条1項と同条3項との関係 2 入院雑費について1日100円程度必要であることは公知の事実であるとしてこれを認容した事例
長期間療養の後、右膝蓋部骨折の後遺症のため終生膝関節が20-30度しか屈曲できず、正座はもちろん長距離の歩行も困難となった開業医に対して、400万円の慰謝料が認められた事例
2名の者が交代しながら運転していて事故に遭遇し、たまたま同乗していた者が被害をうけたが、被害者の運転手にも過失がある場合、右過失を同乗者の損害について過失相殺の基礎となしうるか
1 幼女の死亡事故につき稼働能力喪失による損害を認めた事例 2 6才の幼児を道路に遊びに出した親権者の監護義務と過失相殺
1 土地賃貸人が自ら建物および借地権の譲渡を受ける場合の対価 2 賃借人に対し、右建物に存する根抵当権設定登記の抹消登記を経た上で所有権の移転登記手続を命じた事例
1 有限会社の代表取締役につき、会社財産の横領を推認し、会社倒産によって会社債権者に生じた損害の賠償責任を認めた例 2 有限会社の平取締役につき、営業無関心だけでは、会社倒産により会社債権者に生じた損害責任はないとした例
1 旧都市計画法16条による収用と旧土地収用法29条適用の有無(消極) 2 請求の拡張が民訴法232条1項但書、233条により許されないとされた事例
板塀およびブロック塀で囲繞されているものの外部から立入る余地が全くないとはいえない空地に置かれていた大型冷蔵庫に幼児が入り込んで窒息死した事案につき、右冷蔵庫の保管者に業務上過失致死罪の成立を認めた事例
液体整髪料「バイタリス」の商標、商品の容器及び包装の意匠と類似のものを使用し「バイトセブン」の名称を用いた液体整髪料の製造販売につき不正競争防止法違反を認めた事例
1 いわゆる自転車操業と詐欺の犯意 2 銀行取引停止寸前にありながら取引量を増大させることと詐欺の犯意 3 所有権留保付割賦販売により購入した物品につき、割賦金さえ支払えば代金完済前であっても他の譲渡担保に供することは差支えないと信じてこれを譲渡担保に供した行為につき、犯意を欠くとして横領罪の成立を否定した事例
労働基準法20条1項違反(解雇予告義務違反)の罪の成立する事例 同条1項但書にいう労働者の責に帰すべき事由の存在が否定された事例
飲酒酩酊による心神耗弱の状態における傷害につき、右がいわゆる自招精神障害にあたるとして心神耗弱による減刑規定の適用を否定した事例
酩酊のため正常な運転ができないおそれのある状態で運転していた自動車運転者が、中央線を突破して自己の進路上に進行してきた対向車と衝突した事故につき、右状態で運転をしたことと事故との間に因果関係がないとして無罪を言い渡した事例
1 道路交通法42条にいう「上り坂の頂上附近」に該当しないとされた事例 2 三差路交差点で直進車と右折車とが衝突した事故において、直進車に除行義務の存在を否定し無罪を言い渡した事例
有責当事者に対する財産分与請求においては、その内容として夫婦共同経済の清算および将来の扶養のほか、慰藉料も包含されるとした事例
乙類審判事件を職権で調停に付した後、右調停事件が支部に回付された場合、右支部においてさらに審判手続に付することは許されない
届出不受理申立書が提出されていても、離婚届が一旦受理され、かつ、その際当事者に届出意思がなかったとは必ずしもいえない場合には、右届出を無効ということはできない
1 婚姻費用分担義務にもとづく金銭給付と、配偶者の協力義務特にその一部たる貞操義務の誠実な遂行とは、表裏一体をなす性質のものであって、妻の不貞が夫婦別居の動機と無縁であったとしても、分担額の決定にあたっては、貞操義務上有責の妻の受くべき額は、無責の妻の受くべき額より削減されることを免れない 2 いわゆる生活保護基準方式により婚姻費用分担額を算定した事例
婚姻の効力が争われている夫婦間の婚姻費用分担事件において、当該夫婦間には終始夫婦としての共同生活の実体が存在しないことから、夫婦自身の生活費分担は不適当であるが、未成熟子の養育費については分担すべきであるとし、その分担額の算定にあたり、夫と現に同棲中の他女の生活費を考慮した事例
離婚についての有責原因を有し、かつ離婚後も生活能力は十分にあると認められる妻に対し、婚姻中の努力は十分に評価されねばならないとして財産分与をした事例
夫婦の双方から申立てられた協議離婚の合意を前提とする親権者指定審判申立事件において、諸般の事情を考慮して父親を親権者と定めた事例
相手方の資産および生活状況等一切の事情を斟酌すると、金銭による扶養はとにかく、現在のところ相手方には申立人を引取って扶養する余力はないとして、妹から兄に対する引取扶養のみを求める申立を却下した事例
1 祭祀財産の権利承継者指定審判事件の当事者は、各共同相続人および当該祭祀財産の権利承継につき、法律上の利害関係をもつ親族またはこれに準ずる者と解すべきである 2 一般的には系譜、祭具および墳墓の承継者は1人に限られるが、特別の事情があるときは、これらを分けて指定しても差支えないとした事例 3 家事審判規則第58条の「引渡」とは、現物の占有移転のみならず登記名義の移転をも含むと解する余地もあるとして、所有権移転登記をなすべきことを命じた事例
家督相続人が祭祀財産の承継者になるという旧民法の定めを現在においても慣習として是認することには疑問があるとして、被相続人の意思、その生前における生活状況等を考慮して、被相続人の妻を祭祀財産の承継者に指定した事例
収容継続に関する少年院法第11条2項の「前項の場合において」の前項(同法第11条1項)は、通常の保護処分決定による在院者に関する規定であるとして、戻し収容された在院者に対する収容継続申請を却下した事例
教護院送致決定を受け、現在離院中の児童に対する強制的措置許可申請事件に対し、児童を教護院に強制的に連れ戻すことも少年法第6条第3項、第18条第2項の強制的措置の一環として許されるとしたうえ、少年審判規則第56条以下の規定の趣旨により30日の有効期間を付してこれを許可し、事件を児童相談所長に送致した事例
時間外労働が年少労働者の自発的希望によって行なわれ、その時間も一人1日平均3、40分程度の時間であっても、それが毎週平常的に行なわれ、その時間数も無視しうるほど軽度のものではないから、年少労働者保護の法意に照らし右時間外労働をさせた行為が労働基準法第60条第3項の構成要件に当らないとか、実質的違法性を欠くということはできないとした事例
1 国家公務員法(昭和40年法律第69号による改正前のもの。以下同じ。)第98条第5項、第110条第1項第17号の合憲性 2 国家公務員法第110条第1項第17号、第98条第5項のいわゆる「あおり」罪が成立するとされた事例 3 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和35年6月23日条約第6号、以下新安保協約という。)と司法裁判所の審査権 4 新安保条約は明白に違憲と認められるか
1 幼児の逸失利益を親が相続する場合、免れた養育費負担と損益相殺の可否(積極) 2 致命傷による慰謝料請求権の相続(消極) 3 タコグラフによる間接反証が奏功しなかった事例
1 試用中の労働者と使用者との契約の法的性質 2 右契約解約の要件 3 試用期聞中の労働者解雇が権利濫用とされた事例
1 国家公務員法第110条第1項第17号(昭和40年法律第69号による改正前)にいわゆる「あおり」行為、およびあおりを「企てた」行為の意義 2 あおり行為を「企てた」場合にあたる一事例 3 「あおり」行為にあたる一事例 4 非現業の国家公務員の組織する団体ないし組合の行なう争議行為について、政治的目的を有するものと解すべき一事例
1 いわゆる「いっせい学力調査」の適法性(積極) 2 地方公務員法第37条・第61条第4号により処罰される「あおり」「そそのかし」行為の意義
1 音楽著作物の演奏禁止仮処分についての間接強制の決定 2 右決定発令前の審尋手続 3 間接強制の方法として支払を命ずる賠償金の額