判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.803


  • 判例タイムズ社
  • 発行年月日:1993/02/20

  • 最高一小平4.11.16判決

    《解  説》
     一 所得税法五九条一項一号の規定によれば、資産が法人に対して遺贈された場合には、その資産がその時における時価で譲渡されたものとして、譲渡所得に対する課税が行われるものとされている。贈与や遺贈のように対価を伴わない資産の譲渡が行われた場合には、資産の譲渡による収入金額が存在しない...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:61
  • 最高三小平4.10.20判決

    《解  説》
     一 内国法人に対しては、各事業年度の所得について各事業年度の所得に対する法人税が、清算所得について清算所得に対する法人税が課されるのが原則である(法人税法五条)が、内国普通法人等の清算中に生じた各事業年度の所得については、当該法人が継続し又は合併により消滅した場合を除き、各事業...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:65
  • 最高三小平4.2.18判決

    《解  説》
     (一) Xらは、もとA社の役員又は従業員であり、昭和五七年六月末日をもってA社を退社した者であるが、同五九年二月七日、A社から、四〇〇万ないし三二三五万円の金員(以下「本件金員」という。)を支給された。A社は、Xらに対し本件金員を支給した際、これらが給与(賞与)の支給に当たると...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:68
  • 《解  説》
     Xら夫婦は郷里の村に合計一億二〇〇〇万円を寄附した者であるが、所得税の確定申告に当たり、これを全額控除して申告した。Y税務署長は、所得税法七八条の規定に従い、寄附金額を所得金額の二五パーセントを限度とし、それから一万円を引いた額のみを控除額として更正及び過少申告加算税の賦課決定...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:74
  • 《解  説》
     固定資産税については、昭和四八年法律第二三号による地方税法の改定により住宅用地に対する固定資産税の軽減特例制度(以下「減税特例」という。)が新設され、施行された(同法三四九条の三の二第一項)。これは、住宅用地のうちその上に存する家屋の床面積の一〇倍以下のものについては、その土地...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:76
  • 《解  説》
     Xは、昭和六二年五月、S政令指定都市のC区(Y区長)内に土地を取得し、同区内に二〇〇〇平方メートル以上の土地を保有することとなったため同六三年度以降、特別土地保有税(地方税法五八五条以下)の納税義務者となった。Xは同六三年度及び平成元年度の特別土地保有税を申告するとともに、法六...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:81
  • 《解  説》
     本件は東京地判平3・6・26本誌七七二号一七八頁の控訴審判決である。
     Xは昭和六〇年一一月二九日に破産宣告を受け、弁護士甲が破産管財人に選任された。甲管財人は裁判所の許可の下に昭和六一年四月三〇日X所有不動産を他に譲渡して二三億六〇〇〇万円の譲渡収入を得たため、昭和六〇年一一...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:87
  • 《解  説》
     本判決は横浜地判平3・9・30本誌七八一号一四四頁の控訴審判決である。事案の概要、原判決の内容の詳細は原判決のコメントを参照されたいが、一〇階建のビルの内のワンルームタイプ専用部分が事業所税の対象となる「事業所用家屋」に当たるか否かが争いとなり、原判決は該当しないとしてXの請求...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:89
  • 《解  説》
     本件で紹介したいのは、書面によらざる贈与が相続財産額算定上の控除対象となる債務に該当するか否かの判断である。相続税法一三条一項一号は「被相続人の債務で相続開始の際に現に存在する」債務を控除対象とし、更に、同法一四条一項は控除対象の債務は「確実と認められるもの」に限っている。
     ...

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:91
  • 名古屋地平4.6.12判決

    《解  説》
     宗教法人Xは、もと名古屋市内に本堂及び境内地を有していたが、昭和六二年に責任役員会の決議により春日井市(Y市長)に境内地を移転することに決した。Xは同市内の土地三筆を購入することとなったが、地主の都合により六三年には一筆のみを購入し、他の二筆は境内地として賃借した後、平成元年に...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:102
  • 名古屋地平4.5.29判決

    《解  説》
     一 必要な範囲で本件の事案を簡略に説明すると、Xは本件土地の大部分(甲部分)を不動産貸付けの事業(土地を賃貸していた)に供し、残りの部分(乙部分)を無償で五男の居住の用に供していた、Xはいわゆる等価交換方式によりビルを建築することとし、まず、甲部分の借地権を借地人から取得したう...

    引用形式で表示 総ページ数:17 開始ページ位置:105
  • 《解  説》
     本件の事案を必要な限度で要約すると、Xは昭和五二年一〇月二三日に死亡した被相続人甲の非嫡出子で、遺言により認知されたが、その相続分は二七分の二である。昭和五八年三月三一日、Xと他の相続人間で、Xは相続財産評価額合計二九五八万二六九一円の土地及び同地上の立木、相続財産評価額〇円の...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:121
  • 名古屋地平4.4.27判決

    《解  説》
     本件は一般貨物自動車運送業を営むXの所得について、Y税務署長が経費率を同業者比率により推計して算出したのに対し、Xが経費を実額により主張して争った事案である。
     本判決は、Xが課税の基礎となる帳簿書類等の提示を拒絶し、反面調査によっても必要経費の実額を把握することができなかった...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:125
  • 名古屋地平4.4.24判決

    《解  説》
     一 X1は、個人で不動産仲介管理等の営業活動をするかたわら、古物商の営業と金銭貸付けを行うようになり、昭和四二年一二月愛知県に対して貸金業の届出を行った。また、X1は、昭和四四年九月、不動産の売買、斡旋、金融業等を目的とする会社を設立して代表取締役となったが、引続き個人で金融業...

    引用形式で表示 総ページ数:12 開始ページ位置:136
  • 名古屋地平4.2.28判決

    《解  説》
     一 所得税法は、資産の譲渡による所得を譲渡所得と定めている(三三条一項)が、たな卸資産の譲渡による所得は譲渡所得から除外され(同条二項一号)、事業所得になるものと解されている。本件は、不動産業者であるXが自己所得の本件土地の譲渡による所得は分離譲渡所得であるとして申告をしたのに...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:147
  • 《解  説》
     本件は、いわゆる租税法律主義に関し、一つの視点を提供する裁判例である。税務訴訟において通常右主義を援用して、その立場を擁護するのは、課税庁側であるが、本件では、納税者側であるというのであって、その点で本件は極めて稀なケースと言えよう。本件は、天然ガス業界における税務会計が問題と...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:155
  • 《解  説》
     一 本件事案の概要は次のようなものである。
      1 原告は機械の製造業者であるが、その取引先である商社二社は、それぞれ、アメリカ合衆国における原告製品のユーザーを、原告工場の見学を含む日本旅行に招待することを企画して、予め原告にその費用負担を要求した。
      2 原告は、右日本招...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:167
  • 《解  説》
     本件は、租税特別措置法三六条の二第一項による居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例の適用が争点となった事案である。
     医師夫人であるXの主張によると、事実の経過は次のとおりである(年号は昭和)。
     56・6 乙土地建物を相続により取得
     59・12 丙土地を居住用に...

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:179
  • 《解  説》
     一 課税処分における所得の推計方法にはいくつかの類型がある。本訴においてYが主張した推計方法は、反面調査等により把握したXの売上金額に、類似同業者の売上金額に対する売上原価及び一般経費(併せて「売上原価等」という)の率の平均値を乗じた金額をXの売上原価等とし、これに特別経費を個...

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:188
  • 《解  説》
     X社はある事業年度の法人税の所得金額を三億〇五二〇万円余であるとして確定申告したところ、Y税務署長はこれを五億二〇三八万円余であると認定して更正処分及び過少申告加算税の賦課決定をした。X社とY署長との見解の相違は、X社が子会社A社に対して二億二二〇〇万円の売上値引きをしたこと及...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:201
  • 名古屋地平3.10.30判決

    《解  説》
     一 Xは製飴業等を営む法人であるが、その工場に発電用ボイラー設備及び蒸気タービン発電設備を設置するため、Aと請負契約を締結して、右設備を発注した。設備の設置の経過の事実関係については直接判文を参照されたいが、要するに、本件事業年度内(昭和六〇年三月三一日まで)に、工場への設置が...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:208
  • 《解  説》
     地方税法は、固定資産につき、これを学校法人がその設置する学校において直接教育の用に供している場合には、固定資産税を課さないこととしている(都市計画税も同様)。
     しかし、同法は、固定資産を有料で借り受けた者が、これを右の用途に供する場合には、その固定資産の所有者に固定資産税を課...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:214
  • 《解  説》
     H市(Y市長)は、テニスコート、ゲートボール場として合計二万七〇七九平方メートル余の土地を所有者から借り受けて市民に提供し、各所有者には三・三平方メートル当たり五〇円を報償費として支払う一方、右土地について固定資産税を賦課しなかった。住民であるXら二名は、Yが所有者らに昭和六〇...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:220
  • 《解  説》
     本件は、被告のために株式の譲渡所得税及び相続税申告等の税務代理をした税理士が、その報酬を請求した事案である。被告は依頼の趣旨を争ったが、参考になると思われるのは、報酬額について明確な約束をしなかった場合の相当な報酬額の決め方に関する判示である。
     弁護士報酬については、報酬額の...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:223
  • 《解  説》
     一 本件訴訟は共同相続人間で、特定財産である借地権が民法九〇三条一項に定める「みなし相続財産」に属することの確認を求めるものであるところ、このような訴訟が許されるかどうかが争点になったもので、一審・二審とも、かかる訴えを不適法として却下したものである。
     二 本控訴審判決は、①...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:226
  • 《解  説》
     事案の概要は次のとおりである。共同相続人一一名のうち、被相続人の子X1、X2、Y及び被相続人の妻Aが遺産の分割について話し合い、右四名の間で、遺産の一部である本件土地については、いったん相続によってYに移転登記をしてからX1、X2取得分として一人当たり面積七〇坪分を分筆して、移...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:228
  • 《解  説》
     一 本件の控訴審の認定を概要すると、母(被相続人)と同居した長男(原告・被控訴人)夫妻が感情的に対立不和になったことからその依頼に基づき、他の兄弟(二男及び三男[原告・被控訴人])の了解のもとに、娘(被告・控訴人)夫妻が自己が漸く確保した環境のよい公社住宅の優先使用権を放棄して...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:236
  • 《解  説》
     Aは、長男B・次男Cに本件各土地を「相続させる」旨遺言して死亡した。本件は、その後Aの先妻であるXが、本件各土地につき離婚に伴う財産分与としてAから譲渡を受けていたものであると主張して、Aの遺言執行者であるYに対して、本件各土地の所有権確認と所有権移転登記手続を請求しているケー...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:243
  • 《解  説》
     本件被相続人Aは子であるYら三人に三分の一の割合で相続させる旨の遺言をしており、相続が開始した(相続財産は土地及び預金)が、Aの子のうち残る一人Bの代襲相続人であるXらは、遺留分減殺請求をした。ところが、Yらは、その翌日に土地を第三者に売却してしまった。そこで、Xらが、Yに対し...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:246
  • 《解  説》
     一 XはY1のいとこの子であるが、Y1は公正証書遺言の方式により、その全財産をXに遺贈する旨の遺言(本件第一遺言)をした。その後、Y1はY2を養子とする養子縁組(本件養子縁組)の届出をし、戸籍簿にその旨登載された。Xは、(1)本件養子縁組はY1の氏名が冒用されたもので、Y1には...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:251
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