最も長い歴史をもつ判例実務誌
産業廃棄物処理場からの汚泥の流出により近隣住民が死亡し建物が汚泥に埋没した事故について、知事の産業廃棄物処理業者に対する指導監督権限不行使の違法があるとして国家賠償責任が認められた事例
一、土地が民法上の組合の組合員の共有ではなく、商法上の匿名組合の営業者の所有に属するものであるとして、右土地の譲渡に係る所得は右営業者に帰属するとされた事例
二、法人税青色申告に係る更正に理由附記不備の違法がないとされた事例
三、租税法律関係に信義則の法理の適用の是非を考えるべき場合に当たらないとされた事例
組合の休暇闘争指令等とは関係なしに、個人的に自己の発意によって年休を取得して自己の所属する事業場でされる争議行為に参加する場合についても、その事業場における事業の正常な運営を阻害する程度の規模ないし態様でされる場合には、年次有給休暇関係は成立しないとされた事例
一、マル優制度の不正利用のための定期預金をするため、金融機関の嘱託職員が顧客から金員を受領した場合と預金契約の成否二、金融機関の嘱託職員が顧客からマル優制度の不正利用のため受領した金員を第三者に預託して流用された場合に、金融機関の使用者責任が認められた事例
一、糖尿病患者が断食療法中に死亡した事故につき、断食療法の施術者に不法行為責任を認めた事例
二、医師の資格のない断食療法の施術者の行為について七割の過失相殺をした事例
警報機、遮断機のない踏切を横断中の自動車運転者が電車にはね飛ばされて死亡した事故について、踏切注意柵、標識が設置されている以上、踏切の設置・保存上の鞍庇があるとはいえないとされた事例
在胎三五週五日目に体重二三三〇グラムで出生した男児が脳脊髄膜炎、脊髄炎に雁患し、後遺症として四肢麻痔等になった場合において、産婦人科開業医に診療上の過失が認められたが、損害賠償責任の範囲が三分の二に限定された事例
オートバイを運転中転倒して開放性左大腿骨骨幹部骨折等の傷害を負った者が大腿骨骨髄炎に雁患し長期間治療を要し後遺症が残存した場合について、医師に骨髄炎雁患等について過失がないとされた事例
学校の視聴覚室において、卒業記念の木彫りのレリーフを共同製作中の小学校六年の児童が、同じ組の児童の持っていた彫刻刀で右目を刺された負傷事故について、担当教師の過失及び学校側の安全配慮義務違反が認められなかった事例
立入り禁止の校舎屋上で卒業アルバム写真を撮影中の高校三年の男子生徒が転落して死亡した事故について、学校側の設備管理義務及び指導監督義務違反の責任が認められた事例
一、「株式会社小僧寿し本部」なる商号を有し、フランチャイズ方式で持ち帰り用の寿L等を加盟店に製造販売させている被告会社及び加盟店が使用する「小僧寿し」、「KOZ0 SUSHI」、「KOZOSUSI」及び「KOZ0 ZUSHI」なる各文字標章は、商標法二六条一項一号所定の 「自己の氏名若しくは名称」又は「これらの著名な略称」に当たり、その表示態様も同号所定の 「普通に用いられる方法で表示する」ものである
二、本来なら「小僧」なる漢字を縦書きした原告会社の登録商標と類似するとはいえない人物の図形のみからなる被告会社の登録商標が、その設定登録後の使用形態により現時点においては原告会社の登録商標に類似する商標としての機能を果たすに至っていても、原告会社の登録商標の信用を害するものとはいえない
一、意思能力があっても、その児童が自由意思に基づいて監護者の下にとどまっているとはいえない特段の事情があるときは、監護者の監護行為は、なお人身保護法及び同規則にいう「拘束」にあたる
二、一応意思能力の認められる状況に達した児童が、共同親権者である父母の一方の監護に服し、他方の監護を拒絶する旨の明確な意思を表明しているとしても、その児童に意思能力が十分備わっていない当時から、共同親権者の他方を完全に排除する現在の監護状況と同じか、これに準ずるような監護状況が継続していたため、自らの監護者を選択するについて必要な資料情報を持たないまま右のような意向を表明するに至ったものと認められる場合には、その児童は自らの監護者を選択するについて自由な意思の形成が妨げられていたというべきであり、このような状況下で、一方の監護に服する意向が表明されたとしても、これをもって、児童の自由な意思の表明とみるべきではないから、前記特段の事情があるものというべきである
世界東光文明教団寄附金返還請求訴訟第一審判決
宗教法人に対する寄附金の返還請求の訴えが法律上の争訟に当たらないとして却下された事例
債務の弁済により債権者に代位した物上保証人が債務者所有の不動産に対する競売事件の配当表に債権者として記載されていない場合における配当異議の申出適格の有無