最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 自由診療における医師の裁量と過剰な診療行為
2 自由診療において診療報酬についての合意を欠く場合の診療報酬額の算定方法
3 交通事故によるむち打症患者に対する自由診療において診療報酬についての合意を欠いた場合に健康保険法の診療報酬体系を基準とし薬剤料については1点単価を10円としその余の診療報酬部分についてはこれを10円50銭として診療報酬額を算定した事例
亜炭採掘に起因する大規模な山崩れにより多数の付近住民が死傷した災害について、国及び県の災害防止義務懈怠による損害賠償責任が認められなかった事例
保健婦助産婦看護婦法違反罪が成立するとされた事例
1 同法43条1項1号による処罰の対象は人の健康に害を及ぼすおそれのある診療補助業務に限られるか
2 無資格者にどのような診療補助業務をさせることができるか
3 本件の具体的診療補助行為は右の判断基準に照らし許された行為といえるか
1 都市計画法施行規則60条の証明書交付処分に対する審査請求庁
2 隣接住民の都市計画法施行規則60条の証明書交付処分に対する審査請求適格(消極)
3 行政不服審査庁が審査請求適格を認めたことを違法として訴訟において裁決を取り消すことができるか(積極)
4 都市計画法29条は建築基準法6条の「敷地に関する法律」か(積極)
5 都市計画法施行規則60条の証明書の効力の内容
6 都市計画法施行規則60条の証明書の添付を欠いた申請に基づく建築確認の効力(有効)
7 権限を欠く開発審査会のした裁決の効力(無効)
8 開発審査会の裁決とこれを前提としてされた建築審査会の裁決の各取消訴訟が併合して判決されるとき、開発審査会の裁決が取消されるべきことは、建築審査会の裁決を取消すべき理由となるか(積極)
9 計169戸のマンションの建築につき都市計画法4条12項の「土地の区画の変更」がないとされた事例
10 都市計画法4条12項の「土地の形質の変更」の意義
登記申請書記載の登記義務者の氏名と事前通知に対する回答書記載の登記義務者の氏名とが異なるのを看過して登記申請を受理した登記官に過失があるが右過失と損害との間に相当因果関係がないとした事例(大阪高裁昭和63年11月24日)
1 提出された不動産登記申請書類を盗まれた登記官の過失と当該不動産の売買代金名下に小切手を騙取された損害との間に相当因果関係を肯定した事例
2 不動産登記申請書類の中に偽造されたものが含まれていることを知った登記官の申請人ないしその代理人に対する申請の即時取下勧告義務(積極)
1 保育所において、乳幼児を伏臥位で就寝させる場合には、乳幼児の頭部・顔面に当たる部分に柔軟・可動物を置かないようにし、乳幼児を観察する義務がある。
2 市の家庭保育福祉員は、国家賠償法上、市の公務員と言えない。
3 無認可保育所における保育事故について、県や国が児童福祉法上の規制権限の不行使を理由に損害賠償責任を負担するのは、関係機関が当該事故の発生を具体的に予見可能な場合に限られる。
クレジットカード会社が会員に対しカード利用代金を訴訟上請求するにつき購入物品名を具体的に主張する必要はないとされた事例
新たに結成された宗教団体の指導者(大谷光紹)が既存の宗教団体(真宗大谷派)の通称(東本願寺)と類似の名称(浄土真宗東本願寺派)を使用したとして、既存の宗教団体が申立てた右類似名称等の使用差止仮処分申請が却下された事例
全校マラソン大会に参加して走行中の高校生が心不全により死亡した事故について、学校側に看視体制の安全保護義務不履行があるとしたが、右不履行と右死亡との間に因果関係がないとして、死亡による損害賠償請求が認められなかった事例
1 墳墓の所有権の承継(祭祀主宰者の指定)
2 墳墓について、寺の住職が真実に反する説明を他にしたことにより、その所有者の祭祀主宰者としての権利が侵害されたとして、寺に慰謝料の支払を命じた事例
1 新株発行差止の訴訟において、右新株発行の日から6か月を経過した後に予備的に追加された新株発行無効の訴えが、出訴期間の遵守において欠けるところがないとされた事例
2 新株発行差止の仮処分に違反してなされた新株の発行が無効とされた事例
営業利益のない会社が社員を被保険者として規模・資力に不相応な多額の経営者保険に加入していたとしても直ちに賭博類似の目的とはいえないとして保険契約が有効とされた事例
1 船舶改装のための溶断・溶接工事と塗装工事が同時並行して行われたため発生した引火爆発事故に関し、両工事を各別の業者に注文した注文者に対し要求される事故防止のための注意義務の内容
2 右引火爆発事故に関し注文者の注意義務違反と現場作業員らの注意義務違反が競合した場合において、注文者の義務違反と事故発生との間に因果関係が存しないとされた事例
相手方の有形力の行使が、被告人が防衛行為に出ることを正当化するような侵害にまでは至っていないとされ、正当防衛の主張が排斥された事例
外国人登録法(昭和62年法律第102号による改正前のもの)14条、18条1項8号による指紋押捺の強制が、憲法13条、14条、19条、31条、市民的及び政治的権利に関する国際規約7条に違反しないとされた事例