最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 事案の概要
本決定は、本誌八一八号七〇頁に紹介した女川原発差止訴訟で仙台地裁が出した文書提出命令に対してされた即時抗告に対する仙台高裁の決定である。
原告ら(地域住民一四名)は、宮城県牡鹿郡女川町に原子力発電所を運転・建設する被告を相手方として、一号機の運転及び二号機の...
《解 説》
Xら七三九名は、宗教法人幸福の科学の正会員であるが、出版社Y1、その代表者Y2、編集者Y3ないしY5、執筆者Y6、Y7に対し、Y1の発行する写真週刊誌、週刊誌及び月刊誌に掲載された記事が幸福の科学及びその主宰者を誹謗中傷するものであり、これによりXらの宗教上の人格権が侵害された...
《解 説》
一 本件は、事案の概要にあるとおり、週刊フライデー、週刊現代その他被告講談社が出版、発行する雑誌に、幸福の科学及びその主宰である大川隆法に関する一連の記事が掲載されたことに対して、幸福の科学の信者で大川をその信仰の対象としている原告らが、右一連の記事は幸福の科学及び大川を誹謗中...
《解 説》
一 Y銀行においては、人件費率が全国の地方銀行中ワースト五指に入るなど業績が悪く、経営環境も悪化してきたので、多数派組合の同意を得て、昭和六一年五月より五五歳以上の一般職行員の基本給を凍結し、管理職階者は新たに創設する専任職として専任職手当を支給することとし(専任職制度)、次い...
《解 説》
地上七階建、延床面積九一六七・一五㎡の本件マンションは、専有部分として、一、二階に店舗、駐車場、倉庫等を有し、二階以上に居宅一〇八戸(二階は賃貸用、三階以上は分譲)を有する。昭和五二年五月に建築され、分譲されている。
マンションの管理業務は、以前はマンション管理会社のY2が行...
《解 説》
一 Xは、Aから宅地(以下「本件土地」という。)を賃借し、その地上に事務所を建築して所有しており、Yは右土地の隣地の所有者であるところ、Xの建物のバルコニーがY所有地を侵害しているとして、X、Y間で境界を巡る紛争が発生し、Aや本件土地の他の隣地の所有者をも含めて境界についての話...
《解 説》
一 本件事案の概要はこうである。(1)明星自動車株式会社はもと旧進駐軍の離職者によって設立された。原告北村、西村がその中心人物であった。(2)株主である被告橋本、鈴木らは、創業の功労者で代表取締役である原告北村を昭和四三年五月に、原告西村を昭和五〇年一二月に、相次いで解任して、...
《解 説》
一 本件は、パリの超高級ホテルであるホテルリッツ(「HOTEL RITZ」。以下「本件ホテル」という。)を所有しながら、ロンドンにおいてホテル営業を営む原告が、昭和五六年二月ころから、我が国の屈指の一流ホテルであるホテルニューオータニの本館二階内において、「THE RITZ S...
《解 説》
一 本件は、死刑判決確定者として東京拘置所に拘置されているZ(被拘束者)について、Xら(被拘束者の刑事再審請求弁護人及び実姉)が、Zの精神状態は異常であるから治療の必要性があるとして、人身保護法に基づき、東京拘置所長Yを拘束者として、主位的に、東京都立の精神病院への移送を求め、...
《解 説》
一 本件は、少年補導員が刑法一九五条一項にいう「警察の職務を補助する者」に該当するか否かが争われた付審判請求事件の抗告審の決定である。
事実関係の概要は、次のとおりである。請求人は、パチンコ店で少年補導を受けた際、職務に従事中の警察官及び少年補導員から暴行を受けて傷害を負い、...
《解 説》
本件は、被害者からいきなりパン切り包丁で切り掛かられた被告人が、揉み合ううち落ちた包丁を拾い上げ、馬のりになって右包丁やボールペン等で被害者の頭部、顔面を突き刺し、更に首を圧迫して扼殺した事案である。本判決は、当初馬のりになって包丁やボールペン等で被害者の頭部、顔面を突き刺した...
《解 説》
一 本件は、とくに死体損壊の態様が酸鼻を極めたものであること、犯行の動機につき悪魔祓いという特異な主張がなされたことにおいて、世間の耳目を集め、証拠関係も錯綜し、被告人らの精神状態に関する各鑑定結果が分かれたこと等から、裁判所の判断が注目された事件であるが、本判決では、かなり詳...
《解 説》
一 ビルの管理業者であるY会社の従業員Xら一〇名は、一月に数回程度、二三ないし二四時間連続の泊り込みの勤務に就いている。
この泊り込み勤務に際しては、夜間に七ないし八時間の仮眠時間(以下「本件仮眠時間」という。)を与えられるが、Y会社は本件仮眠時間を労働時間には含めないで、賃...