最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
本件は、当時の衆議院議員であったY1が衆議院社会労働委員会における医療法の一部改正案件の審議に際して精神病院を経営するZにおいて女性患者に対し強姦等の破廉恥行為をしているなどのことを指摘して所管行政庁による十分な監督を求めたところ、右発言が虚偽であってZの名誉を棄損するものであ...
《解 説》
一 本判決は、いわゆる「天六ガス爆発事故」に関する刑事事件の控訴審判決である。
右事故は、昭和四五年四月八日午後五時二〇分ころ、大阪市大淀区(現在北区)天神橋筋六丁目からその東方の同区国分寺町に至る地下鉄二号線四工区の建設工事現場において、掘削中の坑内に露出宙吊りされていた三...
《解 説》
一 最大判昭36・4・5民集一五巻四号六五七頁、最大判昭37・12・5刑集一六巻一二号一六六一頁によれば、昭和二七年四月二八日の平和条約の発効に伴い、それまで朝鮮戸籍令の適用を受け朝鮮戸籍に登載されるべき地位にあった人は、元来日本人で朝鮮人との身分行為によってそのような地位を有...
《解 説》
一 X(申立人・抗告人)らは、東京都千代田区立永田町小学校に在学する児童の保護者であるが、Y1(被申立人・相手方)千代田区が条例により永田町小学校を廃止する旨決定してこれを公布したので、右廃校処分の取消しを求める訴えを提起するとともに、校舎を解体するなどの手続を進めることになる...
《解 説》
Xは、平成三年二月四日、Yから信号無視、駐車違反等の道路交通法違反行為を理由に六〇日間の運転免許効力停止の処分を受けたが、これを不服として福岡県公安委員会に対し処分取消しの審査請求をした。同委員会は右請求を棄却する旨の裁決をしたところ、Xは、右違反行為のうち信号無視については事...
《解 説》
一 X1、X2の長女A(昭和五二年四月生)は、Y1(安浦町)の設置管理する安登小学校の児童であったが、六年生の担任教諭から数回にわたって猥褻行為をされたうえ、平成二年三月の春休み中、右担任教諭から普通乗用車に乗せて連れ出され、海岸空地で首を絞めて殺害された。
そこで、X1、X...
《解 説》
一 Xは、昭和六二年一二月当時、宇都宮市立緑が丘小学校二年に在籍していたが、同月二三日の第三時限の図工の授業としての紙版画の製作を行っていた際、同級生Aの持っていたハサミが左眼に当たり、左眼角膜裂傷、左上眼瞼裂傷の障害を負った。
そこで、Xは、図工の授業の指導にあたっていたB...
《解 説》
一 X1、X2は、いずれも昭和六三年一一月一六日、逮捕監禁、傷害容疑で逮捕され、同月一九日、三重県四日市南警察署に留置された被疑者Aの弁護人に選任された弁護士であるが、津地方検察庁四日市支部の検察官検事であったY2が、(一)同月二二日のX1の接見の申出に対し、取調べ中であること...
《解 説》
K市は従来、昼休みには市民課等の住民票や戸籍謄本等の交付等の住民サービスの窓口業務を閉鎖していたが、住民等の要望が強いこともあって、昭和五七年九月六日から昼休みの窓口業務を実施した。そして、昼休みの窓口業務は特殊勤務に該当すると判断して、これに従事した職員には特殊勤務手当として...
《解 説》
一 Xは、昭和四八年一〇月から、大手保険会社の横浜支店長付運転手として稼働していた者であるが、昭和五九年五月早朝、支店長を迎えに行く途中、くも膜下出血を発症し、意識障害の後遺症が残った。
そこで、Xは、Y(横浜南労働基準監督署長)に対し、労災保険法に基づく休業補償給付を申請し...
《解 説》
本件は、XがYに対し、土地を時効取得したとして、所有権移転登記を求めた事件である。すなわち、Yから土地を賃借していたAが、昭和三三年一月二七日に死亡し、Aを相続したBが土地を耕作していた。その後、Bは土地をXの父Cに対し売却し、Cの死亡後、Xが相続し、昭和五三年一月二七日に土地...
《解 説》
本件建物は、一階、二階とも二部屋で一階に共用の炊事場、便所があるアパートで、Xはそのうち、一階の二部屋と二階の一部屋を以前から賃借していた。Yは平成二年五月本件建物の所有権を取得し、Xが賃借していない残りの一部屋を改造して定員八ないし一〇名のもっぱら外国人労働者、旅行者向けの簡...
《解 説》
一 Xは別件の医療過誤事件の被告訴訟代理人であったが、同事件の証拠収集のため調査事務所に同事件の原告であるY1の身辺調査を依頼し、同調査事務所の報告書を和解期日に裁判官に提出した。これに対し、Y1及び同事件の訴訟代理人であったY2が「Xは倫理感が完全に麻痺し、事の是非、善悪の判...
《解 説》
一 事案の概要は次のとおりである。
Aは、高血圧症の治療のためYの開設する大学病院で約四年間通院受診していたが、外来での担当医師Bは、Aについて狭心症を疑い、確定的診断をするために、心臓カテーテル検査(血行動態検査及び造影検査)を行うことにした。
Aに対する心臓カテーテル検...
《解 説》
一 本件は、妊婦Aが出産後の大量出血による抵抗力の低下等から敗血症を発症し、死亡したという事故につき、右大量出血の原因を生ぜしめた陣痛促進剤の投与に関する産婦人科医師の過失を認めた事案である。
Aは、初産婦であったが、昭和六二年九月三日、陣痛があり被告Y1の開業する産婦人科医...
《解 説》
一 本件は、開業医である甲事件被告(Y1)により約一か月間アルコール性肝障害等の治療を受けた後、乙事件被告(Y2)の診察を受けたところ肝臓癌と判明した患者Aが、Y2に入院した当日に大量出血により死亡したため、Aの遺族であるXらが、Y1に対し、誤診等を内容とする診療契約上の債務不...
《解 説》
一 亡A(死亡当時七一歳)は、直腸癌の治療のため、昭和五七年六月九日、国立埼玉病院に入院し、同病院の医師Bの執刀によりマイルス術(直腸切断摘出と人工肛門の造設術、以下「本件手術」という。)を受けることになった。本件手術は、同年七月五日、執刀医Bのもとで実施され、患部の摘出手術自...
《解 説》
一 訴外A(明治三七年四月二一日生)は、昭和六二年七月二七日、自宅において、自己所有の財産を特定人に相続、遺贈し、遺言執行者を指定する旨の公正証書による遺言をし、平成二年七月二二日死亡したが、Aの相続人であるX1~X6は、相続人Yを相手方として、Aが本件遺言をした当時、老人性痴...
《解 説》
一 Yは、昭和一六年七月四日、貸切霊柩自動車業を目的として設立された会社であり、設立以来代表取締役であったAとその妻B及びその親族(以下「川島一族」という。)によって経営されてきたものであるが、平成二年七月二三日の取締役会において、二万九二〇〇株を発行する旨決議し、右新株全部を...
《解 説》
本件は、日本法人Xからドイツに居住する日本人Yに対する不法行為に基づく損害賠償請求訴訟について日本国裁判所の国際裁判管轄権が争われた事案である。
Xは、日本人Aに対し、自動車のドイツからの輸出手続の代行を委託し、購入代金として八一三万円余をドイツに送金し、送金手数料として銀行...
《解 説》
一 本件は、X(宮城県仙台市在住)がY(広島市に本社のある会社)との間で学習塾加盟契約を締結し、契約金三七〇万円を支払ったほか学習塾の開設準備の費用として九八万円余を支出したが、右契約締結自体が詐欺であり不法行為に当たるとして、XがYに対し損害賠償を求めて仙台地方裁判所に訴訟を...
《解 説》
一 本件は、中学時代から憧れていた男性と結婚し、子供を身籠った二〇歳の女性被告人が、まだ遊びたいとする夫から子供を中絶するよう強く要求され、さらには離婚をも迫られて強い衝撃を受け、入浴を終えて浴室から出てきた夫の腹部を文化包丁で一回突き刺し、出血性ショックにより夫を死亡させたと...