最も長い歴史をもつ判例実務誌
宗教団体における特定人の法主の地位の存否について、宗教団体内部で右特定人が法主に就任していることが肯認されていると認められる場合には、裁判所は右判断を尊重し、これを前提として裁判すべきであるとされた事例
いわゆるラブホテルの建築規制条例に基づき市長がしたラブホテル該当性の判定及び通知が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例
条例により区議会等に出席した区議会議長に対して支給された日額旅費が、区議会議長は公用車により送迎を受けたので交通費の2重支給であるとし、支出負担行為権限者である区長及び支出命令権限を委任されている区議会事務局次長を当該職員として、区に代位して提起された日額旅費相当額の損害賠償請求が棄却された事例
1 簡易保険払込団体連合会に勤務する保険料集金人に対する解雇を原因とする不当労働行為救済手続において、国に当事者適格はないとされた事例
2 簡易保険払込団体連合会に勤務する保険料集金人に対する解雇を原因とする不当労働行為が成立しないとされた事例
ビル内の1区画の出店者に対する契約条件変更に伴う解約申入につき、500万円の補完金の提供をもって正当事由の存在を肯定した事例
1 自動車購入者に対しその資金を貸し付けた生命保険会社が、割賦販売法にいう割賦購入あっせん業者に当たるとされた事例
2 右貸付けに当たり購入者の連帯保証人となった者が、代位弁済により購入者に対し求償権を行使する場合において、購入者が販売業者に対してした契約解除をもって右連帯保証人に対抗することの可否
1 確定判決の成立過程における不正行為(確定判決の不当取得)が不法行為となるための要件
2 訴訟当事者の行為と確定判決の取得との間に因果関係が否定された事例
国道を右折しようとその中央部にいた普通乗用自動車と直進してきた自動二輪車との衝突事故につき普通乗用自動車運転者に自賠法3条但書の免責を認めた事例
1 交通事故によるいわゆるむち打ち症状につき、事故の寄与率を7割ないし8割と認定して損害額を減額した事例
2 交通事故の加害者が、保険会社に対し、自己の締結していた自動車保険契約の保険金の支払を請求するとともに、被害者に対し、右保険金の請求及び受領に関する事務を委任したことが被害者に対する損害賠償債務の承認に当たるとした事例
中学2年の男子生徒が跳び箱運動である前方倒立回転跳びの授業中着地に失敗して右下腿骨を骨折した事故につき担当教諭の指導上の過失が認められた事例
中学校の休み時間中、男子生徒がバット代りにして野球ゲームをしていた鉄パイプが手元からすっぽ抜けて、近くにいた女生徒に当たって負傷させた事故につき、学校側の責任が認められた事例
中学校の体育の正課としての剣道の授業中、中学生が同級生の竹刀の折れた先が目に突き刺さって失明した事故について、担当教師の教育指導上の過失が否定された事例
1 航行区域を沿海区域とする船は事故時まで内水を航行していても海商法の適用を受けるとされた事例
2 先頭の航海船と内水船・バージが一体となって曳船列を構成して航行中にバージが自衛艦と衝突した事故につき海商法の適用があるとされた事例
3 船舶を日常的に指揮監督しながら継続的かつ排他的・独占的に使用して自己の事業に従事させていた海上運送業者が、船舶所有者と同様の企業主体としての経済的実体を有するとして商法704条1項の類推適用により損害賠償責任を負うとされた事例
1 「真空技研工業株式会社」と「株式会社真空技研」との登記商号の類似性(積極)
2 商法20条1項の不正競争の目的が否定された事例
3 民事訴訟法232条1項但書の「著ク訴訟手続ヲ遅滞セシムベキ場合」に該るとされた事例
1 保険金受取人B死亡後、その夫である被保険者兼保険契約者Aが受取人の指定をせずに死亡した場合において、保険金受取人はB死亡時の相続人であるA及びABの子である
2 右の場合保険金受取人の地位は、被保険者Aの死亡により確定し、同時に具体化したAの保険会社に対する保険金請求権はAの相続財産に帰属する
1 生命保険契約の締結にあたり保険契約者兼被保険者が重要な事実を告げなかったことが悪意又は重大な過失による告知義務違反にあたるとされた事例
2 生命保険会社が重要な事実を知らなかったことにつき過失があったとはいえないとされた事例
1 特許権侵害が認められ、製造販売行為の差止めが認められた事例
2 製品の一部品についての特許権による製品全体の製造販売行為の差止めの可否
推計課税の適法性が争点となっている所得税更正処分取消訴訟において原告が申し立てた同業者率算出の基礎となった類似同業者の所得税確定申告書等の提出命令の申立が却下された事例
1 宣誓及び証言を拒否した証人につき刑訴法321条1項2号前後の場合に当たるとして検察官面前調書の証拠能力が認められた事例
2 共謀共同正犯の認定につき1審の無罪判決を破棄して有罪とされた事例
裁判時19才の少年であった被告人が、実在する成人の氏名、年令、本籍等を冒用したため、家裁を経由することなく、勾留中起訴、審理され、言い渡された判決であっても、当然無効とはいえず、刑法45条後段の確定裁判に当たるとされた事例
警察官が被告人の手の指をこじ開けて証拠物を取り上げ、これに反抗して暴行した被告人を公務執行妨害罪で現行犯逮捕、逮捕に伴い別の証拠物を押収した場合につき、各証拠物の証拠収集手続には違法があるが証拠能力は認められるとした事例
動産売買先取特権者(売主)は、債務者(買主)ないしその破産管財人に対し、先取特権の目的物につき差押承諾請求権を有するとされた事例