最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 教科書検定制度と憲法26条違反の有無(消極) 2 教科書検定制度と憲法21条2項、1項違反の有無(消極) 3 教科書検定制度と憲法23条違反の有無(消極) 4 教科書検定制度と法治主義違反の有無(消極) 5 教科書検定制度と憲法31条違反の有無(消極) 6 教科書検定と文部大臣の裁量権 7 文部大臣のした高等学校用日本史教科書に関する検定処分に対して教科書執筆者の提起した違憲・違法を理由とする国家賠償訴訟について、条件付不合格処分における検定意見の一部に裁量権濫用の違法があるものの、その余の部分には違憲・違法がないとした事例
小学校6年生の児童が1級河川の堤防で穴を掘って遊んでいた際に土砂が崩れ落ちて死亡した事故につき、右河川の堤防の設置管理に瑕疵がないとして、国家賠償法2条1項、3条1項に基づく損害賠償責任を否定した事例
1 「特別土地保有税(保有分)の修正決定について(通知)」と題し、納付すべき5年度分の税額総額、納付期限、納付先のみが記載され、各年度ごとの課税対象土地、課税標準額及び税額の記載がない書面をもって通知した同税の更正処分に手続上の違法がないとされた事例 2 特別土地保有税の更正処分に対する抗告訴訟における処分理由の追加・差替えの許否
1 弁護士の顧問料が給与所得ではなく、事業所得とされた事例 2 弁護士が事件処理のための旅行に際して依頼者から受取る日当は非課税所得に該当しない 3 弁護士が事件処理のための旅行に際して依頼者から受取る日当は当然には必要経費とならない 4 必要経費の立証責任は課税庁にあるが、納税義務者が必要経費はないとの課税庁の主張を単に争うだけで、その内容等を具体的に主張しない場合には、必要経費は存在しないものと推定される 5 法律解釈についての意見の相違が国税通則法65条4項の正当な理由があると認められる場合に該当しないとされた事例
保母の罹患した頸肩腕障害が保母労働に起因して発生し増悪したとして安全配慮義務に基づく慰藉料請求が一部認容された事例
組合専従者の原職復帰を定めた労働協約に違反して劣悪・単純業務に就かせたことが使用者の不法行為であるとして慰謝料請求が認められた事例
1 賃料増額請求事件につき、複数の賃料鑑定が証拠として存在する場合の適正賃料額認定事例 2 地主の地位を相続した共同相続人が借地人に対し有する賃料債権は不可分債権である
賃借人が約20年間継続営業してきた業種の変更を賃貸人に秘したまま賃貸人と合意した範囲を大幅に超えて建物を改装したことが背信行為とされ、賃貸人からの建物賃貸借の解除が認められた事例
ゴルフ練習場においてバックスイング時に隣の打席にいた者の前額部にゴルフクラブを当てて負傷させた事故につき、被害者の過失割合が7割とされた事例
交通事故にあった自動車の運転者及び同乗者の訴える頸椎捻挫等の傷害につき、入通院を要する傷害が発生したものと認められないとされた事例
被相続人の有していた建物賃借権を相続した相続人が右賃借権の確認を求める訴訟を提起・追行することが民法921条1号の規定による法定単純承認に該当するとされた事例
1 商法204条ノ2第2項により譲渡の相手方と指定された者から同条ノ3第1項による株式売渡請求権の行使があれば売買という法律関係が形成され、その後は右売渡請求の撤回をすることも、会社が、当初譲受人に対する株式の譲渡の不承認を撤回し、承認をなすことも許されず、いずれも無効である 2 右会社のなす譲渡承認の有効確認の訴えが、訴えの利益を欠き不適法とされた事例 3 商法204条ノ3第2項の供託は、同第1、2項により、右1項の売買形成後は保証供託の性質をもち、任意の取戻しは許されず、右取り戻されたときも、一旦成立した右売買という法律関係の効力に影響を及ぼさない
1 消耗品である製砂機のハンマーの打撃板を取り替えることが実用新案法2条及び28条にいう「製造」に該当するとして、右打撃板の製造、販売が製砂機のハンマーに係る実用新案権の間接侵害に当たるとされた事例 2 間接侵害を理由とする損害賠償請求、不当利得返還請求において、実用新案法28条にいう「製造にのみ使用するもの」の判断時期につき、行為時を基準とした事例 3 法人格否認の法理の主張が排斥された事例 4 間接侵害の場合における実用新案法29条2項の類推適用の有無(積極) 5 間接侵害の場合において、間接侵害構成物件の製造、販売についての「許諾料」相当額の不当利得の成立を認めた事例
1 濫用的短期賃借権者及び同賃借権者から転借した者は引渡命令の相手方になるとされた事例 2 右濫用的短期賃借権者等が差押登記後に有益費を支出しても留置権を主張することができないとされた事例
敷地出入口に門塀等が設置されていないアパート2階の外側共用通路部分に立ち入ることが「人の看守する邸宅」侵入に当たるとされた事例
被告人の覚せい剤使用について供述した自白調書の信用性を認めた原判決には事実誤認があるとして、破棄差戻しの判決がなされた事例
1 市の建築主事が機関委任事務の執行を通じて取得した文書が市の情報公開条例に基づく公開請求の対象となるとされた事例 2 市の情報公開条例に基づく自衛隊施設建築工事に関する文書の公開決定処分について、国の執行停止の申立てが一部認容された事例