判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.987


  • 幻想としての法曹一元(論)

    萩原金美   

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:4
  • <刑事証拠法に関する裁判例の研究29>手錠を掛けたまま実施された飲酒検査に基づき作成された酒酔い・酒気帯び鑑識カードに証拠能力を認めた事例

    今井俊介   

    東京高判平成6年8月9日

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:17
  • <シミュレーション新民事訴訟15>尋問に代わる書面の提出(書面尋問)、弁論準備手続の結果の陳述、テレビ会議システムを利用した尋問

  • 訴訟代理人の和解代理権限の制限

    小林秀之    田村陽子   

    引用形式で表示 総ページ数:20 開始ページ位置:37
  • <商事法研究>米国における証券業の自主規制と反トラスト法

    細田孝一   

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:57
  • カルテ等記載と事実認定についての判例研究

    森豊   

    引用形式で表示 総ページ数:22 開始ページ位置:65
  • 福岡高那覇支平10.5.22判決

    《解  説》
     本件は、嘉手納飛行場から離発着する米軍機の騒音による被害を理由に周辺住民らが訴えた差止め及び損害賠償請求訴訟の控訴審判決である。
     一 Xら飛行場周辺住民九〇七名は、飛行場を米軍に提供している国Yに対し、米軍をして毎日午後七時から翌日午前七時までの間の一切の離着陸及びエンジン作...

    引用形式で表示 総ページ数:38 開始ページ位置:87
  • 《解  説》
     一 本件はいわゆる厚生省・彩福祉グループ贈収賄事件であり、ことに収賄者の一名が事件発覚当時厚生事務次官という要職にあったこともあり、新聞やテレビにおいて大きく取り上げられ、昨今の官僚批判のはしりとなった事件である。
     被告人甲及び被告人乙は厚生省のいわゆるキャリア官僚であり、甲...

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:125
  • 最高三小平10.10.27決定

    《解  説》
     一 本件は、強盗殺人、同未遂、現住建造物放火被告事件について昭和四五年に死刑が確定した申立人からの第五次再審請求に関する特別抗告事件である。確定判決が認定した犯罪事実は、要するに、申立人がWとともに以前の勤務先である電器店に押し入り、宿直員二名を殺害すべく瀕死の重傷を負わせ、金...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:140
  • 《解  説》
     一 本件事案の概要は、次のとおりである。
     A村選挙管理委員会(村選管)は、平成七年三月三〇日、公選法二二条一項による選挙人名簿の定時登録を受けた者のうち、一五五名(A村の選挙人は全部で約一六〇〇名であるから、実にその一割近くに相当する)について、現在A村内に住所を有しないこと...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:145
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     本件は、原告(被控訴人。以下「X」という。)が、被告(控訴人。以下「Y」という。)に対し、相続人の一人であるXに遺産全部を包括して遺贈する旨記載された遺言公正証書(以下「本件公正証書」という。)を不動産登記法四一条の相続を証する書面として添付し、遺産である不動...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:152
  • 《解  説》
     Xは、F県内に柔道整復師の養成施設の設置を計画し、平成八年七月から同九年四月にかけて三回にわたりY厚生大臣に県知事を経由して同施設の指定を申請したが、同年九月三〇日付で指定を行わない旨の処分通知を受けた。その間、公正取引委員会からYに対し、養成施設に係るYの指定の運用について、...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:157
  • 《解  説》
     一 Xは、平成五年一〇月六日に死亡した訴外A(大正六年生)の戸籍上の配偶者であるが、Aが旧厚生年金法に基づく「老齢年金受給者」であったため、同年一二月、Yに対し、遺族厚生年金の裁定を請求したところ、平成七年一月、遺族厚生年金を支給しない旨の処分をしたため、審査請求及び再審査請求...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:165
  • 《解  説》
     酒類販売小売業の免許を有するO社は酒税法一六条に基づき販売場を同一市内の他の場所に移転することの許可をY1税務署長に申請し、その許可を得た。移転場所から約一〇〇メートルないし四五〇メートル以内において酒類販売小売業を営んでいるXら四名はY1に対し右移転許可処分の取消しを求め、併...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:169
  • 《解  説》
     本件は、市立中学校の剣道部員が竹刀をスティック代わりに、鍔をパック代わりにホッケー遊びをしていたところ、竹刀がすっぽ抜けて一五メートル離れていた場所にいたXの左眼を直撃し、失明させた事故について、市の国家賠償法一条に基づく損害賠償責任が問われた事案の控訴審である。原判決の判断は...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:174
  • 《解  説》
     XはY県O市立小学校四年生のクラスに在籍していたが、担任のAから体罰を受けたこと、AはYの教員採用選考試験に落ちたのに同校の臨時講師に採用され、クラスの担任として劣悪な授業を行ったため、憲法で保障された教育を受ける権利を侵害されたと主張し、Yに対して一〇〇万円の損害賠償を求める...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:178
  • 《解  説》
     一1 本件は、XがAに対してした本件不動産(本件土地とその上にある本件建物。本件建物は第三者に賃貸中であった。)の販売による売上げ等が、昭和六三年六月期の収益となるか(被告の主張)、それとも平成元年六月期の収益となるか(原告の主張)が争われたものである。
     2 基本的な事実関係...

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:183
  • 《解  説》
     Aは、港湾荷役作業に従事する労働者であり、昭和五二年ころから虚血性心臓病、本態性高血圧症の持病を有していたところ、同五七年七月三一日、レッカー車を運転する業務に従事した後帰宅し、胸痛を訴えて倒れ、医師の手当てを受けたが、同日夜心筋梗塞により死亡した。Aの妻Xは、Aの死亡が業務上...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:198
  • 《解  説》
     一 本件は、Y(銀行)を退職したXらが、退職後支給されてきた退職年金の額を一方的に減額されたのは不当であるとして、Yに対し、従前支給されていた年金額の支払を求めた事案である。
     二 Yにおいては、退職金規定上、全額Yが拠出する退職年金制度があり、これは、従業員が退職後六〇歳に達...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:207
  • 《解  説》
     Xは平成六年八月、Aに三〇〇万円を貸し付け、Zが連帯保証し、同年一二月、債務弁済契約公正証書(執行認諾約款付)が作成された。Zは同年六月、自己所有の本件建物につき、息子であるYに対してZの死亡を始期とする死因贈与を原因とする始期付所有権移転仮登記を経由した。Xは同年七月、本件建...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:214
  • 広島地呉支平10.2.19判決

    《解  説》
     一 Xは、呉市東鹿田町に土地を所有し、同土地上に所有する木造平家建居宅に居住し、Yは、X所有土地の隣地に土地を所有し、同地上に所有する建物に居住している。
     X所有地と被告所有地は、Y所有地上の高さ約七メートル、幅約二〇メートルの石垣(以下「本件石垣」という。)によって区画され...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:217
  • 《解  説》
     一 X1は不動産業者を構成員とする某社団法人のS支部長、X2ないしX4はX1を母、A(平成七年二月死亡)を父として生まれた子、Y1ないしY4は同支部の役員、Y1は同支部に属する者であった。平成六年三月下旬から同年四月上旬にかけて、「貴協会S支部長に対する意見書」と題する匿名によ...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:222
  • 《解  説》
     六人の子を有するA女は昭和五四年六月ころ、遺言書を作成しようと考え、B弁護士に依頼して自筆証書遺言の原稿の作成を依頼し、同弁護士から訂正の方法、封書の書き方、封印の仕方の指導を受け、二男Y2に作成した遺言書の保管を委ねた。Aは、平成三年一一月死亡した。Y2は、そのころ兄弟らに遺...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:227
  • 《解  説》
     一 Yの先代AはB銀行から金員を借受け、Xがこれを連帯保証し、代位弁済した。Aは死亡し、Yが相続したが、Yは相続を放棄した。Xは、Yが相続放棄の申述受理の前に、Aの経営していたC会社の取締役に選任されるなど法定単純相続に当たる事実があるとして、Yに対して求償金を請求したのが本件...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:233
  • 名古屋地平10.3.19判決

    《解  説》
     本件は、中部電力株式会社が、芦浜原子力発電所建設のための海洋調査の実施に伴う補償金に充当することを前提として平成五年一二月一六日に三重県度会郡南島町の古和浦漁業協同組合に対して二億円を支出したことについて、被告らが同社の取締役としての善管注意義務ないし忠実義務に違反して同社に損...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:236
  • 《解  説》
     一 X1は、X2が横浜市磯子区に所有する建物を賃借してパチンコ店を経営しているものであるが、平成四年一一月二四日深夜、右建物一階から出火し、右建物一階部分のパチンコ店内の機械什器備品をほぼ全焼し、建物本件一階部が焼失した。
     そこで、X1は、右建物内のパチンコ機械設備什器備品に...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:243
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     本件は、通信販売で中古の自家用普通自動車(以下「本件車両」という。)を代金三六五万円(内車体価格三二八万円)で購入した原告が、被告との間で協定保険価額と定められている「自動車保険車両標準価格表」(以下「標準価格表」という。)記載の右と同程度の中古車の車両価格五...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:250
  • 《解  説》
     一 原告は、「負荷装置システム」等についての特許権を有する者である。本件は、原告が、被告による負荷装置システム(本件装置)の製造使用が右特許権を侵害すると主張して、本件装置の製造使用の差止め、廃棄及び損害賠償を求めた事案である。
     二 本判決の中では、原告の均等論の主張に対する...

    引用形式で表示 総ページ数:16 開始ページ位置:255
  • 《解  説》
     本件は、かわらの意匠権を有しているXが、YはXの意匠権に係る登録意匠(X意匠)に類似するかわらを業として製造・販売し、Xの意匠権を侵害しているとして、Yに対し、意匠法三七条一項に基づき右かわらの製造・販売の差止めを、同条二項に基づき右かわらの完成品やその製造に要した金型等の廃棄...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:270
  • 《解  説》
     X(運転手としての勤務経験の比較的少ない者を従業員として採用し、約三箇月間にわたる教育を実施して、自動車の運転及び修理等に習熟した多数の従業員を擁し、顧客との契約に基づき、同人を顧客のもとへ派遣して、顧客が提供する自動車の運行管理及び点検保守などの業務を行うことを主たる業務とす...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:275
  • 東京地八王子支平10.2.13判決

    《解  説》
     一 Xは、米国カリフォルニア州に居住するアメリカ合衆国市民であり、Yは、日本において米国製自動車輸入販売業を営む日本人である。Xは、Yに対し、カリフォルニア州第一審裁判所ロサンゼルス郡裁判所において、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起し、Xが所有し第三者に寄託していた自動車...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:282
  • 《解  説》
     Xは不動産競売事件の期間入札において、執行裁判所所定の入札書用紙の事件番号欄に「平成九年ケ第一〇一三号」、入札価額欄に「二一五〇〇〇〇〇円」等と記載し、入札書を執行裁判所所定の封筒に入れ、封筒の事件番号欄に「平成六年ケ第一〇一三号」等と記載して執行官に提出した。本件期間入札には...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:287
  • 《解  説》
     本件は、住友商事の銅地金取引の責任者であった被告人が会社に無断で銅の先物取引を行い、巨額の損失を発生させたとして社会的関心を惹いた事件である。本件で被告人が起訴された事案は複雑であるが、あえて要約すれば、取引先の銅の先物取引業者から赤字の簿外取引に関する確認のため、また融資を受...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:289
  • 《解  説》
     一 いわゆる麻薬特例法八条は、規制薬物(麻薬、向精神薬、大麻、あへん、覚せい剤)の輸入、輸出、製造、譲渡、譲受等の行為を業として行うことを「業として行う不法輸入等」の罪と定め、その刑を無期又は五年以上の懲役及び一千万円以下の罰金と定めている。この刑は、それまで最も重かったヘロイ...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:294
  • 名古屋地平10.1.12判決

    《解  説》
     一 本件は、有名なプロ野球選手である被告人A及びBの両名が、中小企業相談協会会長と名乗るCらに依頼して、架空の顧問料を計上する方法により、被告人Aが約二八〇〇万円、同Bが約二二〇〇万円の所得税をそれぞれ免れたという事案である。新聞報道等によれば、一連のプロ野球脱税事件において、...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:299
  • 《解  説》
     一 本件判決は、覚せい剤所持について、単独又は他と共謀して所持したと認定することは許されないものとしたものである。許される場合があるとする判例(東京高判平4・10・14高刑四五巻三号六六頁)があり、また、近時、択一的認定に関する研究(包括的なものに大澤裕「刑事訴訟における「択一...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:301