最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件は、香港高等法院がした訴訟費用負担命令について、Xらが、旧民訴法二〇〇条各号の要件を具備するとして、民事執行法二四条に基づき、執行判決を請求した事案である。一、二審とも、Xらの請求を認容した。本判決は、改正後の民事執行法二四条及び民訴法一一八条に基づき承認・執行要件の存...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、爆発物取締罰則違反等の罪により懲役七年の刑を受け、昭和五七年七月から同六二年一二月まで新潟刑務所に在監していた原告が、同五九年六月に同刑務所で起きた在監者四人の連続突然死事件をきっかけとして生じたトラブル等に関し、① 二回にわたる弁護士との接見拒否、②...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、原告が、酒税法(以下「法」という。)九条一項に基づき、酒類販売業の免許を申請したところ、税務署長から、法一〇条一〇号の規定に該当する事由(経営基礎の薄弱)があるとして申請を拒否する本件処分を受けたため、その取消しを求める事案である。
原告は、法九条一...
《解 説》
一 事案の概要
A市の市長であるY1は、A市の幹部職員であるBに対し、派遣期間を三年として地元の商工会議所であるY2への派遣を命ずる発令をし、「前二条に規定する場合を除くほか市長が定める場合」に職務専念義務の免除をすることを認める「茅ヶ崎市職員の職務に専念する義務の特例に関す...
《解 説》
一 本件は、在日韓国人であるXが、米国留学のため再入国の許可申請をしたところ、法務大臣が、Xが指紋の押なつを拒否していることを理由に不許可処分をしたため、Xが、右不許可処分は違法であるとして、法務大臣に対し右不許可処分の取消しを求めるとともに、国に対し損害賠償等を請求した事案で...
《解 説》
一 本件の事案は、第一小法廷により本判決と同日に判決が言い渡された平成八年(オ)第九八三号事件と同一であり、要するに、(一) 一般債権者(被告・被上告人)が債務者所有の建物についての賃料債権を差し押さえたが、(二) これに遅れて右建物に抵当権設定登記がされ、抵当権者(原告・上告...
《解 説》
一 亡A(昭62・8・20死亡)の相続人は、妻であるX1、長女であるX2及び長男であるY1である。Y2はY1の妻、Y3及びY4はY1とY2の子である。X1X2は、亡Aが六七歳の時にY1~Y4にした判示の1~6の土地の生前贈与(昭53・10・16と昭54・1・16の二回に分けて贈...
《解 説》
本件は、建物の賃料債権を差し押さえたXと、差押え後に建物を譲り受けたYとの間で、建物の賃借人が供託した賃料についての供託金還付請求権の帰属が争われた事件である。
Xは、本件建物を所有していたAに対する債務名義に基づいて、本件建物の賃借人四名を第三債務者として、Aが右賃借人に対...
《解 説》
一 ともに建設会社であるXとYは、特定の建築工事の請負を目的として、二分の一ずつの出資で本件共同企業体を結成し、目的とした工事を受注して工事を行っていたが、その途中でXが共同企業体から離脱し、和議開始の申立てをした。Xについては、その後、和議債権の一部免除等を内容とする和議条件...
《解 説》
一 本件は、少年ABら五名が、塾帰りの中学生四名から金銭を喝取し又は喝取しようとしたとされる恐喝、同未遂保護事件の否認事案であり、少年法一六条に基づく援助協力の依頼に応じて捜査機関が家庭裁判所に送付した証拠について、家庭裁判所がその存在を少年側に了知させないまま右証拠を非行事実...
《解 説》
本件は、その子が東京都品川区立の小学校に在学中に担任教師(以下「本件教諭」という。)から体罰を受けたと主張する控訴人Xが、ほか一名(控訴人親子とは身分関係のない第三者。以下Aという。)とともに、品川区から関係公文書公開に関する許否の権限を与えられている被控訴人Y(同区教育委員会...
《解 説》
本件は、関西のタクシー関連会社五社Xらがタクシー運賃について平成元年四月に導入された消費税を転嫁するため、同三年三月に至り、道路運送法八八条、九条に基づき、運輸局長に対して運賃値上認可申請をしたのに対し、同局長の受理及び審査が遅れ、かつ却下処分をしたのは違法であると主張して、Y...
《解 説》
一 本件は、原告の亡父が取得した土地の時価が固定資産課税台帳の登録価格を大幅に下回っていたにもかかわらず、被告が右登録価格に基づき課税標準額を定めて不動産取得税の賦課決定をしたのは、地方税法(以下「法」という。)七三条の二一第一項の解釈適用を誤るものであるとして、亡父の相続人で...
《解 説》
一 本件は、警備会社であるY1(代表取締役Y2)の従業員A(男性、死亡時六八歳)が、訴外病院における警備業務中、脳梗塞を発症して倒れ、その後死亡したことについて、Aの相続人であるXが、Yらは、Aには高血圧症の基礎疾患があったにもかかわらず、入社以来一度も健康診断を行なわず、かつ...
《解 説》
Xらは、木材の売買等を業とする者であり、国に対する国有林産物の販売代金債務の保証を目的とする社団法人Yの会員であって、いずれもYに対して信用保証金六〇万円ないし二八〇万円を納入していた。Xらは、平成七年八月にYを退会し、Yに対して信用保証金の返還を求めたところ、Yの理事会は同八...
《解 説》
一 本件は、賃借人が暴力団員であることを知らないで賃貸中のマンションを購入した買受人の、仲介業者の調査義務違反及び売買契約の錯誤無効の主張が認められないとされた事例である。
二 本件事案は以下のとおりである。
Xは、賃借人Aが退去するまでの当分の間は賃貸して賃料を収受し、そ...
《解 説》
一 X1は、昭和六三年二月ころ、T銀行のNから、Y証券会社を紹介され、同年一一月ころ、Nの勧めで、買値、売値及び期間の定まった株式等の売買取引を開始し(その後、X1の関連会社X2も同様の取引を開始した。)、Xらの取引はあわせて五〇数回に及んだ(以下「本件一連の取引」という。)。...
《解 説》
一 本件事案は、電子技術応用ゲーム機のハード及びソフトウエアの研究、開発、製造、販売を主たる業務とする株式会社で、平成二年三月から「ネオジオ(NEO・GEO)」という商品表示(本件商品表示)の家庭用テレビゲーム機(本件ゲーム機。ゲーム機本体とコントローラーからなる)及び対戦モー...
《解 説》
一 本件は、爆発的な人気商品となった「たまごっち」との名称のキーホルダー型液晶ゲーム機の類似品について、差止め等を求めた事案である。
X1は、別紙原告商品目録記載の形態を有するキーホルダー型液晶ゲーム機を「たまごっち」の名称で販売しており、X1及びX2は、右原告商品の意匠につ...
《解 説》
一 事案の概要 Xは、浜松市に居住していた日本人女子であるが、日本に住所を有する日本人男子であるYと肉体関係を持つようになり、A男と婚姻後もY男と関係を持っていたが、その後渡米し、オハイオ州においてBを出産した。Xは、オハイオ州の郡裁判所に、Yを被告として、Bの父親であることの...
《解 説》
一 本件は、Yらの取締役であるXらが、株式譲渡の承認決議がされたとする取締役会が開催されたことはないなどと主張して、Yらとの間で、右決議が不存在であることの確認を求めたものである。
なお、Xらは、本件に先立ち、兄弟らを被告として、右決議の対象となっている株式が亡父Aの遺産であ...
《解 説》
一 本件は、開業医(眼科)の角膜に対しレーザー光線を照射する治療機器(以下「本件動産」という)が民事執行法一三一条六号にいうところの差押禁止動産に当たるか否かが問題となった事案である。Xは信販会社であるが、眼科を開業している医師Yに対し、リース債権を被保全権利として、Yの動産に...
《解 説》
一 本件は、被告人が覚せい剤を注射して自己使用したという事案である。
被告人は、逮捕勾留後、覚せい剤精神病により措置入院となり、約二か月半後に退院して起訴された。被告人は捜査段階から、「幻聴があり、これに支配されて、覚せい剤を打ってまともになろうと注射した」と供述した。弁護人...
《解 説》
一 本件は、二一歳の被告人が一七歳の少女に売春をすることを示唆して不特定の遊客を相手に性交類似行為をさせ、もって、児童に淫行させた、という児童福祉法違反の事案である。この種の事件は、少年法三七条一項四号により、家庭裁判所の専属管轄となっており、本件も家庭裁判所に起訴された。一方...
《解 説》
一 Xらは、Y(コンピューターソフト会社)において、システムエンジニアとして稼働していたA(死亡時三三歳、男性)の相続人であるが、Aが脳出血により死亡したことにつき、右は本態性高血圧に基づく脳幹部出血であり、Y入社以来の過重な業務による精神的肉体的ストレスにより本態性高血圧が発...