最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 鉱山から排出される亜砒酸等と周辺住民の慢性砒素中毒症罹患等の被害との間に因果関係があるとされた事例 2 鉱業権譲受後鉱業を実施しなかった鉱業権者に製錬等を原因として発生した損害についての賠償責任が認められた事例 3 公害健康被害補償法に基づく補償給付額は公害被害者の慰藉料損害賠償額から控除すべきではないとされた事例
1 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(新安保条約)は、主権国としての我が国の存立の基礎に極めて重大な関係をもつ高度の政治性を有するものというべきであるから、これが違憲か否かの法的判断は、一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のものである 2 新安保条約は、一見極めて明白に憲法前文の趣旨、9条、98条2項に違反し無効であるとは認められない 3 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(駐留軍用地特措法)は、憲法前文の趣旨、9条、29条3項、31条に違反しない 4 駐留軍用地特措法3条所定の「駐留軍の用に供するため土地等を必要とする場合」とは、駐留軍の用に供するため土地等を提供する客観的必要性が存する場合を指し、同条所定の「適正且つ合理的」とは、土地等の提供の客観的必要性が高く、かつ、右提供により得られる公共の利益がこれにより失われる利益に優っていることを意味する 5 駐留軍用地特措法3条所定の要件の充足性の有無の判断については、内閣総理大臣に一定の範囲において裁量の余地が認められ、その判断に裁量権の逸脱ないしは濫用があった場合に限り、同法5条に基づく使用・収用の認定処分が違法となる 6 内閣総理大臣が、市有地について、駐留軍用地特措法5条の規定に基いてした使用認定処分に裁量権の逸脱なし濫用の違法はないとされた事例
賃金引上げ、勤評反対等を目的として全国規模で一斉に行われた全農林の職場集会等の争議行為に参加し、又はこれをあおり、そそのかしたことを理由として同組合員に対してされた戒告又は減給の懲戒処分がいずれも適法であるとされた事例
土地を目的とする一番抵当権設定当時土地と地上建物の所有者が異なっていたが後順位抵当権設定当時同1人の所有に帰していた場合と法定地上権の成否
重複保険の告知ないし通知義務に違反した場合には保険契約を解除することができる旨の約款があっても、保険契約者あるいは被保険者に悪意または重過失がない限り、保険者が保険契約を解除することができないとされた事例
いやがらせのための幅寄せ中に相手車両と接触し、狼狽して右急転把して自車を後続の自動二輪車に衝突させ、同車の操縦者が対向車線にはねとばされて対向車に衝突して死亡した事案(判文参照)で、幅寄せを差し控えるべき業務上の注意義務を肯定し、その違反と死亡との間の因果関係を認めた事例