最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は、日本の大手半導体メーカーである原告と米国大手半導体メーカーである被告との間の半導体装置に関する特許権をめぐる訴訟として報道され、社会の注目を集めた事件である。
本件で問題となっている特許権は、報道で「キルビー特許」、「キルビー二七五特許」などと呼ばれて紹介されてい...
《解 説》
1 本判決は、腎炎等の治療の目的で、医師からクロロキン製剤を投与された結果、その副作用によって、クロロキン網膜症に罹患した患者本人及びその相続人、家族ら(Xら)が、国(Y)、製薬会社六社に対し、不法行為等を理由に損害賠償を求めたいわゆるクロロキン薬害第二次訴訟の控訴審判決である...
《解 説》
一 本件の概要
1 本件は多数の請求が併合されているが、その主要事件(A事件という。)は、弁護士である原告Xが顧問先の株式会社から委任を受けて、当該会社の増資事務を処理し、これに伴い株式会社変更登記の登記申請を代理して行ったところ、被告埼玉司法書士会Yの会長が、「このような登...
《解 説》
一 本件は、予防接種の副反応事故により死亡ないし後遺障害を負った児童四八名の本人又は遺族から国に対し損害賠償又は損失補償を求めた、いわゆる大阪予防接種禍訴訟の控訴審判決である。
右児童らは昭和二三年から同五〇年にかけて、国が行った種痘、腸チフス、パラチフス、ポリオ各ワクチン接...
《解 説》
一 事案の概要等
1 兵庫県西脇市は、昭和六一年一二月、都市計画法(以下「法」という。)一二条の四、一三条一項七号により郷瀬地区計画(以下「本件地区計画」という。)を定めて告示したところ、本件地区計画において道路予定地とされている土地の所有者ら八名が原告となり、右計画の違法を...
《解 説》
東京都内の交通頻繁な商業地域に住むXが、隣接地のレデイミクストコンクリート(いわゆる生コン)工場の製造プラント(本件工作物)の操業による騒音等により被害を受けているとして、人格権等に基づく操業の差止めと不法行為を理由とする損害賠償(慰謝料)を請求した事件である。
商業地域にお...
《解 説》
一 本件は、派出所に電話をかけてきた被告人の異常な言動等から、覚せい剤使用の嫌疑を抱いた警察官が、被告人運転車両のエンジンキーを引き抜き取り上げるなどして、被告人による運転を阻止し、任意同行を求めて約六時間半以上にわたり被告人を道路上に留め置いた上、尿を強制採取するための捜索差...
《解 説》
Yらを賃貸人、Xを賃借人として、昭和五七年九月四日、起訴前の和解により、東京都新宿区内の二階建瓦葺建物について期間を四年間とする賃貸借契約が締結され、さらに昭和六一年九月四日、両者間に同様の期間を四年間とする賃貸借契約が締結された。なお、後者の和解条項八項は、XがYらから賃貸借...
《解 説》
Aは昭和六三年七月、Bに対し、Yの保証のもとに、八階建てのビル一階ショールームと二階事務所合計一八七平方メートルを期間三年の約で賃貸した。Aは、平成二年一一月死亡し、Xら二名が賃貸人の地位を相続した。XらとBは、平成三年七月、あらためて期間を三年とする新賃貸借契約を交わし、特約...
《解 説》
亡A(七〇歳)は、昭和六二年七月八日午後四時三〇分ころ、約二メートル下の河原に転落して左胸腹部、頭部、左腕を打撲し、同日午後五時七分ころ、救急車でY1経営の救急病院に搬入されY1の診察を受けた。Y1は、亡Aについて、左第一〇肋骨にずれのない亀裂骨折が認められる以外に内臓には異常...
《解 説》
亡Tは、旧ソ連のロシア連邦共和国で出生したロシア人であり、大正一二年ころ日本に入国して以来、洋服などの行商をして生計を立て、本件土地建物等の財産を築き、約六〇年間にわたって日本に居住していた。Tは、一旦本件土地建物を旧ソ連に遺贈する旨の遺言(第一の遺言)をしたが、その後、本件建...
《解 説》
一 本件は、Xから宅地を購入したYが、地上三階以上の建物の建築を禁止する建築協定及び売買契約に反して地上三階建の建物を建築したことから、右協定委員長及び売主であるXが、右協定または売買契約に基づき本件建物の三階部分の撤去を求めた事案である。Yが暴力団組長であったことから、一時マ...