判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

  • <随想>法曹人口増加論のために

    萩原金美   

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:4
  • 刑事判決書の見直しについて(提言)3

  • 民事訴訟における企業秘密の保護(下)

    田邊誠   

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:31
  • 貸金業法43条の適用をめぐる法律問題 民事判例実務研究

    鍛治勲   

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:44
  • 民事訴訟法の現代問題(14) プロブレムメソッド民事訴訟法

    小林秀之   

    引用形式で表示 総ページ数:10 開始ページ位置:55
  • 正当防衛における相当性 事実認定に関する裁判例の総合的研究26

    香城敏麿   

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:65
  • 証拠物の取調べと領置 刑事実務上の諸問題19

    古川博   

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:74
  • 債権執行における特別な換価方法 債権執行の諸問題35

  • <銀行実務と民事裁判277>誤振込金と預金の不成立 東京高判平成3年11月28日本誌774号192頁

    西尾信一   

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:85
  • 《解  説》
     本件は、夫に所得税法上の扶養控除対象限度額を超える所得のある女子行員に対しては家族手当及び世帯手当を支給しないとする給与規定を差別的取扱いに当たるとして、右規定を無効とした岩手銀行女子賃金差別事件についての盛岡地判昭60・3・28本誌五五〇号一二七頁の控訴審判決であり、第一審判...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:87
  • 《解  説》
     本判決は、国会議員(当時)の実刑判決として世間の注目を集めた元環境庁長官脱税事件に対する第一審判決である。
     被告人は、昭和四四年以来連続して約二一年間衆議院議員を、昭和六一年七月から約一年三か月間は環境庁長官を務めていたものであるが、仕手筋の人物と知り合ったことなどから、自己...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:95
  • 《解  説》
     本件は換地処分による清算金の算定方法、特に基準時としての工事概成時から清算金決定までの間の利息相当額を清算金に含ませるべきか否かが争われた事案であり、施行者である県知事Y(第一審原告・第二審控訴人兼附帯被控訴人)は、清算金は、換地相互間の不均衡を是正するものであって、損失補償の...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:100
  • 名古屋地平3.9.27判決

    《解  説》
     一 土地の容積率(建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合)の決定は、各用途地域について、建築基準法五二条の規定の制限内で、都市計画法八条二項二号イに基づき都市計画決定の一つとしてされ、また、定められた容積率の変更は、同法二一条に基づき都市計画の変更としてされることになっている。...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:104
  • 《解  説》
     一 本件は、石炭採掘による地盤沈下等による損害を被ったとする各建物所有者が、九州地方鉱業協議会裁定委員会に対して石炭鉱害賠償等臨時措置法一一条の二以下の規定に基づく鉱害賠償に関する裁定を申請したところ、同委員会が本件各物件について原告会社には鉱害賠償責任がある旨の裁定をしたこと...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:106
  • 《解  説》
     一 申立人は、市民グループの代表であるが、集会開催のために被申立人に対して熊本県立劇場大会議室の使用許可申請をなした。この申請について、被申立人は、これを一旦許可したが、その後、申立人らの右集会に反対する団体・個人からの抗議行動がなされるなどしたため、熊本県立劇場条例五条(知事...

    引用形式で表示 総ページ数:2 開始ページ位置:112
  • 《解  説》
     一 本件の本案訴訟は、O県の住民Xらが、O県知事であるY個人らを被告として提起した地方自治法二四二条の二第一項四号の住民訴訟である。Xらは、O県知事が大嘗祭関係儀式である主基斎田抜穂の儀に参列したY個人らに対し旅費等を支出したことについて、憲法の政教分離の規定に違反する違法な公...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:113
  • 名古屋地平3.4.26判決

    《解  説》
     本件は、町による仮換地処分を受けた住民が、町に対し、保留地の指定が土地区画整理法九六条二項記載の要件を満たさない違法なものである、仮換地処分が照応の原則ないし違反ないし公平の原則違反である等と主張をして、仮換地指定処分の取消を求めた事案である。
     土地区画整理法は、区画整理にお...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:115
  • 《解  説》
     一 国民年金法は、昭和六〇年法律第三四号国民年金法等の一部を改正する法律(以下「昭和六〇年改正法」)により、老齢年金の支給要件及び年金額が改正され(以下、昭和六〇年改正前のものを「旧国民年金法」とし、右改正後のものを「新国民年金法」とする。)、新国民年金法の下での老齢基礎年金と...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:121
  • 《解  説》
     一 香川県は、下水処理水を海に放流するに当たり、A漁協と協定書を締結した。右協定書は、A漁協が下水処理水の放流に同意し、県は、A漁協の行う水産振興特別対策事業に対して総額四億八〇〇〇万円の範囲内で補助金を交付する旨を内容としていた。
     これに対し、原告らは、本件補助金は実質的に...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:124
  • 《解  説》
     A町においては、公用車不足のため、町職員が出張する場合私用車を利用することが多く、公用車使用中の事故と私用車使用中の事故とで職員の賠償責任に不均衡が生じたため、町職員が所有し通勤のために使用する自動車について締結された全国町村職員生活協同組合の共済保険の掛金(以下「共済掛金」と...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:130
  • 《解  説》
     一 Xは、昭和五六年当時、東京都江東区立の施設新舞子健康学園に保母として勤務していたが、同年一二月四日に行われた同学園のスケート教室において、自由滑りをしていた際、前に滑り出てきた同学園の児童を避けようとしてフェンスに衝突して転倒し、後頭部をリンク氷面に打ちつけた。その後、Xは...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:134
  • 名古屋地平3.9.6判決

    《解  説》
     Yは一般路線貨物自動車運送業を営む会社であり、Xら二五名はその従業員で運行・集配等の業務に従事している者であるが、XらはYが支払った時間外及び深夜労働に対する割増賃金の計算が違法であるとして、一人当たり約三五万円ないし三八七万円の差額を請求した。
     本件の争点は、第一に時間外勤...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:138
  • 《解  説》
     一 本件は、昭和六一年七月二〇日和歌山県下で行われたいわゆるトライアスロンにおける水泳競技において競技者が溺れ、後日死亡したという事故について、主催者の安全配慮義務が問われたものである。
     右競技大会は、Yほかが主催する水泳二・〇キロメートル、自転車走三〇・一キロメートル及び長...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:146
  • 《解  説》
     本件は、不動産売買契約において詐欺により手付金三五〇〇万円を詐取されたX会社が、右売買契約の仲介に当たった宅地建物取引業者であるY1~Y3会社の不法行為責任を追及したケースである。Y1は買主であるXから、Y3は売主側から依頼されて仲介人となり、Y2はその中間に介任する仲介人とな...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:153
  • 《解  説》
     一 本件は、新東京国際空港周辺部における空港反対運動支援者とY県機動隊との衝突事件に際し,機動隊員による暴行・傷害が行われたという理由等による国家賠償請求事件であるが、当事者・内容とも全く異なるA、B二つの事件で構成されている。
     二 A事件は、空港反対運動の支援者であるX1ら...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:157
  • 《解  説》
     本件は、鹿島商事株式会社のいわゆる「ゴルフクラブ会員証券商法」により損害を被ったと主張する顧客Xら二四名が、右会社の取締役・監査役・営業担当従業員であったYらに対して、不法行為に基づいて損害賠償(財産的損害・弁護士費用)を請求したケースである。なお、鹿島商事は豊田商事の系列会社...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:165
  • 《解  説》
     一 本判決は、胃内視鏡検査・胃生検における施術上の過誤、消化管出血に対する止血措置についての医師の裁量等が問題となった事案である。
     原告は、昭和五九年四月二三日午後一〇時頃、激しい腹痛を覚えて、被告病院で診察を受け、引き続き入院のうえ、諸検査を受けることになった。原告は、五月...

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:168
  • 名古屋地平3.9.27判決

    《解  説》
     原告母が、助産婦の被告の助産によって原告子を出産したものの、原告子がその数日後に核黄疸に罹患し、脳性小児麻痺の事態を招いたことにつき、被告との間で締結の新生児の保健指導等を委託する旨の契約不履行を理由に、逸失利益等の損害賠償を請求した事案である。
     核黄疸とは、脳性麻痺の原因を...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:182
  • 《解  説》
     一 A(当時五二才)は、腎障害の一種であるグッドパスチャー症候群の疑いで被告Yが運営する病院に入院して治療、検査を受けており、昭和六二年五月二〇日に気管支鏡による肺生検(判文中のTBLB)を受けた。右検査時に担当医が気管支内壁に病変と思われるものを発見したので、その生検(判文中...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:187
  • 《解  説》
     本件は、中学サッカー部の自主的な練習中に部員が死亡した事件に関して、日本体育・学校健康センター法が規定する「学校の管理下における災害」への該当性が争われた事例である。右センターは、義務教育の学校の管理下で生じた事故について、活動の目的や学校側の過失の有無を問わずに補償給付を行っ...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:193
  • 名古屋地平3.8.12判決

    《解  説》
     一 本件は、不動産の受遺者が、遺留分権者からの遺留分減殺請求に基づく登記手続請求に対し、民法一〇四一条の価額弁償によってこれを免れようとする場合の弁償権行使の終期について判示した事例である。
     被相続人の妻Xは、被相続人から本件土地の遺贈を受けたYに対し、右遺贈に対する遺留分減...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:198
  • 《解  説》
     一 Bは、Aが所有し、Aの運転する普通乗用自動車に同乗中、交通事故により死亡した。Bの相続人であるX1X2X3は、Aと自家用自動車保険契約を締結していたYを被告として、直接請求の約定に基づいて、保険金の支払を請求した。
     自家用自動車保険契約に適用される自家用自動車保険普通保険...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:201
  • 《解  説》
     一 本件はマニラにおける被保険者の死亡が保険金殺人の疑いが濃厚として保険金請求が排斥された事例で、その判文中に原告(保険者)が保険金目当てに甲を被保険者とする本件保険金契約を結んだとの疑いを払拭することができないとの説示をしており、これが新聞等に広く報じられたものである。
     二...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:204
  • 《解  説》
     一 XはYの元代表者であり、昭和六一年ころYの経営が悪化したため、現代表者に経営を引き継いだものの、従前からYの事務所として使用していたX所有の建物を、引き続きYの事務所として賃貸した。しかし、Yは平成元年三月ころ再び経営が悪化し手形不渡りが発生し、支払停止に陥った。
     XとY...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:208
  • 《解  説》
     一 本件は親族間の土地の占有権原の有無を中心として争われた事例で、事案は正確には分からないが、原告(被控訴人)は叔父を被告(控訴人)として目的土地の占有権確認を本位的請求とし、賃借権確認(?)を予備的請求として提訴。一審は本位的請求を認容したようで、被告控訴。
     二 二審判決は...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:213
  • 名古屋高金沢支平3.5.27判決

    《解  説》
     本件は、債務者が、債権者に対して、保全取消請求事件の控訴審において、新たに、本案判決による債務名義の存在を理由に、保全の必要性の消滅を理由として、取消請求を求めた事案である。
     改正前民事訴訟法七四七条は、事情が変更した場合に債務者が保全取消の申立をできる旨規定し、仮差押え決定...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:215
  • 《解  説》
     本件は、借地人X1及びその家族X2~X4らと地主Yとの間の紛争である。Xらは、Yが借地上に建築しているX1所有の建物の庇を損壊し、建物外壁・トタン塀・裏木戸・一般公衆道路上等に油性スプレーで「通行妨害X通行禁止」などと大書、落書きしたことにつき、不法行為に基づき、補修費用及び慰...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:218
  • 《解  説》
     一 被告(東京都)は、昭和四四年以後、それまで施行していた競輪、競馬、オートレースなどの各種競走事業を段階的に廃止する方針を採り、各種競走事業関係団体等に対し、被告の廃止措置に応ずるよう協力を求め、これに応じた関係団体や関連業者との間で協定を締結することにより、補償金を支払う等...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:221
  • 《解  説》
     本件は、故人Aが所有していた不動産を贈与した相手は四女のXであったか、それとも二女の子であるY1であったかの事実問題が主たる争点となった所有権移転登記手続等請求訴訟であるが、Xが三歳のときに日本脳炎に罹患し、知能の発達が遅れたために、訴訟追行について意思能力の有無が問題となった...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:229
  • 《解  説》
     破産者A及びB(いずれも管財人X)共有の不動産が債権者Y1に売渡担保として所有権移転登記が経由され、また債権者Y2のため根抵当権設定仮登記が経由されたので、管財人Xはその原因行為を破産法七二条五号の無償行為に当たるとして否認し、各登記の抹消登記手続を求めた。Yらは、①Aらの担保...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:236
  • 《解  説》
     本判決は、いわゆる田園調布資産家殺害事件の控訴審判決であり、一審判決は本誌六九九号二五二頁に紹介されている。本件被告人は、かねて親交のあった被害者Aを殺害し、その後Aの財産を次々と処分して費消したとして、殺人のほか、有印私文書偽造、同行使、公正証書原本不実記載、同行使、詐欺の罪...

    引用形式で表示 総ページ数:21 開始ページ位置:240
  • 《解  説》
     一 日本語に通じない外国人の被告人に対して公訴を提起し、起訴状謄本を送達するに当り、日本語で記載されている謄本だけを送達し、これに被告人が理解することのできる言語による訳文を添付しなくても、謄本送達に関する刑訴法二七一条、憲法三一条に違反しないものかどうか。この点については、か...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:260
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     申立人は、民事執行法一八一条一項一号ないし三号及び二項の法定文書(以下「法定文書」という。)として抵当証券を提出して不動産競売の申立てをし、その際、添付資料として抵当証券に記載のない失権約款の合意があり、この約款により期限の利益を喪失し弁済期が到来したことを示...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:267
  • 《解  説》
     本判決の認定した事実によれば、Xらは昭和二八年一一月、設立中のYの発起人代表との間で本件土地(公簿上五万八六五四平方メートル、実測九万二六五七平方メートル)についてゴルフ場に使用することを目的として期間一〇年の約で賃貸借契約を締結したという(Yが設立されたのは昭和二九年三月であ...

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:275