最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 Y国は、平成二年一月一九日、即位の礼委員会において、即位の礼を国事行為として同年一一月一二日に実施することを決定するとともに、大礼委員会において、大嘗祭を公的な皇室行事として同月二二、二三日の両日にわたって行うことを決定し、総額八一億円の国費を支出して、別表のとおり即位の礼...
《解 説》
一 本件は、ヨットの操縦訓練を通じて情緒障害児らを立ち直らせることを標榜して集めた訓練生ら多数名に監禁・暴行・傷害等を加え、その結果内四名を死亡させたとしてヨットスクールの校長はじめ同スクールのコーチらが起訴された、いわゆる戸塚ヨットスクール事件の統一公判組一〇名に対する第一審...
《解 説》
一 高齢化社会の進展とともに高年齢者の雇用問題はわが国の政治経済上の重要課題となっており、いわゆる終身雇用制を主流とするわが国において右課題はまず定年延長問題という形で顕在化する(昭和六一年四月に抜本的改正をみた「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」は事業主に対する六〇歳への...
《解 説》
一 公職選挙法九条一項は、「日本国民で年齢満二十年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。」として、国会議員の選挙権を有する者を日本国民に限っている。本件は、イギリス国籍を有する外国人である原告が、永住者として我が国に居住しているのに、平成元年七月二三日施行の参議...
《解 説》
一 所得税法七八条一項、二項一号は、所得控除の一つとして寄付金控除を規定し、個人の国又は地方公共団体に対する寄付金について、その年中に支出した右の寄付金の額の合計額につき、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の二五パーセントに相当する金額を限度とし...
《解 説》
本件は、未熟児網膜症訴訟についての最高裁判決である。本件請求は、昭和四七年九月に出生した未熟児Xが未熟児網膜症により失明したのは担当の小児科医二名及び眼科医Aの注意義務違反と病院の医療体制の不備によるものであるとして、Xら(患児及びその両親)が、同病院の経営者であるYに対して、...
《解 説》
国分寺市は、国分寺駅北口市街地再開発事業を推進するため、付近の土地を個人から買い受けると共に、その所有の代替地をその個人に売り渡した。国分寺市が公有地の拡大の推進に関する法律に基づいて設立した土地開発公社も、同様にその所有する土地を、代替地として同様の者に売り渡した。市に関して...
《解 説》
一 Xは、昭和二二年九月、Yの前身である銀行に入行し、以来昭和六三年一〇月、Y銀行を定年退職するまでの間、出納係、証券係、管理係等に配属され、窓口業務、受払業務、公金代理業務等に従事してきたものであるが、昭和四五年八月から両手、両肘、左肩に痛みが現れ、昭和四七年二月、「手根管症...
《解 説》
本件は、X(原告、控訴人)がY(被告、被控訴人)に対し建物の明渡しを求めた事案であり、本件建物の貸借関係が賃貸借であるか、使用貸借であるかが争点となったもので、事例として参考になると思われる。本件建物は、東大寺二月堂の近くにあり、Yが茶店兼土産物店として使用し、司馬遼太郎氏の随...
《解 説》
一 X(控訴人)は、酒類販売業を営む地方の老舗であったが、業界の構造的不況の影響で経営不振に陥り、経営再建を図るべく、大口債権者から債務の繰り延べ等を受けるために債権者集会を開催することとし、弁護士名で「債権者集会のお知らせ」と題する文書を作成したうえ、集会開催予定日の四日前(...
《解 説》
本件は、大阪の都心にある百貨店から、その地下二階部分について、業務委託を受けて管理運営している会社(原告)から、更に業務委託を受けてスパゲッティ等の販売店を営んでいる会社(被告)に対し、契約期間の満了又は契約違反による解除に基づき、その売場部分の明渡しを求めた事案である。被告は...
《解 説》
本件は、木曽駒高原に別荘を所有する原告が、その後、別荘の北西に一〇階建てリゾートマンションを建てた被告に対し、眺望権侵害を理由に損害賠償を求めた事件である。
本判決は、まず、眺望の利益は、当該建物の所有者ないし占有者によるその建物からの眺望利益の享受が社会観念上からも独自の利...
《解 説》
本件の原告は、補聴器の販売修理に従事する高卒、四〇台半ばの男性サラリーマンであるが、これまで商品取引の経験は皆無で、商品取引に関する知識も特に有していなかった者である。被告らは、原告との間で米国産大豆の先物取引の委託契約を締結した会社(東京穀物商品取引所等の商品取引員の資格を有...
《解 説》
一 原告は、本訴において、被告が製造販売するM3ピンつき部分かつらが、原告の有する本件特許権を侵害していること(直接侵害)を理由として、被告製品の製造販売の差止めと損害賠償を求め、更に、被告製品を構成するM3ピン単独についても、これが特許法一〇一条一号にいう「その物の生産にのみ...
《解 説》
一 ①②③事件は、民事執行法五五条の売却のための保全処分、④事件は同法七七条の買受人のための保全処分に関する決定である。いずれも債務者・所有者以外の第三者に対して(①④事件では所有者に対しても)、①④事件では執行官保管が命じられ、②③事件では競売建物からの退去が命じられた。
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《解 説》
一 本件は、代用監獄に勾留中の被告人を、裁判官が職権により、拘置所へ移監した事例である。
二 勾留中の被告人・被疑者を裁判所(官)が職権により移監することができるか否かについては、つとに、金谷利廣・令状基本問題七五問一七三頁が積極説を提唱して以来、同旨の見解を採って移監を認め...
《解 説》
一 本件は、被告が「シャネル No. 5タイプ」あるいは英文による説明文中に「CHANEL NO.5(R)」等の表示がなされているスティック型香水を販売したのに対し、原告が商標権に基づいて右販売行為の差止めなどを求めたものである。
二 被告は、「シャネル No.5タイプ」ない...